2019年5月18日
ファジャイラのサウジ石油パイプラインや商業船が最近、攻撃されたことを受け、本紙は数日前、攻撃に関与したイランおよびイラン傘下の勢力に対するピンポイント攻撃を行うよう求める社説を掲載した。
偶然ではあるが、その後、サウジ主導の有志連合がイエメンで合法的な政府を再建するため、フーシ派を狙った軍事攻撃を行った。それに続いて、米国が湾岸諸国の承認を得て地域に部隊を再配備したというニュースも流れた。
ソーシャルメディアでは、私たちの立場を批判し、戦争挑発者だと決めつける意見が多かった。また、本紙編集者トップらによる統一見解は無責任だと非難された。ラマダン期間中、イスラム教徒の国に別のイスラム教徒の国を攻撃するよう呼びかけるとは言語道断であるという一方的な意見であった。
大規模な戦争の勃発に関して私たちと同様、真摯な懸念を抱いていた数人のコメンテーターを除いて、批判の多くはよく知られた親イラン、親ヒズボラの宣伝家によるものである。
イランおよびイラン傘下の勢力がサウジアラビアを攻撃した時、これらの批判家はなぜ沈黙を守ったのかと尋ねてみるとよい。サウジアラビアはイスラム教徒の国であるだけでなく、2つの聖なるモスクを管理する国である。その地に対して、仲間であるイスラム教徒の国が攻撃を加えることは厳しく非難されるべきであろう。
さらに、もし批判家たちが本当に平和を愛するなら、なぜ他国に対する干渉をやめて米国からの協議の申し出に応じることをイランに促さないのだろうか。
フーシ派のミサイルが聖なる都市メッカの近くやリヤドの市街地に落ちた時、これら全ての批判家たちはどこにいたのだろうか。
サウジアラビアは戦争を望んでいない。常に米国や他の同盟国と連携して、戦争を回避しようとしてきたし、これからもそのつもりである。しかし、サウジアラビアは、他の主権国と同様、自らを守る権利も持っている。
戦争が起こったら、イランのモハンマド・バトハイ教育大臣が、イランの1400万人の罪のない児童・生徒を「殉教者」として犠牲にしようとすることは十分考えられる。しかし、サウジアラビアでは、子供を守ることは大人の義務だと考える。子供に守ってもらうのではない。
もちろん、アラブ有志連合についても、イエメンでの攻撃で民間人の死傷者を出したことなど、失敗があったという批判もあろう。これはその通りであるが、これらの事実は常に調査され、誤りを認めて謝罪されてきた。指導部が民間人や空港を攻撃するという方針を宣言している悪意あるフーシ派の民兵については、同様のことが言えないことを強調しておかなければならない。
とは言え、サウジアラビアも決して完全ではなく、欠陥はある。しかし、実際、今日ではイランの地にアラブの民兵は存在しないが、アラブ諸国におけるイランおよびイラン傘下の勢力については同様のことが言えない。結局のところ、イラン政権は、イラクを不安定化し、レバノンに介入し、パレスチナの平和活動を妨害し、シリアのバッシャール・アサド大統領が自国民に対して神経ガスや樽爆弾を使用するのを支援するという方針を宣言している。
イランのムハンマド・ジャヴァド・ザリフ外相の最近の発言からも、自分たちの首に縄がかけられそうになっていることをイラン政権が理解していないことがわかる。
「誰もイランに立ち向かうことはできない」とザリフ外相(彼の名前はアラビア語で「かわいい」という意味である)は述べている。このような態度は、2003年の戦争前のサダム・フセイン政権下のイラクを思い起こさせる。もちろん、彼の頑固さと近視眼的思考の結果、イラクがどうなったかは周知の事実である。現在、イランに課せられている制裁、経済の崩壊、敵の優位性などを考慮すると、ロウハニ大統領に勝ち目はない。
それでも、イラン政権は、最悪でも戦争を回避、最善の場合、経済危機を回避できる絶好の機会を手にしている。
ならず者国家でないことを約束し、テロリストの支援をやめ、民兵を呼び戻し、核開発プログラムを停止すればよいだけである。これは、イラン自身のためだけでなく、地域全体ひいては世界全体のためになる。
そこで、世界中の全ての人々ため、手遅れになる前にハサン・ロウハニ大統領が電話を取り、ホワイトハウスとの電話会談に応じることを望みたい。
ツイッター: @FaisalJAbbas
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