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レバノン、キリスト教徒の村は最善を望み、最悪を想定する

イスラエルとヒズボラの緊張が高まる中、レバノンのキリスト教徒の村、Rmeishで見られるRmeishの標識。2023年10月31日撮影。(ロイター通信)
イスラエルとヒズボラの緊張が高まる中、レバノンのキリスト教徒の村、Rmeishで見られるRmeishの標識。2023年10月31日撮影。(ロイター通信)
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02 Nov 2023 03:11:47 GMT9
02 Nov 2023 03:11:47 GMT9
  • Rmeich村は、イランに支援されたヒズボラとイスラエルの国境沿いでの3週間にわたる衝突の影響をすでに受けている。
  • 近くの丘に砲弾が打ち込まれるようになって以来、住民の半数は北に逃れた。

レバノン、RMEICH:レバノン側のイスラエルとの国境では、レバノンのシーア派組織ヒズボラとイスラエルとの敵対関係が悪化する可能性に備えながらも、キリスト教徒の村の住民は戦争が回避されることを願っている。

 

国境からわずか数キロメートルに位置するRmeich村は、イスラエルとレバノン南部の支配勢力であるイランに支援されたヒズボラとの国境沿いでの3週間にわたる衝突の影響をすでに受けている。

近くの丘に砲弾が打ち込まれるようになって以来、住民の半数は北に逃れた。オリーブの収穫が中断されているため、住民の生活も2006年のヒズボラとイスラエルの戦争以来、レバノン南部で最悪の暴力の影響を受けている。

この村は、レバノンの他の地域と同様、約200km離れたイスラエルと、重武装したヒズボラと同盟を結ぶパレスチナ人組織ハマスとの間で激化している紛争によって引き起こされた混乱を感じている。

Rmeich村に残る人々は、紛争をすぐそばまでもたらしたこの危機に対する政治的な議論には消極的で、18世紀築の教会で今も1日3回ミサが行われるこの村の平穏を守ろうとしている。

村の司祭であるToni Elias氏(40)は、軍用ドローンが頭上を飛び交う中、「安全だとはいえませんが、状況は安定しています」と語った。

「ドローンの音が聞こえないと、何か奇妙なことが起きているのだと考えてしまいます。私たちは毎日24時間、ドローンの音を聞いていますから」とElias氏は述べた。

Rmeichは、シーア派イスラム教徒が多数を占めるレバノン南部、イスラエルとの国境近くにある十数のキリスト教徒の村のひとつである。2006年の戦争中は、周辺の町から約25,000人がRmeichに避難した。

2006年の紛争の記憶はいまだ色濃く残っている。Rmeichの地元住民と慈善団体は、ヒズボラとイスラエルの衝突(今のところほとんど国境付近の地域にとどまっている)が悪化した場合に備えて、仮設の病院を学校に設置した。

「戦争が起きて道路が封鎖されない限り、私たちがこの病院を使うことはありません。神の意思(inshalla)はそれを望んでいないでしょう」と村の医師であるGeorges Madi氏は語った。 

戦争と平和

緊張は地域経済に重くのしかかり、4年前のレバノンの壊滅的な財政破綻の影響をいまだに受けている人々の苦難をさらに深刻にしている。

「戦争が長引けば、ここにはいられません。仕事もお金もありません」と、レバノン南部の歴史的に重要な産業であるタバコ栽培で生計を立てているCharbel Al Alam氏(58)は言う。

「2006年の戦争では、タバコの苗は畑で干からびてしまい、誰も収穫できませんでしたし、誰も補償してくれませんでした」と同氏は語った。

農民たちは、今年の収穫は終えられたものの、来年の作付けができるかどうかを心配している。Rmeichの仕事はおおむね止まっていると、地元の何人かは述べた。

周辺地域とは異なり、Rmeichには黄色と緑のヒズボラの旗は見当たらない。

RmeichのMilad Al Alam村長は、ヒズボラへの批判を避けながら、レバノンではレバノン軍が唯一の軍事力であるべきだと述べた。これは、ヒズボラの武力が国家を弱体化させていると主張するヒズボラ反対派の意見である。

「戦争と平和の決定が私たちの手に委ねられることを望んでいます。もしそうなら、状況は変わっていたでしょう」と同村長は言った。

戦争が激化した場合、この町には4500人の住民の避難所もなければ、公式の避難計画もないと同村長は付け加えた。

「2006年には、17日間も村から出られませんでした」と同村長は述べた。

Elias司祭は、Rmeichが攻撃されないことを確信していると述べた。 「私たちがここにいる限り、村に住んでいる限り大丈夫です。私たちは戦争を望んでいませんし、ここは平和な村です。ですから、他の人が村に逃げてきても、村は安全に保たれます」

ロイター

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