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高田 恵治「Harico Tiger」コンセプトアートの生みの親

高田 恵治氏は、日本と世界の文化が融合し、独自のシナジーを体現するアートを創造することを信条としている。
高田 恵治氏は、日本と世界の文化が融合し、独自のシナジーを体現するアートを創造することを信条としている。
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05 May 2024 07:05:23 GMT9
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アミン・アッバス

江戸時代(約300年前)から伝わる日本の伝統的な民芸品「張子の虎」は、時代の変化とともに失われつつある民芸品のひとつである。

張り子は、日本では平安時代(西暦710年頃)には存在していたと言われている。虎は一日に千里を歩き、必ずねぐらに帰るといわれる伝説上の生き物で、その帰還が安定していることが幸運の象徴とされている。

江戸時代(西暦1603年頃)には、男の子の初節句の贈り物に紙の虎が使われるようになった。虎のように健やかな成長と出世を願う縁起の良い郷土玩具の象徴だった。

現在でも、初節句や人生の門出を祝う健康祈願や合格祈願、交通安全、魔除けのアイテムとして広く使われている。このように人気の高い虎は、江戸時代から浮世絵や日本画によく登場する動物である。有名な葛飾北斎の後期の絵にも、生命力あふれる虎が描かれている。

アラブニュース・ジャパンの独占取材に応じた高田 恵治氏は、現代アートへのインスピレーションを語った: 「300年の歴史を持つ日本の民芸品である紙虎を未来に伝えるため、現代に生きる私は、民芸品を自分流に描くことで新たな発見を届けようと、このプロジェクトを立ち上げました」

高田 恵治氏はアメリカ西海岸発祥のローブローアートに触発され、車やバイクに特殊な筆で手描きするピンストライプの技法を習得。2000年にJETWRENCH ArtStudioを設立した。

2003年以降、アメリカ、ドイツ、スイス、イタリア、フィンランド、台湾、インドネシア、タイ、マレーシア、オーストラリアなど数々の海外活動を通してアートの可能性を追求している。

2022年、「パピエタイガー」と出会い、新たなコンセプトアート作品「Harico Tiger」を制作した。

「”Harico Tiger “は、”張り子の虎 “を愛し、その強さと美しさを新しい形で讃えるアート作品集です。カラー、ピンストライプ、ボーン、POP、レタリング、モンスターなど、それぞれの要素に個性がありながらも、”張子の虎 “本来の力強さ、魅力を次世代に伝えるという共通の目的があります」

「これまで「HARICO TIGER」展では、多くの人から新しいアートに対して反響を得ました。それは、”HARICO TIGER “が虎の強さや勇気を思い起こさせると同時に、アートの可能性の広がりを感じさせてくれるからではないでしょうか」

「”張り子の虎 “は、古来より縁起物やお守りとして重宝されてきましたが、「HARICO TIGER」はその伝統を重んじています。アートの力で新たな解釈と表現を生み出し、現代の感性と共鳴する作品です。「HARICO TIGER」は、「張り子の虎」の伝統を重んじながらも、新しい時代の象徴となることを約束します」と高田氏は語った。

2023年、福岡アジア美術館で開催された「第11回ダイナミック・コンテンポラリー・アーティスト展」で「ダイナミック・コンテンポラリー・アーティスト賞」を受賞。日本と世界の文化が融合し、独自の相乗効果を生み出すアートを信条とする。筆を使って描くこと、手描きの美しい線を描くことにこだわるのは、彼の芸術哲学の表れである。

「張り子の虎を製作する生産者の後継者は少なく、文化が失われる前に早く継承することの重要性を感じています」

また、日本の文化から最もインスピレーションを受け、日々の生活に取り入れているものについて、高田氏は「自然と共存し、古いものを受け継いでいく人々の生活そのものに刺激を受けました。その精神を日々の生活に取り入れています」

ワールド・アート・ドバイ2024に招待された日本人アーティストの一人である原愛梨氏は、「会場で親切でフレンドリーな多くの人々と出会えた」とし、「さまざまな人々が混ざり合い、新しい文化が生まれているように感じる」と語った。

近い将来のプロジェクトについて、高田氏は「今後はもっと海外で活躍し、自分のアートや考えを人々と分かち合いたい」と語った。

日本のコンテンポラリーアートを学びたい人へのおすすめについて、高田氏は「自然を感じ、自然からインスピレーションを得ること」と語った。

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