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イスラエル ガザ住民に南部主要都市からの退避を新たに勧告

2023年11月17日。イスラエル軍の襲撃を受けたヨルダン川西岸地区のジェニン難民キャンプで、遺体を悼むパレスチナ人。(AFP)
2023年11月17日。イスラエル軍の襲撃を受けたヨルダン川西岸地区のジェニン難民キャンプで、遺体を悼むパレスチナ人。(AFP)
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18 Nov 2023 10:11:24 GMT9
18 Nov 2023 10:11:24 GMT9
  • ガザ保健当局は17日、これまでの死者数を1万2000人以上と引き上げ、うち5000人は子どもだと発表した。

ガザ/エルサレム:イスラエルは、ガザ地区南部の都市ハーン・ユーニスのパレスチナ人に対し、交戦現場から離れ、人道援助に近づくために西に移動するよう、新たな警告を発した。これは、北部の制圧後、ガザ南部のハマス拠点を攻撃するという同国の計画を示唆している。

「我々は人々に移動を要請している。多くの人々にとって容易でないことは承知している。しかし、我々は銃撃戦に巻き込まれる市民を見たくはない」と、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の上級顧問を務めるマーク・レゲフ氏は17日、MSNBCに語った。

このような動きは、イスラエルによるガザ市への攻撃から南へ逃れた何十万人ものパレスチナ人を、ハーン・ユーニスの住民とともに再び移動させることになり、悲惨な人道危機を悪化させる可能性がある。

ハーン・ユーニスには40万人以上の住民がいる。

2023年11月16日。イスラエルと過激派組織ハマスの戦闘が続く中、ガザ地区南部のハーン・ユーニスで、イスラエルの空爆で損壊したアル・サカ・モスクのがれきの前を歩くパレスチナ人。(AFP)

イスラエルは10月7日、ガザ地区を支配する過激派組織ハマスの戦闘員がイスラエルを襲撃、1200人を殺害し、240人の人質をガザ地区に拉致した事件を受けて、ハマス壊滅を宣言した。

それ以来、イスラエルはガザ市の大部分を爆撃してがれきの山へと変え、ガザ地区の北部全体からの完全退避を勧告、これにより同地区に住む230万人のパレスチナ人のうち、約3分の2が家を失った。

退避した人々の多くは、避難生活が永続的なものになることを恐れている。

ガザ保健当局は17日、これまでの死者数を1万2000人以上と引き上げ、うち5000人は子どもだと発表した。国連は、この数字は信頼に足るものだと判断しているが、情報収集が困難なため、現在では頻繁な更新はされていない。

イスラエルは、ハーン・ユーニス東部地域に避難勧告のビラを投下し、軍事作戦が間近に迫っていることを示唆した。

レゲフ氏は、地下トンネルや地下壕からハマスの戦闘員を追い出すには、イスラエル軍が市内に進入しなければならないが、ハーン・ユーニス西側のそれほど建物がない地域にはそのような「巨大なインフラ」は存在しないと述べた。

パレスチナ人たちが西に移動すれば、「さらに移動する必要はないだろう」と彼は続けた。「できればテントや野外病院がある地域に移動してもらいたい」

西側の地域はエジプトとの国境であるラファ検問所に近いため、人道支援物資に「可能な限り早く」アクセスすることができると彼は語った。

燃料の供給

戦争は7週目に突入し、停戦もしくは少なくとも人道的一時休戦を求める国際的な声にもかかわらず、一向に収まる様子はない。

「我々は、あらゆる方向からの長期的かつ持続的な防衛に備えている。占領軍がガザにとどまればとどまるほど、彼らの継続的な損失は重くなる」と、ハマス武装部門のアブ・ウバイダ報道官はビデオ声明で述べた。

パレスチナ赤新月社が18日早朝に発表したところによると、占領下のヨルダン川西岸地区では新たな暴力が発生、中心都市ナブルスのバラタ難民キャンプにある建物をイスラエルが攻撃し、少なくとも5人のパレスチナ人が死亡、2人が負傷したという。

イスラエル軍からのコメントはすぐには得られなかった。

包囲が飢餓と病気を引き起こすという警告の中、イスラエルは17日、国際的な圧力に従う形でガザに燃料トラックを入れることに同意し、国連から要請された援助について「制限を課さない」ことを約束した。

イスラエルは、米国の要請に応じて、国連が基本的なニーズを満たすのを助けるために1日にトラック2台分の燃料を許可すると述べ、より広範囲に援助を拡大する計画について語った。

「我々はそこにニーズがある限り、人道的輸送隊やトラックのキャパシティを増やすつもりだ」と、パレスチナ人との行政問題を調整するイスラエル国防省の機関「占領地政府活動調整官組織(COGAT)」のエラッド・ゴーレン大佐はブリーフィングで語った。

イスラエルはこれまでもガザへ援助の搬入を約束していたが、今回、国連機関がガザの人道的状況が急速に悪化していると警告し、世界食糧計画(WFP)が「飢餓の直接的な可能性」について厳しい警告を発したことを受け、発言のトーンは変化しているように見える。

米国当局は、以前はX(旧ツイッター)への投稿で、イスラエルが燃料提供に同意したことを「喜んでいる」と述べ、「定期的に、より大量に続けるべきだ」と述べた。

ガザ最大の病院であるアル・シファ病院では、イスラエル軍が2日間の捜索で、大量の武器を積んだ車両と、ハマスの「トンネル・シャフト」と呼ばれる地下構造物を発見したと発表した。

この施設はイスラエルの地上攻撃における主要な標的であり、深刻化する人道危機に対する国際的な懸念の争点となっている。

軍が公開した動画には、病院の屋外エリアにあるトンネルの入り口が写っており、コンクリートや木材のがれきや砂が散乱していた。このエリアは掘削されたように見え、背景にはブルドーザーが映っていた。

イスラエルは長い間、病院の下にはハマスの司令部がある巨大な地下壕が存在していると主張してきた。しかし、病院のスタッフはこれを否定し、イスラエルがそこで見つけたものは、その主張を証明するものではないと述べている。

ハマス側は、軍事目的での病院の使用を否定している。一部の人質は医療センターで治療を受けたが、その施設内に監禁されたことはないという。

乳児と人質が死亡

アル・シファ病院のスタッフによると、17日に未熟児の赤ちゃんが病院で死亡した。これは、イスラエル軍が突入してからの2日間で、初めての赤ちゃんの死である。病院が包囲されている間の前の日々には3人の赤ちゃんが死亡していた。

ハマスもイスラエルの捕虜の死亡を発表した。85歳の男性で、空爆によるパニックで発作を引き起こし、死亡したという。

イスラエルのモディインでは16日、ガザ市のシファ病院近くで遺体が発見されたイスラエル軍の徴集兵、ノア・マルシアーノさん(19)の葬儀が家族によって執り行われた。彼女は、10月7日に起こったハマスによる襲撃の際、軍事基地から拉致されていた。

同軍は、キブツ・ベエリから拉致された5児の母、イェフディト・ワイスさん(65)の遺体も収容したと発表した。

ロシアの通信社は、ロシア非常事態省の報道を引用し、170人のロシア人が17日にガザからエジプトに移動、約200人のグループの一部として同地区と脱出したと伝えた。

ロイター

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