• 昨年5月には国連仲介の停戦が実現し、サヌア空港でアンマン行きの民間機が再開。フーシ派はそれと引き換えにタイズの包囲を解くように求められたが、いまだに実現していない。

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー：17日夜、275人のイエメン人巡礼者を乗せたイエメニア便が、フーシ派が支配するサヌアからサウジアラビアに向けて出発した。長期間の中断を経ての再開となった。

イエメンの国営航空会社であるイエメニアは、同便が17日夜にジェッダ空港に到着したと述べた。19日と21日にも各1便が予定されており、さらなる巡礼者をサウジへ運ぶという。

2015年3月にアラブ連合軍が軍事介入を実施した日から、サヌア空港は民間便を受け入れていなかった。フーシ派が武器を密輸し、空港を軍事基地に転用して、爆弾を登載したドローンや弾道ミサイルを保管しているとして、イエメン政府とアラブ連合軍は非難を繰り返してきた。

昨年5月には国連仲介の停戦が実現し、サヌア空港でアンマン行きの民間機が再開した。フーシ派はそれと引き換えにタイズの包囲を解くように求められたが、いまだに実現していない。

フーシ派が支配しているサヌアからサウジアラビアへの民間便が初めて実現したことで、イエメン国民の苦難軽減ならびに戦争終結に向けた土台固めのためのサウジの努力が称賛を呼んでいる。

欧州連合（EU）のイエメン派遣団は18日、サヌア・サウジアラビア間の民間便の再開を歓迎し、戦争終結につながるであろう「ジェスチャー」についてサウジを称えた。

EUの派遣団は「昨日、非常に重要なハッジ便がサヌアからサウジアラビア王国に飛んだ。長年の中断を経ての再開であり、イエメンの人々は宗教上の義務を果たすことができる。サウジアラビアのこのような行動は最も歓迎されるもので、紛争の終結に貢献する」 とツイートしている。

国連のイエメン担当特使であるハンス・グルンドベルグ氏は18日、「年に一度のハッジの季節の宗教的な空気を利用して、市民の行動再現を緩和し、包括的な和平プロセスを立ち上げるような合意に至るよう」イエメン国民に促した。そして、サヌア・サウジ便の出発を支援したサウジアラビアに謝意を表明した。

「この前向きな一歩とハッジの季節の平和の精神によって、イエメン国内を含む行動制限を緩和し、全国的な停戦を実現し、国連主導の包含的な政治対話を開始するために当事者がさらなる行動を取ることを願っている」とグルンドベルグ氏はツイートした。

米国もまた、フーシ派が支配するサヌアからの巡礼便再開への尽力や、イエメンでの和平実現のための他の方策について、サウジを称えている。

米国家安全保障会議は17日の声明の中で、「ここ数か月の停戦支援の活動について、サウジアラビアの功績を認める。その中には、イエメンの人々が宗教上の義務を果たすことを可能とする本日の歴史的なハッジ便も含まれており、さらなる便も近日中に予定されている」と述べた。

「停戦が現在もたらしている恩恵を確固たるものにするため、そして最終的にイエメン主導の政治プロセスで戦争を完全に終結させるため、米国は引き続きすべての関係者と連携している」

イエメン政府の高官も同様に、「アル・ワディアの国境検問所から入国した1万8173人を含め、1万9366人のイエメン人巡礼者がサウジに到着した」と発表した。