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サウジアラビア、女性の就労でリード

世界銀行の湾岸協力理事会(GCC)カントリー・ディレクターを務めるエル・コガリ氏は、サウジアラビア経済を石油から多様化させることを目的とした「ビジョン2030」構想に、この上昇に寄与した要因があると述べた。(SPA)
世界銀行の湾岸協力理事会(GCC)カントリー・ディレクターを務めるエル・コガリ氏は、サウジアラビア経済を石油から多様化させることを目的とした「ビジョン2030」構想に、この上昇に寄与した要因があると述べた。(SPA)
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27 Nov 2023 12:11:29 GMT9
27 Nov 2023 12:11:29 GMT9
  • 世界銀行幹部によると、サウジアラビアの女性労働力は現在36%で、2017年の17%強から上昇したという

ナディン・ハッサン

リヤド: サウジアラビアの女性就労率の目覚ましい躍進に追いつける国はなかった、と世界銀行幹部が述べた。

アラブニュースの取材に応じたサファー・エル・コガリ氏は、サウジアラビアの労働力に占める女性の割合は、2017年の17%強から現在は36%まで上昇したと指摘した。

世界銀行の湾岸協力理事会(GCC)カントリー・ディレクターを務めるエル・コガリ氏は、サウジアラビア経済を石油から多様化させることを目的とした「ビジョン2030」構想に、この上昇に寄与した要因があると述べた。

「これほどのペースで女性の労働力率が上昇した国はありません」とエル・コガリ氏は述べた。

「サウジアラビア王国における女性の労働市場への参加に関しては、すでに列車は駅を出発したと思います。構造的な変革が行われ、法改正であれ、政策であれ、実施された改革は実際に機能していると思います」とエル・コガリ氏は付け加えた。

エル・コガリ氏はまた、女性特有の課題を取り除く法改正があったことも強調した。

こうした法改正は、女性の労働市場への参加の意義に関する社会的認識や規範のより広範な変化に貢献した。

11月22日に発表された湾岸地域における女性の就労参加に焦点を当てた世界銀行の報告書によると、新型コロナウイルスの大流行がサウジアラビアに与えた影響が、「プラスの需要ショック」を引き起こし、働く女性の数を「加速させた」という。

「GCCとMENA(中東・北アフリカ)の他の地域では、女性の労働参加を促進する上で重要な教訓を得ることができる」と報告書は述べている。

エル・コガリ氏は、急速に発展するサウジアラビア経済において、女性が需要に応えられるようにするために教育が果たしている重要な役割を指摘した。

「列車が駅を出発したと表現しましたが、それは社会規範や認識が変化したことを意味します。私は数年前にサウジアラビアに来ましたが、今リヤドを歩くと、目に見えて変化がわかります」とエル・コガリ氏は続けた。

世界銀行の報告書によると、サウジアラビアの民間部門の労働人口は全体として着実に増加しており、2023年初頭には260万人に達したという。

この拡大は、労働参加率の増加、人口に対する雇用率の上昇、失業率の低下というより広範な傾向と一致している。

「ビジョン2030」で導入された構造改革には、女性にとっての課題を解消する政策改革、職場保護の強化、女性のキャリア支援プログラムの導入などが含まれる。

「女性が働く上での多くの障害が取り除かれました。同時に、同一賃金の権利のような新たな保護や、雇用における差別や職場でのセクハラを撲滅するための労働法改正など、女性の就業を支援するための多くの新たなプログラムが導入されました」とエル・コガリ氏はコメントした。

「政府のコミュニケーションや意識向上キャンペーンによって大いに促進された女性の就労に関する社会規範の変化とともに、こうした変化が、サウジアラビア女性の就労参加の驚異的な拡大をもたらしました」と付け加えた。

世界銀行はまた、GCCの経済成長の軌道を明らかにし、2024年には3.6%、2025年には3.7%成長すると予測している。

これは、2023年に1%の成長を遂げた後の予測で、主要産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)プラスによる相次ぐ減産と世界経済の減速を反映した石油部門の活動低下が成長率低下の主な要因となっている。

同報告書によると、サウジアラビアの国内総生産(GDP)は2023年に0.5%の縮小を示し、2024年には石油部門と非石油部門の拡大を反映して4.1%回復すると予測している。

「GCC最大の経済大国であり、世界的にも最も急成長しているサウジアラビアに牽引され、この地域の2022年の平均成長率は7%を超え、力強い結果となりました」とエル・コガリ氏は述べた。

「この成長は、炭化水素価格の上昇だけでなく、非石油部門の継続的な成長によるものであり、後者は、サウジアラビアをはじめとする複数のGCC諸国が実施した粘り強い構造改革の結果です」と続けた。

エル・コガリ氏は、近年見られた変化、特にサウジアラビアの女性の就労意欲の変化は、一時的なものではなく、永続的なものであると明言した。

「この変化はすべての年齢層で見られます。今、就労意欲が高まっているのはサウジアラビアの若い女性だけではありません。その母親世代も就労に前向きになっています」とエル・コガリ氏は述べた。

また、「他のMENA諸国にとって重要な教訓を引き出すことができます。世界銀行は、この重要な分野におけるサウジアラビアの経験を、同様の改革を実施しようとしている他の国々と共有していくつもりです」と付け加えた。

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