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ケリー氏、ゴーン事件の2番目の当事者であった彼が今や1番の矢面に

2020年2月6日に撮影した写真。金銭的不正行為で起訴されている日産元重役のグレッグ・ケリー氏が、妻のドナ氏と東京のアパートでポーズをとる。(AFP通信)
2020年2月6日に撮影した写真。金銭的不正行為で起訴されている日産元重役のグレッグ・ケリー氏が、妻のドナ氏と東京のアパートでポーズをとる。(AFP通信)
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06 Mar 2020 08:03:06 GMT9
06 Mar 2020 08:03:06 GMT9

東京:カルロス・ゴーン氏の近しい同僚であったグレッグ・ケリー氏は、日産元会長ゴーン氏の日本出国は「驚き」であったと語り、これが、自身の金銭的不正行為容疑への闘いの足かせになることを憂慮する。

ケリー氏は、穏やかな話し方をする63歳のアメリカ人だ。東京での裁判を控える身でありながらAFP通信のインタビューに応え、ゴーン氏の突然のレバノン逃亡に対する驚きや、自身が公正な審理を受けられないのではという懸念を語ってくれた。

「本当に驚きました。あんなことが起きるとは思ってもいませんでした」と彼は言った。「ショックでした」

ゴーン氏と同様、ケリー氏は、ゴーン元会長が退職後に何千万ドルもの金銭を受け取る約束について、共謀して株主に隠蔽したとして告訴されている。有罪が確定すれば10年の禁固刑だ。

「ゴーン氏はもう国内にいません。ですから、私にとって公正な裁判を受けるのは非常に困難な事態になったと思うのです」

「一番の証言者がいなくて、どうやって事件を論理的に審理できるでしょうか」

ゴーン氏の「右腕」あるいは親密な顧問という言い方をよくされるが、ふたりは個人的に親しいわけではないとケリー氏は言う。

「彼が結婚したことさえ私は知りませんでした」と、ゴーン氏が後に非難されることになった2016年のヴェルサイユ宮殿での贅沢な結婚式について触れた。

「カルロス・ゴーン氏とは月に2回会っていただけです。個人的な付き合いで会っていたわけではなく、ビジネスの会合です」とケリー氏は主張した。その控えめな話しぶりは、押しの強い元上司とはいく分対照的だ。

ケリー氏とゴーン氏はどちらも、運命を決する2018年11月の同じ日に東京に到着し、日本当局に逮捕された。ふたりは日産が自分たちを重要な役員会議があるとの名目で日本におびき寄せたのだと言っている。

ケリー氏は1カ月以上拘置所に隔離された後、クリスマスの日に保釈された。腰痛治療のために米国に帰国することになっていた彼にとって、その抑留はとりわけ応えた。

「非常に痛かったです。ものすごく痛かった」と彼は言い、命じられた通りに床に座ることは難しいと監視官に説明を試みたと付け加えた。

「私はドアを叩くとか、怒鳴るとか叫ぶとか、そんなことをするタイプではありません」

保釈後に日本で手術を受けて良くなったようではあるが、依然として足先、両腕、両脚のしびれには悩まされていると言う。

健康維持とストレス緩和のために、東京の人気ジョギングコースである皇居周辺の5キロ(3マイル)を走るようにしているという。妻のドナと住む簡素なアパートに近い場所だ。

ゴーン氏と同様、ケリー氏もなにも不正行為はしていないと強く否定する。

「私は日本でなんら刑事不正を犯していません」と訴え、より多くの罪で起訴されているゴーン氏が出国したことにより、社内解決への道が開けるかもしれないと彼は付け加えた。

「私については、日産社内で解決できることです。それが何らかの報告ミスであり、実際には合意も支払いもされなかったものなのであれば……」と彼は口ごもり、こう付け加えた。「しかし私はご存じの通り、今は体制に捉えられてしまっているので……」

裁判がいつ始まるかはまだ分からないが、金曜日にはまた次の公判前手続きがある。

計画弁護の詳細についての問題は、弁護団に任せている。1日のほとんどを彼は、日本の検察官から送られてくる山のような電子書類に目を通して過ごしている。

夫妻は米国にいる子供たちや孫たちに会いたいだけでなく、日産の友人たちにも会いたいと思っているが、訴追が進行する間は接触が禁じられている。「孤独な生活です」と彼は言う。

愛する人たちの写真が東京のアパートの壁に飾ってあるが、夫妻がそこに根をおろしているわけではない。

「ここはうちとは言えません。アパートです。『うちに帰る』という言い方をすることはありません。『アパートに帰る』と言います」とドナ・ケリー氏は言った。

彼女は、夫のいる日本への滞在を可能にする学生ビザを保持するために、日本語を学びながら日々を過ごしている。

「学校を休むことはできないし、級を取得しなければなりません」と彼女は述べた。

窮地に立たされてはいても、ケリー氏は、30年近く「週7日」勤務をしてきた会社である日産を恨みたくはないと思っている。

ゴーン事件で会社の信用が失墜し、直近では、それが同社の12月までの9カ月の純利益が87%以上落ち込むという結果に表れた。

「自分が巻き込まれた今回の件があったからといって、日産の業績が落ちて欲しいとは思いません」とケリー氏は言った。

「日産には頑張って欲しいと思っています」

AFP通信

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