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憎悪の伝道師アル・カラダウィ氏の説教はエイプリルフールの冗談などではない

2014年2月2日、カイロのタハリール広場で群衆に向かって演説するシーク・ユスフ・アル・カラダウィ(AP 資料写真)
2014年2月2日、カイロのタハリール広場で群衆に向かって演説するシーク・ユスフ・アル・カラダウィ(AP 資料写真)
01 Apr 2019 08:04:15 GMT9

アラブ・ニュースでは、1週間前から世界中で人々の間に憎悪を駆り立てようとする人物を公開するキャンペーンに乗り出している。

その手始めとして、ニュージーランドで2つのモスクを襲撃し、50人もの罪のない信者を殺害したオーストラリアのテロリスト、ブレントン・タラントを取り上げることにした。私たちは、彼のプロフィールを深く掘り下げて調査した結果、 彼が極右の白人至上主義イデオロギーによってどのように急進的になったかが明らかになった。

私たちは、コーランの焼却を呼びかけ、アメリカ国内外のイスラム教徒に対する憎悪を駆り立てた米国人牧師、テリー・ジョーンズ牧師のプロフィールをすでに公開している。また私たちはこのシリーズに関し、当紙が発行されているサウジアラビアのイスラム教徒や説教師達もその対象として含み、宗教、国籍、政治的見解を除外せずに取り組むことをここに担保するものである。

アル・カラダウィ氏が、自分は過激主義に反対しているという主張についてはどうだろうか? さて、今日は4月1日かもしれないが、私たちは騙されない。

私たちは、当社に寄せられた広範囲におよぶ回答をすべて歓迎し、それらの懸案事項を真摯に受け止めている。しかしながら、その中でも最も興味深かったのは、カタール政府の支援を受けているジャーナリストとユスフ・アル・カラダウィ氏からの回答であった。カラダウィ氏は、ドーハを拠点とする説教師であり、彼の滑稽なファトワーについては私たちが公開することをお約束したところであり、彼は本日私たちがプロフィールの主題とするところの扇動家である。

私たちがこのシリーズを立ち上げてから数日後、アル・カラダウィ氏は自分を擁護する衝動に駆られたのか、3月27日に、自分は過去25年間にわたり、過激派と過激主義に立ち向かうことに専念してきている」とツイートしている。これは、ばかげているだけではなく、本日の私たちのプロフィールが示しているように、これ以上ないほどに真実からかけ離れている。 私たちは、ファトワ、テレビ出演、アルカラダウィ氏自身の言葉を文書化した。彼はその中でユダヤ人に死を求め、自爆攻撃を支持し、男性が女性に暴力を振るうことを正当化しているのである。

もう一つは、親カタール政府の作家が、アラブ諸国政府が西側の極右勢力と同盟を形成しつつあり、自国における自国民への抑圧を正当化するべくイスラム恐怖症を煽っていると、西側のメディアで示唆している。

本当だろうか? これらの「知識人」は何を言いたいのだろうか? 彼らは、イスラム教アラブ諸国の政府が、ただアラブ人でイスラム教徒であるという理由だけで、過激派に手を貸しているとでも提言しているのだろうか? それどころか、イスラム教徒は、過激派との戦いに勝つために、イスラムの名を掲げてテロを犯したすべての犯人を追跡しなければならないのである。まさに、立派なジャシンダ・アーダーンニュージランド首相が最初にブレントン・タラントはテロリストとであるとレッテルを貼ったようにである。

また一部には、アラブニュースが、アル・カラダウィ氏を標的としているのは、サウジアラビアが(アラブ首長国連邦、バーレーン、エジプトも同調)テロリストとのつながりを理由にボイコットしているカタールの王室と彼が近しいからであると言う向きもあるであろう。これはただ単に真実ではない。アル・カラダウィ氏は2017年6月にカタールへのボイコットが始まる以前からずっと現在に至るまで憎悪の伝道師であり、ボイコットが解消してもそのまま憎悪の伝道師であり続けるであろう。

アル・カラダウィ氏が、自分は過激主義に反対しているとする主張についてはどうだろうか? さて、今日は4月1日かもしれないが、私たちは騙されない。

  • ファイサル・J・アッバス - アラブニュース編集長

Twitter: @FaisalJAbbas

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