• イタマル・ベングビール大臣によるアル・アクサモスク敷地内への訪問は、イスラエル・パレスチナ間の暴力の応酬が収まる兆しを見せない中で行われた
• ヨルダン川西岸地区の町でファレス・シャラハビル・アブ・サムラさん（14）がイスラエル軍に射殺された

エルサレム：占領下のヨルダン川西岸地区で14歳のパレスチナ人がイスラエル軍によって射殺された。パレスチナ保健省が27日に発表した。同じ頃、イスラエルの過激主義的閣僚はイスラエル・パレスチナ間の暴力事件が頻発しているエルサレムのモスクを訪問した。

イタマル・ベングビール大臣によるアル・アクサモスク敷地内への訪問は、イスラエル・パレスチナ間の1年半におよぶ暴力の応酬が収まる兆しを見せない中で行われた。このような訪問を挑発行為を見なすパレスチナ側からの非難を呼ぶことになりそうだ。

パレスチナ保健省は27日早朝、ヨルダン川西岸地区の町カルキリヤでファレス・シャラハビル・アブ・サムラさん（14）がイスラエル軍に射殺されたと発表した。同軍からは今のところコメントは出されていない。

ベングビール大臣は、ユダヤ教の祝日ティシュアー・ベ・アーブを祝うためにアル・アクサモスクの敷地内を訪れていたとみられる数百人のユダヤ人に加わっていた。この祝日は、ユダヤ人がユダヤ史上の重要な出来事である第一神殿と第二神殿の破壊を振り返って、悼み悔い改める日である。

ベングビール大臣は事務所が公開した動画の中で、「ここはイスラエルの民にとって最も大切な場所だ。我々はここに戻り、我々のルールを示さなければならない」と語った。背景には黄金色の岩のドームが映っている。

かつてヨルダン川西岸地区の入植者の指導者で極右活動家だったベングビール大臣は一昔前、扇動およびユダヤ系テロ組織支援の罪で有罪判決を受けた。現在はイスラエルの警察を監督する国家安全保障相の地位にある。

ベングビール大臣による27日のアル・アクサモスク敷地内への訪問は、同大臣がベンヤミン・ネタニヤフ首相の極右政権の閣僚に就任して以降で3回目の訪問だった。

同大臣による今回の訪問は、イスラエル・パレスチナ間で既に高まっている緊張をさらに刺激しかねないものだ。双方間では何ヶ月も衝突が続いており、ヨルダン川西岸地区では過去20年近くで最悪の暴力事件が発生した。

ユダヤ教徒が神殿の丘と呼ぶこの場所は、聖書に書かれている神殿がかつて立っていたユダヤ教における最も神聖な場所だ。現在ここには、イスラム教において3番目に神聖なアル・アクサモスクがある。

AP