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サウジアラビア皇太子によるパキスタン訪問の意義

17 Feb 2019 08:02:16 GMT9

サウジアラビアとパキスタンの関係は常に極めて密接だった。では、 Mohammed bin Salman皇太子による今回のイスラマバード訪問は何が特別なのか、と尋ねる人もいるかもしれない。

深く根差した繋がりと相互の利益は別として、 皇太子とImran Khan氏との間に育まれた個人的な絆の重要性は軽視すべきではない。Imran Khan氏はパキスタン首相として最初にサウジアラビアを訪問することを請け合い、言行一致の信頼できる人物であることが明らかになった。Khan氏は当選の直前に当紙に対し、自身の指導の下でパキスタンとサウジアラビアの関係はより緊密になるだろうと語っていた。

皇太子は返礼として、経済的混乱の中パキスタンで政権を取ったKhan氏に対し、「サウジアラビア政府はこれまでも、そしてこれからもパキスタン政府に背を向けることはない」という同氏が必要としていた保証をすぐに提供した。

Mohammed bin Salman皇太子はまた、皇太子として初のアジア歴訪の最初の滞在国にパキスタンを選んだ。

サウジアラビアにとってパキスタンは、世界第2位の規模を誇るイスラム教国で貿易と軍事上の重要な同盟国であるだけでなく、多くの歴史と価値観を共有している国家でもある。

サウジアラビア政府はこれまでも、そしてこれからもパキスタン政府に背を向けることはない

サウジアラビアは約200万人のパキスタン出身の在留外国人コミュニティを抱え、毎年20万人近くのパキスタン人巡礼者を歓迎している。在留外国人のサクセスストーリーはコラム1本には収まらないほど存在するが、例えばパキスタンのShaukat Aziz元首相はサウジアラビアで大きな成功を収めた銀行家であり、 Raheel Sharif将軍は現在サウジアラビアに拠点を置く対テロイスラム軍事同盟を率いている。

そのため、今回の皇太子訪問は両国間の関係を戦略的レベルに引き上げると期待されている。それだけでなく、この関係が時と共に強化され制度的な方法で管理されることが、皇太子とKhan氏の率いる調整評議会の会議によって保証されるだろう。

CEOサミットが貿易と投資の結びつきを改善する助けとなる一方で、エネルギーや他の分野における200億ドル相当の複数の覚書が既に署名されている。

パキスタン政府は皇太子に同国最高の栄誉であるNishan-e-Pakistan勲章を贈る。しかし次に2聖モスクの守護者となる皇太子にとって、逆境にあるパキスタンの兄弟を支援し、パキスタン政府との関係をますます強固にするための仕組みを整えることこそが栄誉なのは間違いない。

皇太子は到着した当日の晩餐会でKhan氏に対し、「私のことはサウジアラビア在住のパキスタン大使と考えてほしい」と語った。

ちなみに、最近任命された本当のサウジアラビア駐在パキスタン大使であるRaja Ali Ejaz氏がこの晩餐会で私の隣に座っていた。私は彼に対し、あなたの仕事が奪われたようだと冗談を言った。

「実に光栄だ。すべてのパキスタン人もまた、サウジアラビアの大使だ」と彼は語った。

  • Faisal J. AbbasはArab Newsの編集長

ツイッター:@FaisalJAbbas

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