• アブドッラー国王は、パレスチナ人の公正かつ正当な権利を満たす政治的解決策がないことが、地域の緊張を高めていると述べた
• ブリンケン氏は、エジプトが仲介した停戦の強化が目的の中東歴訪の最終行程としてアンマンに到着した

アラブニュース

アンマン：ヨルダンのアブドッラー2世国王は、エルサレムとアル・アクサモスクにおいてイスラエルの挑発的な違反行為が続いていることに加え、東エルサレムの多くの地区、特にシェイク・ジャラーにおいて住民を違法に立ち退かせようとする試みが繰り返されていることに対して警告を発した。これらの動きは最近の対立の激化につながっている。国営ペトラ通信が報じた。

アブドッラー国王は、水曜日に行われたアントニー・ブリンケン米国務長官との会談で、「エルサレムとその神聖の歴史的・法的地位を、偏見を持たずに維持する必要がある」と強調し、ヨルダンは、「エルサレムにあるイスラム教とキリスト教の聖地を守るために、あらゆる努力を続けていく」と述べた。ヨルダン・ハシミテ王国はエルサレムの守護者を務めている。

アブドラ国王は、エルサレムの対パレスチナ総領事館の再開や、国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）への支援再開など、米政権が最近行った決定を評価し、これらの措置が信頼を築き、政治的な道を推し進めることに貢献すると述べた。

ブリンケン氏は、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区にあるパレスチナ大統領府でマフムード・アッバース大統領と会談した後、エルサレムの総領事館を再開することで米国とパレスチナ人の関係を再構築し、さらに戦争で破壊されたガザ地区に数百万ドルの支援を行うことを表明した。

今回の発表は、2019年にパレスチナ人のための外交代表部を閉鎖し、パレスチナ自治政府への援助を削減したドナルド・トランプ前大統領の下での米国の政策との決別を示唆している。

アブドッラー国王は、二国家解決に基づく公正で包括的な和平の実現につながる、パレスチナ人とイスラエル人による真剣で効果的な交渉の再始動を後押しした米国政府の極めて重要な役割を称賛した。

国王はまた、パレスチナ自治区において激化する緊張を終わらせるための米国の最近の取り組みに感謝の意を表した。

アブドッラー国王は、「パレスチナ人の公正かつ正当な権利を満たし、東エルサレムを首都とし、1967年6月4日の国境線に基づいて、パレスチナ人の存続可能な独立主権国家を樹立することを保証する政治的解決策がないことは、この地域をより一層の緊張と不安定さに向かわせている」と述べた。

エジプトが仲介したイスラエルとガザのパレスチナ諸派との停戦を強化することを目的とした中東歴訪の最終行程として水曜日にアンマンに到着したブリンケン氏は、ヨルダンのアブドッラー国王に対し、エルサレムの米国総領事館の再開を実行に移すには少し時間が必要だと伝えた。総領事館の再開は火曜日にブリンケン氏が発表した。

ブリンケン氏はまた、今月11日間にわたって行われた戦闘の終結には、ヨルダンのアブドッラー国王が重要な役割を果たしたと述べたと報じられている。

ブリンケン氏はさらに、ガザの荒廃した地域の復興を支援するための活動の一環として、援助物資がガザ地区に到着し始めたと述べた。ガザ地区はパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスが支配している。

ブリンケン氏は、米国は地域の安全と安定の維持におけるヨルダンの中心的な役割と努力を高く評価していると述べた。

会談には、フセイン・ビン・アブドッラー皇太子とアイマン・サファディ外務大臣も出席した。

これに先立って、ブリンケン氏とサファディ外相は会談を行った。会談で両氏は、持続的な安定、停戦の継続、新たな対立の激化の防止を保証するために、あらゆる努力を結集する必要性を強調した。

ブリンケン氏とサファディ外相は、ガザ地区の復興と人道支援の重要性に加え、これらの活動において、パレスチナ自治政府、国連、エジプト、地域的・国際的パートナーと協力し、調整することの重要性を強調した。

サファディ外相はまた、今回の対立激化の引き金となったイスラエルのすべての違法な措置や行為を停止させ、アル・アクサモスクへの攻撃を停止させ、シェイク・ジャラー地区の住民の権利を尊重する必要性を訴えた。

（ロイター通信・AFP通信）