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石油・ガス業界にとっては雇用不安が新常態

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18 Jun 2020 03:06:06 GMT9
18 Jun 2020 03:06:06 GMT9

国際石油・天然ガス企業の業績が2020年第1四半期にマイナス収益に落ち込んだ。世界的な石油需要の低迷の影響をまともに受けた形となった。

痛みは今年第2四半期にさらに悪化すると予想されている。原油価格が4月に下落を続け、5月と6月も狭い範囲での動きを継続しているからだ。

新型コロナウイルスのパンデミックの影響による雇用情勢の悪化がエネルギー業界全体に広がるなか、影響は石油需要に深刻に表れた。新型コロナが上流下流の両部門でレイオフを引き起こし、現在、何十万という雇用が危険にさらされている。石油掘削リグ稼働数の大幅な減少により、オペレーターとサービスプロバイダーの両方で破産が増加している。

BPが全従業員の14%にあたる1万人の削減を計画するなか、北海だけで最大3万人の雇用が失われる可能性がある。

雇用の淘汰は北米の産業にも広がっており、ヒューストン地域だけでも30万人という石油・ガス雇用喪失に備えているところだ。

ここまでの雇用削減が実現されれば、業界では2008年金融危機関連の雇用損失がかすんで見えるほどの規模の喪失となる。

回復が加速しない限り、セクターが100万人以上の雇用喪失を見るのもそう遠くはないと考えられる。

これは業界にとって前例のない時期であり、熟練の石油・ガス専門労働者にとって深刻な不安を伴う時期でもある。業界特有の大変特殊なスキルを他の職場に移すのは容易なことではないからだ。

石油とガスの労働者は、作業の場所に応じて会社間を移動することに慣れている。だがこれもますます難しくなってきている。エネルギー状勢全体が悪影響を受け、職場における回復に予想以上の時間がかかっているからだ。

かつては給与が高いことや雇用保障が強い業界として知られていた石油・ガス業界にとっては、苦痛を伴う調整が待っている。

  • ファイサル・フェイクはエネルギーおよび石油マーケティングアドバイザーである。以前はOPECとサウジアラムコに勤めていた。Twitter:@faisalfaeq
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