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イスラエルのヘルツォグ氏、司法改革について自国の民主主義は健全とバイデン氏に伝える

2023年7月18日、米国ワシントンにあるホワイトハウスの大統領執務室にて、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領が米国のジョー・バイデン大統領と会談。(ロイター)
2023年7月18日、米国ワシントンにあるホワイトハウスの大統領執務室にて、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領が米国のジョー・バイデン大統領と会談。(ロイター)
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19 Jul 2023 08:07:56 GMT9
19 Jul 2023 08:07:56 GMT9
  • 米当局はイスラエルが過激派の攻撃から自国を守る権利を大筋で支持してきたが、同時に市民への危害を最小限に抑制するよう説得もしてきた

ワシントン:イスラエルの名目上の首長であるイツハク・ヘルツォグ大統領は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相による異論の多いイスラエル司法制度改革とヨルダン川西岸地区への入植地建設が現在進行中であることについて米国の懸念が深まる中、イスラエルは民主主義への献身を保っているとジョー・バイデン大統領に保証しようと努めた。

18日に大統領執務室で行われた会談でバイデン氏の隣に座ったヘルツォグ氏は、イスラエルが難しい時期にあると認めつつも、同国の民主主義は依然として「健全で、力強く」かつ「柔軟」であるとバイデン氏に語った。

ヘルツォグ氏の訪問の前日にはバイデン氏とネタニヤフ氏が電話会談し、今秋の米国での会談に招待したが、ヘルツォグ氏はネタニヤフ氏の極右政党連合の政策の一部について疑念を表明した。

ネタニヤフ政権はイスラエルで広範な抵抗を引き起こしている司法改革を推し進めている。またネタニヤフ氏はヨルダン川西岸地区への新たな住宅数千棟の建設を許可している。

「私たちは苦痛を味わっています。私たちは激しい議論の最中にあります」とヘルツォグ氏は語った。「私たちはこれまでも困難な時期を経験してきました。しかし大統領閣下に申し上げますが、これまでイスラエル国民に国の首長として語ってきたように、私は私たちが常に友好的な合意を模索すべきだと心から信じていますし、その点で閣下に同意します。」

ネタニヤフ氏とその協力者である超正統派と超国家主義の政党の連合は、この計画は選挙で選出されていない裁判官の権力を抑制するために必要だと主張している。反対派は、この計画によってイスラエルの脆弱な抑制と均衡のシステムが破壊され、国が権威主義体制へと移行することになると主張している。

ヘルツォグ氏は歩み寄りを求めてきたが、これまでのところそれは難しいとわかっている。多くのアメリカのユダヤ人団体や民主党議員はこの計画について懸念を表明している。

意見の不一致は目に見えているものの、バイデン氏は記者団を前にして行った短い会見で米国とイスラエルの関係の重要性を強調した。

「これは決して壊れることのない友情だと私は信じている」とバイデン氏は語った。「昨日ベンヤミン・ネタニヤフ首相に確認した通り、米国のイスラエルに対する献身は強固なものであり、不変である。」

訪米中にヘルツォグ氏はカマラ・ハリス副大統領や議会の指導者たちとも会談する予定だ。19日には父親であるハイム・ヘルツォグ氏に続いて米国議会で演説をした2人目の大統領となる。氏の演説はイスラエル独立75周年を記念するものとなる。

ヘルツォグ氏の訪米の数週間前にはイスラエル軍がこの20年間で最も激しい作戦のひとつをヨルダン川西岸地区で実行し、占領下のヨルダン川西岸地区における過激派の本拠地であるジェニンに2日間の空と陸からの攻撃が行われた。

ネタニヤフ政権の幹部たちは、パレスチナ人との1年以上に及ぶ暴力の多発に対応して、ヨルダン川西岸地区へのイスラエルの支配を強固にするために建設の増加その他の施策を推し進めてきた。

米国当局はイスラエルが過激派の攻撃から自国を守る権利を大筋で支持してきたが、同時に市民への危害を最小限にするよう説得もしてきており、イスラエルとパレスチナ人の間の二国家解決の実現可能性をさらに少なくすることになる追加の入植地に反対するロビー活動も行ってきた。

バイデン氏がホワイトハウスでネタニヤフ氏を迎えるのか(ネタニヤフ氏はそう希望している)、あるいはニューヨークの国連総会の周辺部で迎えるのかについてバイデン政権は発言を差し控えた。

ホワイトハウス訪問は概してイスラエルの首相の標準的な外交儀礼であり、ネタニヤフ氏の訪問の遅れはイスラエルで問題となっている。反対派はこれについて米国との関係悪化の表れだと指摘している。ヘルツォグ氏はバイデン氏とネタニヤフ氏の会談は地域に重要なメッセージを送ったと語った。

「ネタニヤフ首相との会談で私たちの不変の軍事および安全保障協力について強調してくださったことについて喜ばしく感じました。なぜなら、私たちの敵の一部は時折、米国とイスラエル都の間にいくつかの意見の不一致がありうるという事実が、私たちの壊れることのない絆に影響を与えるものだと誤って受け止めることがあるからです」とヘルツォグ氏は語った。

国家安全保障会議のジョン・カービー戦略広報調整官は、バイデン氏が17日に再びネタニヤフ氏の司法改革計画について、両者が今年初めに会談した際と同様に懸念を表明し、ネタニヤフ氏とその強硬派の連立政権が進めてきた法律について「可能な限り広範な同意」を得るよう要請したと述べた。

カービー氏は、両指導者が電話会談中にイランの核計画と地域の安全保障問題について話し合ったと語った。またバイデン氏はヨルダン川西岸地区へのイスラエルの入植地の増加が続いていることについて「懸念を表明」し、イスラエルに対してパレスチナ人との二国家解決の実現可能性を維持する手段を取るよう要請した。

またカービー氏によると、バイデン氏はパレスチナ当局によるジェニンやヨルダン川西岸地区の他の地域における治安掌握の権利を再主張する措置、そしてイスラエルとパレスチナ人による新たな直接対話への動きを歓迎しているという。

革新派の政治家である下院議員のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏、ジャマール・ボウマン氏、コリ・ブッシュ氏、イルハン・オマル氏はイスラエルの政策に抗議してヘルツォグ氏の演説をボイコットすると公言している。

ヘルツォグの訪米の数日前には、有力議員100人からなる議会革新会派の議長をつとめるプラミラ・ジャヤパル下院議員がイスラエルを「人種差別国家」と称したことで物議をかもしている。批判者の中には下院民主党のトップであるハキーム・ジェフリーズ氏も含まれる。ジャヤパル氏は後にイスラエルの政府を批判したのであって、国家の存在を批判したのではないと語った。

バイデン氏はジャヤパル氏の謝罪を喜んでいるとカービー氏は述べた。「我々は謝罪は正しいことだったと考えている」と氏は17日に記者団に対して語った。

イスラエルは1967年の中東戦争でヨルダン川西岸地区、東エルサレム、ガザ地区を占領した。パレスチナ人は将来の独立国家のために3つの領土すべての権利を主張している。

イスラエルは東エルサレムを併合して自国の首都の一部であると主張しているが、この主張は国際的には認められていない。

イスラエルはヨルダン川西岸地区は係争中の領土であり、その運命は交渉を通じて決定されるべきであると主張している一方、ガザ地区からは2005年に撤退している。その2年後、過激派組織ハマスがガザ地区を占領した。

AP

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