ドバイ：イランは12日、現在テヘランで拘束下にあるイラン系米国人5人の解放と引き換えに米国で解放されることを求める囚人5人を指定した。この取引には、かつて韓国で凍結されていた数十億ドルのイラン資産の送金も含まれている。

この指定はニューヨークのイラン国連代表部が行ったものだ。一方のバイデン政権は、国際銀行がイランの凍結資金60億ドルを韓国からカタールに米国の制裁を恐れずに送金できるようにする包括的な制裁免除措置を発行した。

両国政府の動きは、囚人交換のプロセスが進んでいることを示唆しているようだ。かつて韓国ウォンで保有されていた資金がユーロに換金されカタールに送金されれば、イランはそれを人道目的で使用できることになっている。

イラン国連代表部のアリ・カリミ・マガム報道官はAP通信に寄せた声明の中で、同国政府が解放を求める囚人のリストを発表した。

イランが解放を求めるとしているのは以下の5人。

— カヴェ・ロトフォラ・アフラシアビ氏。イラン人。2021年、核政策などの問題について米当局者にロビー活動を行う一方でイランの代理人としての外国代理人登録を怠った容疑で起訴された。
— メフルダッド・アンサリ氏。イラン人。2021年、ミサイル、電子戦、核兵器、その他の軍事装備に使用される可能性のある機器を入手したとして禁固63ヶ月の判決を受けた。
— アミン・ハサンザデ氏。2019年、イラン人で米国永住権保持者。イランに送るために雇用主から技術設計図を盗んだ容疑で起訴された。
— レザ・サルハンプール・カフラニ氏。イラン人。2021年、実験装置のイランへの不法輸出の容疑で起訴された。
— カンビズ・アタル・カシャニ氏。イラン系米国人。今年2月、UAEのフロント企業を通して「高度でトップレベルの米国製電子機器とソフトウェア」を購入したとして禁固30ヶ月の判決を受けた。

米国務省は、「現在進行中であるこのプロセスの機微性」を理由にコメントを避けた。

ニュースウェブサイト「アル・モニター」は11日、イラン国連代表部の声明に依拠し、これらのイラン人らの名前を最初に報じた。

一方、米国が解放を求めている囚人は以下の通り。シアマク・ナマジ氏。2015年にイランで拘束され、後に国際的に批判されたスパイ容疑で禁固10年の判決を受けた。エマド・シャルギ氏。ベンチャーキャピタリスト。禁固10年の判決を受けた。モラド・ターバズ氏。イラン系米国人でイギリスの国籍も持つ自然保護活動家。2018年に逮捕され、同じく禁固10年の判決を受けた。

あと2人の名前は公表されていない。5人はいずれもテヘランのホテルで軟禁されている。

イランの核開発や、船舶への一連の拿捕や攻撃をめぐって同国と欧米の間の緊張が高まる中、米国では囚人交換が議論の的となっており、共和党議員らはそれが行われる可能性があることを批判している。

米国防総省は、ホルムズ海峡を航行する商船に米軍兵士を搭乗させる計画を検討している。世界で輸送される全ての原油の20%が同海峡を通過してアラビア湾を出る。

この地域では、F-35やF-16などの軍用機および米海軍・海兵隊の大規模な配備も進行している。一方、イランはロシアに、同国がウクライナ戦争で標的の攻撃に使用する爆弾搭載ドローンを供給している。