ヌール・ヌガリ、ディルイーヤ

サルマン国王が公式の起工式に出席して礎石を据え、ディルイーヤ・ゲート・プロジェクトは水曜日に正式に始動した。

640億サウジアラビア・リヤル（170億ドル）に上るこの開発事業は、王国で最も重要なプロジェクトの一つであり、1月から本格的に始動する。このプロジェクトは近代的な都市と、この地域で受け継がれてきた世界に誇る歴史、文化遺産を組み合わせた、世界的な観光地を創り出すものである。

公式な始業式は激しい雨のため一日延期されたが、雨がお祭り気分を妨げることはなかった。礎石が据えられる前には、歴史的な映像やアルダ・ダンスなどの伝統文化が展示され、多くの祝いの行事が執り行われた。

このディルイーヤの野心的な計画は、歴史的地域を復興、修復して先祖伝来の遺産を称える文化遺産プロジェクトも含まれるが、それだけではなく最新の快適環境を開発して、この地を主要な観光地に転換するプロジェクトでもある。

「ディルイーヤには8つのミュージアムが建設されます」とディルイーヤ・ゲート・プロジェクトの最高経営責任者、ジェリー・インゼリロが語る。「現在、ハニーファ小峡谷に百万本の木を植えています。また、15,000席の文化公演センターやスポーツ競技場、そして新しいスーク（市場）も建設します。それに、小峡谷を見渡せる全長3.5キロの遊歩道や数千の住宅、事務所も作ります」

インゼリロは更に、新しい建設や開発事業によって、この地域の特色や歴史的財宝が損なわれることはないと付け加えた。

「この事業は家を解体することではありません」とインゼリロが言う。「私たちは解体という言葉が好きではありません。私たちの仕事は、本物を修復することです。正統なナジュド建築の基準に従わないものは、買い上げて基準に従うものと交換します」

王国が世界の旅行者に国を開放した後、インゼリロによれば、サウジアラビアは先週55,000件の観光ビザを発行し、この数字はこれからも伸びるだろうとのことだ。

「観光客は大挙して来ます。2030年にはディルイーヤには（年間）2,700万人の観光客が来るでしょう：国外から700万人、国内から2,000万人です」と彼が付け加えた。

ディルイーヤ・ゲート・プロジェクトの元では、全体で3,100室を有する20のホテルやハニーファ小渓谷を見下ろす地に、更に300室を有するリゾート施設が建設される。更には会議場、展示施設、結婚式場なども建設予定である。

観光客を引き付けるものとしては、ディルイーヤ最大の広場となる「サルマン国王広場」、「サムハン円形劇場」、「王国英雄の記念石広場」、サルマン国王モスクへ繋がる「モスク広場」、あるいは建物、道路、門、塔などがサウジアラビアの歴史的人物に因んで命名されている村の「歴史村広場」等々がある。

またミュージアムとしては、サルマン国王の業績と王国の遺産を展示するパヴィリオンを持つ「アル・サウード家博物館」、地方の歴史とサウジアラビア国家の発展を称える「サウジアラビア王国とアラビア半島博物館」、訪問者がサウジアラビアの歴史と文化を学べる「百物語の旅博物館」、最近の研究に光を当てて、若い世代に国の歴史と遺産に積極的に関与してもらうことを目的とした教育機関である「ミスク・ヘリテージ・ミュージアム」等がある。

この他にも、モダンアートと伝統的芸術文化を通して、過去と現在を繋ぐ「ディルイーヤ芸術センター」や、ハイテクを駆使したディルイーヤの歴史探訪を通して、若い世代も王国の遺産を探究したくなるような「デジタル・アート・ミュージアム」がある。

教育もプロジェクトの重要な部分である。アート・ゾーンには、アラビア書道やイスラム美術、ナジュド建築、ナジュド料理、あるいはアラブの演劇や音楽などの地方独特の伝統技術を教える専門学校が設立される。

ディルイーヤ・ゲートには地元や世界各国の料理を堪能できる100以上のレストランや色々な買い物が出来るお店も準備される。また、レクリエーション・ゾーンには、4つのスポーツ・センターとレクリエーション・センターに加えて、国際的なスポーツ・イベントやコンサートを開催できる、娯楽、スポーツ会場や施設も設置される予定だ。