• アナリストによると、フーシ派民兵組織とイランにいる後援者はイエメンに関して世界が分裂していると考えているが、実際には「サウジアラビアによるイニシアチブの支持で一致している」

ヘブシ・アルシャマリ、モハメッド・アルキナニ 

リヤド/ジッダ：イエメンのフーシ派民兵組織とイランにいる後援者はイエメンの危機を終結させるためのサウジアラビアによる和平イニシアチブを拒絶している。専門家はこれを、フーシ派とイランが国際社会はこの問題で分裂していると考えているためだと指摘している。

政治アナリストのムバラク・アル・アティ氏は、「しかし、世界はイエメンにおける平和の達成（を目指すこと）で完全に一致しており、サウジアラビアによるイニシアチブの支持で一致していることをフーシ派は理解しなければならない」と述べた。

同氏は、マーチン・グリフィス国連イエメン特使とティム・レンダーキング米国イエメン特使が、恐らくマスカットに渡航してフーシ派と会談し、「イエメン国民の苦しみを終わらせる時が来た」ことを力説し、フーシ派が和平プロセスを支持するよう説得すると示唆した。

月曜日に発表されたサウジアラビアのイニシアチブは、フーシ派にとって、イエメン国民が望む和平を実現するためのパートナーとなる機会で、国際社会により支持されているとアル・アティ氏は述べた。

その代わりに、「イランの支援を受けるフーシ派民兵組織は、イエメンを再建し、戦争で荒廃したこのアラブの国に平和と繁栄を取り戻すことを目的とするサウジアラビアのイニシアチブを受け入れたくないようだ」とアル・アティ氏は付け加えた。

フーシ派によるサウジアラビア国内の標的に対する攻撃は、ここ数週間で激化している。フーシ派による最も新しい攻撃は金曜日の朝に起きた。フーシ派が発射した弾道ミサイルがナジラン市の上空でサウジアラビアの防衛部隊によって迎撃された。その前日にはジーザーンの石油ターミナルに「飛翔体」が命中して火災が発生した。国営テレビの報道によると、木曜日の早い時間には爆発物を搭載した複数のドローンが迎撃され、破壊されたという。

こういった攻撃はサウジアラビア当局、中東地域の組織、その他の国々から非難された。サウジアラビアのエネルギー省は、こういった攻撃を「エネルギー供給の信頼性を狙った妨害行為」と非難している。政府の報道官は、これらの攻撃は世界のエネルギー供給の安定性を脅かすものだと述べている。

戦略専門家のタリク・アル・ザハラニ氏はアラブニュースの取材に対し、フーシ派は今回のサウジアラビアによる和平イニシアチブを明確に拒否していると話した。

「フーシ派はイランの指示に従っており、地域におけるイランの利益を守るために活動している。実際に、イランはサウジアラビアに対して陰謀を企てている。イランはサウジアラビアがシリアやレバノンから離れた南方での紛争で手一杯になることを望んでいる」とアル・ザハラニ氏は指摘する。

アル・ザハラニ氏は、フーシ派はイエメンにおける進展を妨げており、サウジアラビアの計画はこの状況を打開する方法を提供していると付け加えた。

アル・ザハラニ氏はまた、ジョー・バイデン米大統領がオバマ政権で副大統領を務め、2015年のイラン核合意に署名した米国関係者の一員だという事実を強調した。

「フーシ派は、民主党が共和党に圧力をかけるために使っている政治的なカードだ。民主党は、イエメンでの戦争とドナルド・トランプ前大統領の政権によるイラン核合意からの離脱決定は、いずれも共和党が犯した過ちであることを証明しようとしている」とアル・ザハラニ氏は話した。

イエメンの正統な政府で情報相・観光相を務めていたモハメド・アブデルマジド・クバティ氏は、今回のサウジアラビアによる和平案は、サウジアラビアが提案した過去の和平案の延長線上にあると述べた。

「サウジアラビアが発表した和平案をフーシ派が無責任に拒否したことは、この重要な和平案を阻止しようとするイランの嘆かわしい試みを反映している。この和平案は国家、地域、国際的な原則と基準の上に成り立つ待望の政治的解決に基づいた完全で包括的な停戦を達成することを目的としている」とクバティ氏は述べた。

さらにクバティ氏は、フーシ派とテヘランにいる支援者が、この和平の機会をつかむことがいかに重要であるかを認識することが不可欠で、和平によってイエメンは復興と発展に向けて動き始め、地域と国際的な安全・安定が改善されることになると付け加えた。