東京：支持率が低下する中で、岸田文雄首相は、物議を醸している旧統一教会と自民党との関係について陳謝し、そうした関係を断ち、政治活動に対する警戒を強化することで、国民の信頼を取り戻すと明言した。

与党自由民主党（自民党）の一部の議員と旧統一教会との長きにわたる関係が明らかになり、岸田首相にとっては頭の痛い問題となっている。岸田首相の人気が低迷しているだけでなく、岸田氏のかつての相談相手であり、殺害された安倍晋三元首相の国葬の計画に対する反対が広がっているのだ。

安倍氏を暗殺した容疑者は、自分の母親を破産させたとして旧統一教会、正式には世界平和統一家庭連合に対して恨みを持ち、同教会の活動に加担したとして安倍氏を非難していたことを容疑者自身のソーシャルメディアへの投稿や報道が伝えている。

岸田氏は、新型コロナウイルス感染による隔離期間が明けて初めての対面での記者会見で、政治家は「問題がある団体」との関係には注意を払う義務がある、と述べた。

岸田氏は、閣僚が旧統一教会との関係性を点検することをすでに公約していたが、水曜日、自民党はさらに踏み込んで、そうした関係を断つこと、コンプライアンス体制を構築することを「党の方針」とする、と述べた。

「この件についての多くのメディア報道のために、まだ多くの国民が当該団体との密接な結びつきを懸念し、疑念を拭えないでいる」と記者会見で述べた。

「このことに対し、自民党総裁として、率直にお詫び申し上げる」

岸田氏は8月10日に内閣改造を行い、旧統一教会と関係のある閣僚を何人か外して支持率上昇を図ったが、今のところほとんど効果はない。週末の朝日新聞の世論調査では、内閣支持率は47%で7月から10ポイント低下している。

旧統一教会は1950年代に韓国で設立され、集団結婚式で知られているが、長年にわたり献金方法について疑問視されてきた。

岸田氏はまた、税金で賄われる安倍氏国葬の計画に対して根強い反対に直面しているが、国内外での元首相の立場を考慮してこの決断を変えていない。　安倍氏は日本で最も長く在任した首相であったものの、その評価は大きく分かれている。

葬儀は9月27日に東京の日本武道館で行われ、警備や海外要人の接待の支出を除くと費用は約2億5千万円（180万ドル）になると政府は発表している。

ロイター