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国連人権理事会、イスラエルに対する無期限の調査をめぐり論争に

国連人種差別撤廃委員会(CERD)の公聴会の冒頭でスピーチを行う米国のミシェル・テイラー国連人権理事会大使。2022年8月11日、ジュネーヴ。(AFP)
国連人種差別撤廃委員会(CERD)の公聴会の冒頭でスピーチを行う米国のミシェル・テイラー国連人権理事会大使。2022年8月11日、ジュネーヴ。(AFP)
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21 Jun 2023 06:06:33 GMT9
21 Jun 2023 06:06:33 GMT9
  • 2021年5月にイスラエル人とパレスチナ人の間で死者を伴う暴力が急増したことを受け、人権理事会が任命することができる最高レベルの調査チームであるCOIが同月に設置された

ジュネーヴ:米国は20日、27ヶ国を代表して、イスラエル・パレスチナ紛争における人権侵害疑惑に対する国連の調査が無期限であること、またイスラエルに「不釣り合いに」注目していることを非難した。

米国のミシェル・テイラー大使は国連人権理事会で、調査委員会(COI)の「任務が無期限でサンセット条項(期日)がない」ことに対して27ヶ国は「深い懸念」を抱いていると述べた。

オーストリア、イギリス、カナダ、イタリアを含む27ヶ国は、「同理事会において長きにわたりイスラエルが不釣り合いに注目されている状況」を終わらせるよう要求した。

2021年5月にイスラエル人とパレスチナ人の間で死者を伴う暴力が急増したことを受け、人権理事会が任命することができる最高レベルの調査チームであるCOIが同月に設置された。

今も存続する、この独立した国際的なCOIの設置目的は、イスラエル、そして東エルサレムを含む占領下のパレスチナ領土における「全ての国際人道法違反疑惑および全ての国際人権法違反・侵害疑惑」の調査だった。

また、「頻発する緊張状態、情勢不安、紛争長期化の根底にある全ての根本原因」の調査も任務とされている。

この史上初の無期限のCOIは、南アフリカのナビ・ピレイ元国連人権高等弁務官、インドのミルーン・コタリ氏、オーストラリアのクリス・シドティ氏によって運営されている。

コタリ氏は、20日にジュネーヴで開かれた記者会見で、サンセット条項を求める声に言及した。

「我々はイスラエルによる占領のサンセットを見たいと思っている(…)しかしその時までは、任務が無期限であることは十二分に正当性を持つ」

イスラエルは調査への協力を拒否している。

ピレイ氏は同じ記者会見で、「任務が無期限だからという理由でCOIと話し合わないのは、非常に馬鹿げた偽りの理由ではないだろうか」と問いかけた。

調査チームは今月公開した第2回報告書の中で、イスラエルと占領下パレスチナ領土の両方の当局が嫌がらせ、脅迫、逮捕、尋問、拘留、拷問を通してパレスチナ人の市民社会権を侵害していると書いている。

そして、その侵害の大半はイスラエル当局によるものだとしている。

ピレイ氏は20日の人権理事会で次のように述べた。「我々の報告書によると、イスラエル当局はパレスチナの市民社会メンバーの活動の阻止・干渉を意図した様々な懲罰手段を使用してきた」

この報告書が公開された後、イスラエルはその内容を批判し、同国には「自由に活動できる(…)強固で独立した市民社会」があると述べた。

イスラエル、米国、その他の西側諸国は、人権理事会がイスラエルに向けている注意の大きさを事あるごとに批判している。

イスラエルは調査に協力していないため、同国の代表は20日に理事会で行われた報告書についての議論に参加していなかった。

パレスチナのイブラヒム・フライシ大使は、米国主導の共同声明を「恥ずべきもの」と言って非難した。

中国、ロシア、イラン、北朝鮮、シリアを含む数ヶ国を代表して発言したベネズエラは、COIの任務への全面的な支持を表明した。

ベネズエラのヘクター・コンスタント・ロサレス大使は、「COI(…)を弱体化させようとする試みに深刻な懸念を表明する」と述べた。

EU代表は、一部の加盟国は「その権限の幅広さ」と期限が無いこと「に対する懸念を理由に」COIの設置を支持しなかったと指摘した。

AFP

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