レベッカ・アン・プロクター

リヤド：持続可能性と観光業、サウジアラビアにおける観光部門の急成長、そして世界中の異文化間の対話を促進する上での観光の重要性が、リヤドで開催された、観光の国際会議最終日の円卓会議の議題となった。

国連世界観光機関（UNWTO）のズラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長は、「世界観光デー」に合わせて開催された非公開セッションで講演した。

今年の会議には約70カ国から50人以上の閣僚が出席した。「このようなことは初めてで、とてもうれしく思います」と、ポロリカシュヴィリ氏は語った。

会議中にいくつかの取り組みが発表されたが、その大半が、世界の観光部門においてサウジアラビアが果たす役割が大きくなっていることに関連していた。

会議の議題は、観光業界の持続可能性に関する知識の普及の必要性に重点が置かれており、ポロリカシュヴィリ氏は、UNWTOの職員がこの課題に取り組むセンターをサウジに設立するために、サウジ政府と緊密に協力していることを明らかにした。

「このセンターは、すべてのプロジェクト、すべてのガイドラインが生み出される頭脳のような機能を果たすことになります。私たちは、サウジにあるこのセンターから加盟国に対し、支援を行うことができます」

「私たちはこのセンターから、持続可能性をより深く理解するための教育プログラムやプロジェクトを推進します。また、加盟国における観光業の持続可能な開発の促進方法において、各国を支援します」と、同氏は付け加えた。

中東における国連世界観光機関の公式事務所は、2021年からリヤドを拠点としている。

ポロリカシュヴィリ氏は、「私たちは持続可能な開発のために、極めて明確なプログラムを作成したいと考えています」と述べた。

同氏によると、このプロジェクトは来年9月に学士課程教育として開始される予定で、参加者はスペインの首都マドリッドとスイスの都市ルツェルンで学ぶことになる。

「このプログラムを通じて、持続可能性に関する知識を吸収した若い世代は、持続可能な開発を目指すためにはどのような段階を踏めばいいのか、明確な方法論を学ぶことになります」と付け加えた。

ポロリカシュヴィリ氏は、サウジの観光開発における進展ぶりを強調した。

同氏は会議中、次のように語った。「サウジアラビアとの交流をもっと活発にするために、私たちは協力する必要があります。インフラへの投資やルールは日々変化しています。さらに多くのイベントを誘致する機会を作ってまいります」

「数年前まで、サウジアラビアは海外旅行を全面的に禁止していました。現在は、アルゼンチン、チリ、日本を始め世界中から人々が訪れています」

「アフリカの国の閣僚が20名近く出席しています。これは初めてのことで、こんなことが起きるとは、5年前には誰ひとり想像できなかったでしょう。手筈は整いました。長期的な構想となります。ビジョン2030だけではありません。ここサウジで、さらに多くのものが生まれるでしょう」

同氏は、異文化間の対話や文化外交が観光業にとっての重要な側面であり、観光業は、世界を舞台にした各国の経済的な発展と成長の支えになると指摘した。

「観光は、人々が互いのことを知るための最高の方法です。今後五年、十年かけて、私たちは人々を結びつけ、世界を一つにする手段として観光に取り組みます」

「観光は私たち一人ひとりをつなげます。これは私たちの新たなブランド戦略のひとつで、実現性があります。観光が言葉と素敵な写真だけでできているのではありません」と、同氏は付け加えた。

同氏によると、これまでの観光業は、ホテルに行って帰ってくる以上のものはほとんど関係なかったという。「今や、もっと多くの業界や人々を結びつけ、異文化間の結びつきを促す方法となっています」

そして、こうして育まれた関係性こそ、建設的な対話を刺激したり、世界平和を前に進めたりするのに役立つと同氏は述べた。

「私たちは旅行を重ねるたびに、より多くのことを学び、初めて訪れる目的地の文化や人々について、より多くのことを知ることができます。これこそ、サウジ政府が、ここサウジアラビアで行っていることなのです」と、ポロリカシュヴィリ氏は語った。