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ミカティ氏:ターイフ合意はレバノン危機への最善の解決策、サウジは我々とともにある

報道陣に向けて話すレバノンのナジーブ・ミカティ首相。(AFP)
報道陣に向けて話すレバノンのナジーブ・ミカティ首相。(AFP)
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06 Nov 2022 08:11:04 GMT9
06 Nov 2022 08:11:04 GMT9
  • フランスはターイフ合意の見直しや修正を意図しているわけではないということをサウジ大使は指摘した

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノンの暫定首相と在ベイルートサウジアラビア大使は11月5日、会合でターイフ合意の重要性を強調した。

ワリード・ビン・アブドゥラー・ブカーリ大使はベイルートのユネスコ・パレスで公開討論会を企画し、1,000人以上が政治、経済、学術研究の分野から集まった。

出席者の中にはターイフ合意の草案作成に関わった人々、協定成立に重要な役割を果たしたベテラン外交官のラフダール・ブラヒミ氏や進歩社会党のワリード・ジュンブラート党首、自由愛国運動(FPM)所属の議員たち、大統領候補のスレイマン・フランジェ氏も含まれていた。

アラブ世界と国際社会の支援の下、15年にわたるレバノン内戦を終結させた協定成立から33年が経ち、協定成立に主要な役割を果たしたサウジアラビアはレバノン国民の和解への熱意を改めて確認した。

公開討論会が開かれた背景には、ヒズボラとそれに同調するFPMによる、ターイフ合意に反対する運動がある。

ナジーブ・ミカティ暫定首相は、討論会はサウジアラビアが今なおレバノンとともにあるという証であり、出席者の多さはすべての人がターイフ合意を実行にあたって最善の選択肢だと考えていることを示していると述べた。

ブカーリ大使はサウジアラビアとその指導層がレバノンの安全、安定、統一に強い関心を寄せていることを繰り返した。

「我々はターイフ合意によって示された共存の処方箋、つまり取り消すことのできないレバノン国家の存在と、レバノンのアイデンティティおよびアラブ世界への帰属を維持するという方針を早急に実現する必要があります」

レバノンの各党派間で国家的対話を行うというフランスの提案について言及しながら、ブカーリ大使はエマニュエル・マクロン大統領のフランスが強調した点、すなわちフランスはターイフ合意の見直しや憲法の修正を意図しているわけではないということを指摘した。

一方で、ブカーリ氏はレバノンの元議会議長、フセイン・エル・フセイニー氏が協定成立で果たした役割と、ターイフ合意成立後に選出され、職務を遂行する前に暗殺されたルネ・ムアウワド元大統領の功績を称えた。

大使はまた、「ターイフ合意の英雄であった」二人、ラフィーク・ハリーリ元大統領とサウジアラビアの外相であった故サウード・アル・ファイサル王子をしのんだ。

ブラヒミ氏は次のように述べた。

「ターイフ合意はレバノン国民が新しい国家を建設する道を開きました。我々は合意の実現過程と同時に形成された3カ国委員会に期待を寄せましたが、それはファハド・ビン・アブドルアジーズ国王をはじめとするアラブ世界の指導者たちの意志でもありました。しかし、イラクがクウェートに侵攻したことで、委員会の作業が中断されたのです」

レバノンのフアード・シニオラ元首相は以下のように発言した。

「ターイフ合意を信じる人物を大統領に選出することが、憲法が定める行政府の仕事を補完するにあたって最重要であり、そのためにはすべての人が善意をもって協力しなければなりません」

ワリード・ジュンブラート氏は「一部の人々が提案しているようなターイフ合意の修正を検討する前に、我々はその条項を、他の付属条項とともに実行し、最終的には合意に含まれる計画に従って政治的党派主義を廃止しなければならない」と述べ、この件に対応するための委員会の設置を求めた。

「これらすべては、我々が大統領を選出して、経済・金融面での失地回復につながる必要な改革を実行できる、信頼に値する政府を発足させない限り無意味です」

マロン派総大司教座を代表して出席したブーロス・マター司祭は以下のように発言した。「ターイフ合意では、キリスト教徒とイスラム教徒がともに一つの国を作ります。

レバノンでは、愛国心とアラブ主義、人道の下で私たちは兄弟なのです。

ですから、レバノン国民には兄弟として、争いを脇に置くよう呼びかけます」

「政治体制は対話の結果に合わせて変化すべきで、対話は決して止めてはなりません」

国連のレバノン担当特別調整官、ヨアンナ・ヴロネツカ氏は「ターイフ合意は国連安全保障理事会決議1701の多くの条項で再確認されています。

この合意により、派閥主義を終わらせて平和な共存を実現するための枠組みが整えられ、レバノン国民の強い願望に応えるような新しい政治システムが確立されたのであり、レバノンの安定を保証するような仕方で合意を履行するための努力が求められます」と述べた。

ターイフ合意成立に関与したブトロス・ハーブ元議員は次のように語った。

「今日合意の内容を批判するのは簡単です。しかし、当時のレバノンで起きていた殺戮と爆撃はそれほど簡単なものではありませんでした。新たな処方箋は、国全体の利益のために、すべての人に妥協を要求したのです」

エドモンド・リズク元議員は「合意の本質は自由なシステムにおける理性的な協力関係です。

愛国心は強制されるものではなく、問題は合意の文面にあるのではありません」と述べた。

タラール・メルヘビ元議員は「多くの人が、内容を読むことさえせずにターイフ合意の修正について語っています…合意の3者連合といったものは存在せず、レバノン国外で行われたターイフ合意に反するいかなる会合も、国に背く陰謀なのです」と話した。

研究者であるニザール・ユーネス氏は合意後の実務的手続きとアラブのアイデンティティを大衆迎合的なものに置き換えることによってレバノンが派閥定員制国家に転じたことを批判した。

ユーネス氏は「ターイフ合意を実行しなければ、レバノンを守ることはできません」と述べた。

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