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レバノンの治安は大統領空位でも堅固:内相

レバノンのミシェル・アウン大統領が任期満了に伴いバアブダの大統領官邸を去る準備をする中、大きな国旗の下で歓声を上げる同大統領の支持者たち。2022年10月30日、首都ベイルートの東。(AFP/ファイル)
レバノンのミシェル・アウン大統領が任期満了に伴いバアブダの大統領官邸を去る準備をする中、大きな国旗の下で歓声を上げる同大統領の支持者たち。2022年10月30日、首都ベイルートの東。(AFP/ファイル)
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09 Nov 2022 04:11:15 GMT9
09 Nov 2022 04:11:15 GMT9
  • 一方、軍は一部の部隊が「デモ隊への対応、強制捜査の実行、指名手配犯の逮捕を想定した演習を実施した」と発表した。

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノンでは新大統領不在のまま国家運営が続いているが、治安当局は秩序維持のために必要なあらゆる措置を講じると、同国の暫定内相が8日に述べた。

バサム・マウラヴィ暫定内相は国内治安中央評議会との会合後、治安は全てのレバノン国民が必要とするものであり「利用可能なあらゆる手段を用いてそれを維持することは治安当局の義務だ」と述べた。

また、犯罪件数は「昨年同期と比較すると減少」しており、「シリア難民キャンプの状況は高度にコントロールされている」と指摘した。

さらに、今年に入ってから8つのテロリスト小集団の構成員らが逮捕されたことを付け加えた。

一方、レバノン軍司令部は、一部の部隊が「デモ隊への対応、強制捜査の実行、指名手配犯の逮捕を想定した演習をアムチト、トリポリ、ジュベイル、ベイルート、サイダで実施した」と発表した。

これらの演習は「対テロ作戦『SOFEX 2022』のコンセプトに従った訓練の一環であり、米国およびイギリスの訓練チームが参加して実施された」という。

沿岸都市ジュニーエでの演習は、銀行内で発生した治安事件への対処と犯人の逮捕を想定して行われた。

ここ最近、預金を引き出すことができない銀行顧客の間で不満が高まる中、顧客が時には武装して銀行を襲撃し現金を要求する事件が多発していることが背景にある。

軍トップのジョセフ・アウン氏は次のように述べた。

「政党間の政治的緊張が高まる中でレバノンが目の当たりしているこの大統領空位期間には、治安を損なうためにこの状況を利用しようとする試みが伴う可能性がある」

新大統領について政党間の合意が得られないままミシェル・アウン大統領の任期が10月末に満了したこと発生した大統領空位は8日に2週目に入った。

ナビーフ・ビッリー議会議長が招集した第5会期の10日に新大統領が選出される望みは薄そうだ。

一方のナジーブ・ミカティ暫定首相はシャルム・エル・シェイクで開催されている国連気候変動会議(COP27)に出席中だ。

同首相はこの会議に合わせてフランスのエマニュエル・マクロン大統領と会談した。

ミカティ首相のメディアオフィスによると、マクロン大統領は「国家機関の正常な機能を実現するためにレバノン大統領選挙を最優先で実施する」必要性を強調した。

ヒズボラとその同盟者はまだ推薦する大統領候補を発表していない。

ヒズボラに反対する議会ブロックはミシェル・モアワド議員を、無党派議員らは学識経験者のイサム・ハリフェ氏を推薦している。

軍トップのアウン氏は、軍は政治的対立には関与せず誰の味方をすることもないと述べた。

「軍にとって何よりもまず重要なのは安定と市民の平和を維持することだ」と同氏は述べた。

「この状況を利用して我が国を治安事件や不審な動きを許す場に変えるようなことは誰にもさせない。治安の混乱は容認しない。それが常に軍にとって不変の基本原則であり続けてきたし、これからもそうだ」

進歩社会党の党首顧問であるラミ・ライヤス氏はアラブニュースに対し、「レバノンの政治的リスクが大きいほど経済や治安が悪化するリスクは高まる。

特に実効性のある憲法的権威が不在の時はそうだ」と語った。

また、議会は一つの党が一方的に権力を行使することを許すようにはできていないため「相互の相談が必須だ」と指摘した。

一方、米国のバーバラ・A・リーフ近東問題担当国務次官補は、「レバノンに関しては国家の完全な崩壊を含むあらゆるシナリオが想定される。

国内治安部隊とレバノン軍がコントロールを失い大量出国が起こる可能性もある」と警告した。

これは、ウィルソン・センターが主催しデビッド・ヘイル元駐レバノン米大使が司会を務めた、レバノンにおける米国の政策をテーマとしたイベントでの発言だ。

「外交官たち自身が荷物をまとめて欧州に行くだろうと思う」と同国務次官補は述べた。

「議会に出向いて、大統領を選出するよう内閣に圧力をかけることは外国の外交官の義務ではない」

「我々は政治指導者らに対してやるべき事をやるよう圧力をかけている。

しかし、国民の圧力ほどの影響を持つものはない。

遅かれ早かれそれはまた高まるだろう」

同国務次官補は、レバノンが緊急に必要としているのは、大統領選出と首相任命、およびそれに続く、(根本的な改革と、エネルギー取引の資金のための国際通貨基金および世界銀行の融資の承認を含む)重要な決定を下す完全な権限を持った政府の発足だと強調した。

また、米国はレバノン政府と協力して、必要な経済改革を実行するための公式の行動を取る完全な権限を持った政権を確保できるよう支援する用意があると述べた。

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