• UAEの中央銀行は、銀行システムの流動性を確保し、刺激策を700億米ドルに引き上げ

ドバイ：アラブ首長国連邦（UAE）の副大統領は5日、新型コロナウイルスの流行に対応して、同国は戦略物資の備蓄を強化し、今年中は居住ビザ関連の罰金を免除すると明らかにした。

閣議後のツイートで、アラブ首長国連邦の首相でありドバイの統治者でもあるシーク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム氏は、政府当局は国内の工場に対し保健分野のニーズを支援するよう指示していると述べた。同国では1,505名の感染者と10名の死者が出ている。

ドバイ政府は4日夜から2週間のロックダウンを発令し、アラブ首長国連邦全体で10日間実施されていた夜間外出禁止令を強化した。検査が強化されるに伴い、最近の日毎の新しい感染者は増加している。

また、UAE中央銀行は5日、銀行システムの流動性を確保する新しい措置を発表し、その刺激策を以前に発表された270億米ドルから合計700億米ドル（約7兆6,200億円）に引き上げた。

一方、隣接するクウェートの中央銀行（CBK）の総裁は、同国の銀行は2019年分の配当の支払いを継続することができ、2020年の配当を一時停止するよう要請するのは時期尚早だと述べた。

「為替システムは大変良い状態で、クウェート・ディナールへの不安はありません」とムハンマド・アル=ハシェル総裁は述べ、銀行の平均自己資本比率は18％を超えていると付け加えた。総裁によると、最低比率は10.5％に引き下げられた。

クウェート中央銀行は先週、新型コロナウイルスの蔓延に経済が影響される中で、重要なセクターや中小企業をサポートするための刺激策を発表した。

クウェート銀行協会の先週の発表によると、これらの措置により銀行の融資は50億ディナール（160億米ドル、約1兆7,500億円）増加する見込み。

ハシェル総裁はまた、「市場における深刻な下落を避けるため」、顧客が要求しない限り不動産や株式などの担保資産の清算を控えることに諸銀行が同意した、と述べた。

銀行は融資の見送りに関して「非常に厳格」であってはならない、と同総裁は語っている。

また、これまでに実施した金融政策措置は適切だったが、中央銀行は必要ならば再び行動する用意がある、と総裁は付け加えた。

ロイター