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イスラエルと占領地:ガザ地区の退避勧告は深刻な人道危機を引き起こす

ガザ市で2023年10月13日、イスラエル当局が出した南部への退避勧告を受けて何百人ものパレスチナ人が荷物を持って避難する中、ロバの引く車に乗っている家族。(AFP)
ガザ市で2023年10月13日、イスラエル当局が出した南部への退避勧告を受けて何百人ものパレスチナ人が荷物を持って避難する中、ロバの引く車に乗っている家族。(AFP)
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14 Oct 2023 02:10:26 GMT9
14 Oct 2023 02:10:26 GMT9

ジュネーブ:先週末にイスラエルに対し行われた恐ろしい攻撃を正当化することなど、何をもってしてもできない。家族を失くした人々や、人質として連れ去られた大切な人のことを非常に心配している人々には心からお見舞い申し上げる。あらためて言うが、私たちは人質の即時解放を求めており、いつでも人道目的での訪問を行う用意ができている。かといって、イスラエルが行った攻撃も、ガザ地区の際限のない破壊を正当化することはできない。双方とも、戦争遂行のために使う手法と手段に関する法的義務を無視してはならない。

イスラエル当局が食料や水、電力の供給を明確に否定してガザを完全包囲する一方で、ガザ市の住民に即時退避するよう指示することは、国際人道法に違反している。

軍事力をもって人々に退避を命じる場合、食料や水など基本的な生活必需品が確実に住民の手にわたるようにあらゆる可能な手を尽くさなければならない。また、家族が離散することがないようにしなければならない。

ガザは狭い閉ざされたエリアで資源にも乏しい。安全な逃げ場などどこにもなく、体の不自由な人々や高齢者、病気を抱えている人など、家を離れることのできない人もたくさんいる。国際人道法では、退避しなかった人々を含めすべての一般市民が保護の対象となっている。今のガザの住民にとっては、次に攻撃されるのがどのエリアかなど知るよしもない。

赤十字国際委員会(ICRC)は人命救助活動の規模を拡大している。だが赤十字のチームが安全かつ効率的に仕事をするためには、戦闘になれば活動を一時休止しなければならないだろう。軍による包囲が実施されれば、ICRCを含む人道支援団体の力ではガザの住民のような家を追われた大勢の人々を支えることはできないだろう。ニーズは非常に大きく、人道支援団体には救援活動の拡大が求められる。

ガザ市にあるICRCの事務所にも同じ退避勧告が届いた。他の国際団体にもだ。ガザの同僚たちとその家族のことを私たちは非常に心配している。人道的な保護と支援をガザの人々に提供するため、私たちは今もできる限りのことをしようとしている。

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