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リヤド航空最高商務責任者、乗客体験を重視し旅の「ロマン」を取り戻すと語る

アラブニュースのインタビューに応じるリヤド航空の最高商務責任者であるピーター・ベリュー氏。
アラブニュースのインタビューに応じるリヤド航空の最高商務責任者であるピーター・ベリュー氏。
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14 Nov 2023 07:11:24 GMT9
14 Nov 2023 07:11:24 GMT9

ダラル・アウェイナット

ドバイ:サウジアラビアの新しい航空会社であるリヤド航空は、旅の「ロマン」を取り戻すことを目指していると同社の最高商務責任者が語った。

2023年のドバイ航空ショーでのアラブニュースとのインタビューで、ピーター・ベリュー氏は、乗客の顔が搭乗券として機能するといった、リヤド航空が重点を置く「デジタル・ファースト」の方針について語った。

ベリュー氏のコメントは、リヤド航空がワイドボディ機の2つ目のカラーリングをバーチャルリアリティを用いて公開し、携帯電話を使ったリヤド航空の利用の仮想体験を一般公開した直後のものである。

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は2023年3月に新たな国営航空会社となるリヤド航空の設立を発表した。リヤド航空は2025年就航の予定となっている。

最高商務責任者のベリュー氏は、就航地が確定しているのか否かにについては明言しなかったが、リヤド航空は2030年には100を超える空港へと就航する予定だと述べた。

ベリュー氏は、他の追随を許さないカスタマーエクスペリエンスの創出の重視について、航空機を利用した観光の初期には目的地となる空港への移動は旅の素晴らしい体験の一部だと看做されていたと語った。

「おそらく、旅行からはそうした素晴らしさが少し失われてしまったのだと思います」と、ベリュー氏は語り、「リヤド航空が取り組んでいることはその素晴らしさを取り戻すことなのです。そうすれば、どのようなクラスの航路であっても、実際に旅行することや空港に移動すること、当社のラウンジを訪れること、当社の航空機に搭乗することを旅客の皆さまに楽しみにしていただけるようになります。(そして、)リヤド航空は、そのようにして、旅の『ロマン』というものを少しでも蘇らせて、飛行機での移動は必ずしもただ面倒なことではなく、リヤド航空でのフライトであればむしろ休暇や大冒険の一部として本当に積極的に待ち遠しいものなのだと旅客の皆さまに考えていただけるように取り組んでいるのです」と付け加えた。

チケットレス体験を提供するというリヤド航空の目標はその重要な一部分である。ベリュー氏は、「旅客の皆さまがリヤド航空にご自分の詳細を登録すると、生体認証が実行され、物理的なチケットや搭乗券を必要とせずに、スムーズな旅行体験を確実にお楽しみいただけるようになるというわけです。お客様のお顔がチケットになるということです」と語った。

リヤド航空のワイドボディ機の新しいカラーリングは、2023年6月のパリ航空ショーで発表された藍色のものとは異なっており、白い機体が虹色に輝く特徴的なものとなっている。

リヤド航空のカラーリングで用いられている紫色は、サウジアラビアのラベンダーの花を象徴し、リヤド航空の優雅な体験を意味しているのだとベリュー氏は語った。

リヤド航空の最新のカラーリングでは、伝統的なベドウィンのテントの天蓋部分とアラビア文字のカリグラフィーの曲線から着想された藍色のテーマが継承されている。

機体のカラーリングをVRで公開するとの決定は、完全にデジタルネイティブな航空会社となるというリヤド航空の目標に沿っているのだと、ベリュー氏は述べた。

「リヤド航空で私たちが行っていることは、すべて本質的にデジタルです。機体の塗装にお金をかける代わりに行うべき明白なことは、デジタルで機体を公開することなのです。これは一般的ではないことだとは思いますが、急速に広まる可能性を秘めています」と、ベリュー氏は語り、「素晴らしい反響を得られました。これが唯一無二のアイデアであることが証明されました」と付け加えた。

サウジアラビアは「デジタル化が進んでいる」ため、このように大規模なプロジェクトを開始するのに最適な国なのだと、ベリュー氏は述べた。

ベリュー氏は、「リヤド航空は、旅客の皆さまを自宅に招いたお客様であるかのようにもてなすために全力を尽くす所存です」と語った。

ベリュー氏は、サウジビジョン2030を念頭に置いて、リヤド航空はサウジアラビアの持続可能性の目標に沿ったものであると述べた。

「リヤド航空はまったく新しく設立された航空会社です。新しい航空機を導入しているので、燃料効率が非常に優れているのです。しかし、また、この会社の運営方法やソフトウェアの実行方法、フライトの計画方法と、すべてにおいて、航空業界の他社に利益をもたらし得る多くのことを私たちのリヤド航空は発見し学んでいくことになると私は考えています」と、ベリュー氏は語った。

「リヤド航空は、ボーイング 787 型機を 72 機発注しました。2030年までにリヤド航空の保有機数は約170機にまで増える見込みです。そして、私たちは、リヤドから直行便で到達可能な範囲にある世界の主要都市すべてとリヤドを結ぶことに全力で取り組みます」と、ベリュー氏は述べた。

ベリュー氏は、リヤド航空がサウジアラビアの企業であることで利益を得られるというだけではなく、特に航空訓練インフラの確立を通してサウジアラビアもリヤド航空から利益を得ると考えていると明言した。

「サウジアラビアの教育を世界最高のものに発展させ、若い人たちに機会を提供することに貢献できるのであれば、私はとても幸せです。もし、私が15年後に旅行して、私たちがサウジアラビアで構築したインフラから学びを得て新たな航空会社を運営している若いサウジアラビア人たちに出会えたとしたら、私はとても誇らしく感じることでしょう」と、ベリュー氏は付け加えた。

ドバイ航空ショー2023は、11月13日から17日まで、アール・マクトゥーム国際空港で開催され、48カ国から1,400社が参加し、180機を超える最新鋭の商用機や民間機、軍用機が展示される。

ドバイ航空ショー2023には、リヤド航空以外に、サウディア航空やサウジ・エアロスペース社などのサウジアラビア企業も参加している。

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