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検査件数の少なさで不意を突かれ、新型コロナウイルス感染症対応に遅れる日本

東京都品川のセンターで、防護服を着た医療スタッフ(左)と患者を務める職員が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のPCR検査のデモンストレーションを行う。 (AFP)
東京都品川のセンターで、防護服を着た医療スタッフ(左)と患者を務める職員が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のPCR検査のデモンストレーションを行う。 (AFP)
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15 Jan 2021 08:01:17 GMT9
15 Jan 2021 08:01:17 GMT9

日本は、パンデミックの第3波に襲われる数か月前には、積極的にコロナウイルス検査を実施したり、病床を確保したりする努力をすべきであった。しかし、みすみすその機会を逃したため、冬が始まるとその対応の失敗の結果が如実に表れていると、保健当局関係者、医師、専門家等が述べている。

日本は、これまで世界の他の地域で実施しているような、経済を荒廃させる厳格なロックダウン(都市封鎖)を回避しながら、感染症の蔓延を食い止めることに際立った成功を収めてきた。現在までの総死亡者数4,315人は、先進国の中でも最も少なく、米国の1%程度に過ぎない。

しかし、第3波は非常に厳しいものとなっている。先週東京では1日の感染症者数が2,447人を記録し、当局が今月2回目の非常事態宣言を発出する事態に追い込まれている。

ロイターの取材に対し、多くの医師、専門家、保健当局者が政府当局はPCR検査の拡大に遅れを取っており、その結果として当局でも検査数値のリアルタイムデータが不足していると述べた。現状は、オリンピック・パラリンピックの開催まで残り数ヶ月という時期においてにおいてさえなお、日本の独自のPCR検査能力に疑問が持たれる状況を呈している。

「要は、日本政府がコロナウイルス感染の潜在的な影響を過小評価していたということです」と、感染症の専門家の岩田健太郎は述べる。

菅義偉首相の支持率は危機への対応を巡って急落し、また、世論調査ではおよそ8割の人がオリンピックは中止または延期すべきだと考えていることが分かった。

検査、検査

日本は新型コロナウイルス感染症の蔓延当初から、感染クラスターと濃厚接触者の追跡に重点を置いて、他の主要国に比べて検査実施数は圧倒的に少なかった。

公衆衛生当局者や医師は、早期発見を確実にし、拡散を食い止めるために検査を増やすよう数ヶ月間にわたって働きかけてきた。

保健所や他の機関から集められた政府のデータによると、日本は公式に毎日約55,000件のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査を実施しているが、これは実施可能件数の半分以下である。

データには昨年春からPCR検査を行っている個人クリニックは含まれていない。昭和大学病院の二木義仁氏をはじめとする専門家によると、調整されたデータが不足しているため、実際の検査範囲を把握して戦略を立てることが難しいという。

厚生労働省は、検査センターにデータの共有を要求する権限はないが、民間の結果を集計する方法を検討すると述べている。

「日本がPCR検査を増やし、症状のない人でも検査を受けられるようにしない限り、また再び同じ状況に直面することになる」 と東海大学の宮地隼人は語る。

民間の診療所で陽性となった人は、指示に従って保健所で結果を報告することになっているため、データ調整の欠如は、日本で報告されている感染症の件数に疑念を抱かせることにはならないと専門家は言う。

ウイルス対応を指導してきた押谷仁は、検査の増加は重要であるが、病院を圧倒する可能性があると述べた。

「症例の増加傾向の真っ只中にあり、検査方針を変更するのに良い時期ではないと思う」と大下は語った。

ロイター

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