東京: 国際オリンピック委員会（IOC）副会長のコーツ氏が数日前の記者会見で、緊急事態宣言が実施されていたとしても東京オリンピックは開催されるのかと日本人記者に質問され、それでもオリンピックは開催されると発言した。

コーツ氏が言うには、IOCや国内の主催関係者は日本国民に何ヶ月も次のように説得を続けてきているという。オリンピックには200もの国や地域から11,000人もの選手が参加し、既に一度延期されているが、7月23日に開催されること。そして「安心・安全」であること。

しかしコーツ氏の大胆な口調は日本に反感を巻き起こした。世論調査に参加した日本人の60〜80%が、パンデミックの中で2ヶ月後にオリンピックを開催することを望んでいない。

日本では新型コロナウイルスが原因とされる死者数は12,000名を少し超えている程度であり、アジアの中では悪い方だが、世界的な基準としては良好である。しかし東京と大阪および複数の地域で5月31日までの緊急事態宣言が出されており、しかも延長される可能性が高い。

日本人のワクチン接種率は低く、2%〜4%と推定されており、新たな変異株に対する恐怖が広がっている。

「今、国民の8割以上がオリンピックの延期か中止を希望している」と、週末に日本の大富豪実業家でありソフトバンクの最高経営責任者（CEO）である孫正義氏は語った。

「誰が何の権利で強行するのだろうか？」 孫氏はそう付け加えた。

厳密に言えば、試合は国際オリンピック委員会（IOC）の管轄となっており、IOCだけが中止の権限を持っている。当然ながら、どのような行動であれ日本の組織委員会とも交渉の必要がある。
これが実現するという兆候は見られない。

ソーシャルメディアではコーツ氏に対する批判が行われており、オリンピックをやり抜くには「犠牲」が必要だと繰り返し発言してきたIOC会長のトーマス・バッハ氏に対しても追求が行われている。なお、既に海外からのファンは禁止とされている。国内のファンの参加に関する決定があるとすれば、来月に下されることとなる。

IOCは収益の75%をテレビ放映権の販売に依存しており、日本は公式に154億ドルを試合の準備に費やしている。
政府監査は、この数値はさらに高いことを示しており、67億ドルを除いて全て公的資金である。

週刊ポスト誌の最新号によると、組織委はオリンピック期間中、少なくとも4件の東京の最高級ホテルを全室予約しているという。同誌はこの待遇をIOC関係者に「似合った貴族的特権」と称した。

東京オリンピック組織委員会の橋本聖子会長は金曜、「オリンピックファミリー、IOC、国際競技連盟（IF）関係」で約23,000人の来場者になると述べた。

同誌によると、IOCは一泊あたり最大400ドルまで宿泊費を負担するが、差額は国内の組織委が負担するという。

60団体以上もの国内のオリンピック・スポンサーの中には日本の新聞社の多くが含まれており、国内の主催関係者に30億ドル以上もの援助を行っている。そうした新聞各社は批判を控えている。

信濃毎日新聞はスポンサーにはなっておらず、日曜の社説で中止を求めた。

「不安と緊張が覆う祭典を、ことほぐ気にはなれない」信濃毎日新聞はそのように書いた。

「東京五輪・パラリンピックの両大会は中止すべきだ（中略）国民の命と暮らしを守る決断が、日本政府に求められる」主催関係者とIOCは、徹底した検査とバブル方式で選手を取り囲むので試合は安全なものになると述べている。東京湾に面した位置にある選手村滞在者のワクチン接種率は80%を超えることになると言う。

斎藤あつこ氏のコメントがソーシャルメディアの批判を代表するものとなっている。斎藤氏は助産師であり元大学教授であることを公言しており、参議院選挙に出馬し落選しているが、時期衆議院選挙に出馬する。

「バッハ会長、コーツ氏らは、アスリート・関係者・開催国民等の人命を軽視している。圧倒的多数の日本国民が反対する中『緊急事態宣言下でもやる』発言はテロ予告に匹敵」

APニュース