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少なくとも30人の未熟児がガザのアル・シファ病院から避難した

WHOは、ガザ南部のナセル病院およびヨーロッパ・ガザ病院へのさらなる避難計画を策定中だと述べた。(ファイル/ロイター)
WHOは、ガザ南部のナセル病院およびヨーロッパ・ガザ病院へのさらなる避難計画を策定中だと述べた。(ファイル/ロイター)
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20 Nov 2023 01:11:23 GMT9
20 Nov 2023 01:11:23 GMT9
  • イスラエル軍がアル・シファ病院に駐留中
  • ガザの25か所の病院は、燃料不足、損傷、その他の問題のために機能していない

ガザ地区、ハーンユーニス:ガザ保健省の発表によると、少なくとも30人の未熟児がアル・シファ病院から避難した。今後エジプトの病院に移送される。

ガザ保健省のスポークスマンであるメダハト・アッバース氏によると、未熟児たちは19日の日曜日にアル・シファ病院から避難したという。

18日にシファ病院を訪れた世界保健機関(WHO)のチームによると、イスラエル軍が先週から活動している同病院に取り残された重症患者数十人の中に、32人の赤ちゃんたちが含まれていた。

人数の相違の理由をすぐに確認することはできなかった。

19日の国連チームの発表によると、イスラエル軍が他の患者を避難させた後、ガザ最大の同病院には291人の患者が取り残されており、その中には、極めて重篤な状態の赤ちゃんが32人、外傷に重度の感染が生じている患者、脊髄損傷のために動くことができない患者などが含まれていた。

約2500人の避難民、移送患者、医療スタッフが18日の朝に同病院の広大な敷地を後にした後、同チームはアル・シファ病院を1時間見て回ることができたと、ミッションを率いたWHOは述べた。

WHOはシファを死の地帯と表現し、「患者や医療スタッフは安全および健康上の恐怖におびえており、避難させてくれと懇願した」と述べた。今後数日間にさらに多くのチームがシファに到着し、患者のガザ南部への避難を試みることになっているが、南部の病院もすでに患者であふれている。

イスラエル軍は病院に駐留し、ガザ市のシファ病院の地下にハマス司令部があると主張して捜索を続けている。ハマスと病院スタッフはこれを否定している。

18日の集団移動は自発的なものだったとイスラエル側は述べているが、同病院を去った人々の中には、強制されたという人々もいる。

マフムード・アブ・アウフ氏は、家族とともに混雑した病院を出た後、電話でAP通信の取材に応じ、「「銃を突きつけられながら病院を去りました。戦車と狙撃兵が病院内外のいたるところにいました」と述べ、イスラエル軍が3人の男性を拘束するのを見たと語った。

難民キャンプへの襲撃

ガザ北部の別の場所では、都市部のジャバリヤ難民キャンプで数十人が死亡した。目撃者の証言によると、主要戦闘地域にある、人々でごった返す国連避難所をイスラエルが空爆したという。負傷した生存者のアーメド・ラドワン氏とヤシン・シャリフ氏によれば、避難所のファクーラ学校が空爆で大規模に破壊された。

ラドワン氏は電話で、「恐ろしい光景でした。女性や子供の死体が地面に横たわり、他の人たちは助けを求めて叫んでいました」と語った。地元の病院から届いたAP通信の報道写真には、血まみれのシーツに包まれた20以上の遺体が写っていた。

イスラエル軍はソーシャルメディアにアラビア語で投稿し、ジャバリヤの住民や他の人々に立ち去るようにと警告していたが、「テロリストを攻撃する目的で」軍隊が同地域で活動しているとだけ述べていた。個々の攻撃についてコメントすることはほとんどなく、ハマスをターゲットとし、民間人への被害を最小限に抑えようとしているとだけ述べている。

国連パレスチナ難民救済機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は、「数千人が避難している別のUNRWAの学校で、数十人が殺傷された恐ろしい画像や映像を受け取っている」と、X(旧ツイッター)で述べた。

ハーンユーニスへの空爆

ガザ南部では、ハーンユーニスの町はずれの住宅ビルをイスラエル軍が空爆し、遺体を収容した病院の医師によると、少なくとも26人のパレスチナ人が死亡した。

ヨアヴ・ガラント国防相は、イスラエル軍はガザ市東部で活動を開始し、西部での任務も継続していると述べた。「日を追うごとに、ハマスのテロリストが活動できる場所は少なくなっている」と同氏は述べ、ハマスはそのことを「数日のうちに」ガザ南部で学ぶことになるだろうと付け加えた。

ガラント国防相の発言は、戦争初期にイスラエルがパレスチナ市民に避難先として示していたガザ南部への侵攻拡大計画を、これまでで最も明確に示すものだった。

避難区域はすでに避難民でごった返しており、攻撃が間近に迫ったときに彼らがどこへ行けばよいのかは示されなかった。

シファ病院からの避難に至る経緯は、すぐにははっきりしなかった。イスラエル軍によれば、病院長から避難希望者たちの援助を要請されたのであり、避難を命じたわけではないという。しかし、ハマスが支配するガザ保健省のスポークスマンであるメダハト・アッバース氏は、イスラエル軍が、施設を撤去し、1時間以内に人々を避難させるよう病院に命じたと述べた。

避難後に訪れた国連チームによると、患者とともに25人の医療スタッフが残っていた。WHOは、通行の安全が保証されている今後24時間から72時間以内に実施される、ガザ南部のナセル病院およびヨーロッパ・ガザ病院へのさらなる避難計画を策定中だと述べた。

世界保健機関(WHO)によると、ガザの25か所の病院は、燃料不足、損傷、その他の問題のために機能しておらず、他の11か所も部分的にしか機能していない。

イスラエルは、ガザ北部の病院は地上侵攻の重要な標的であり、武装勢力の司令部や武器庫として使用されていたと主張しているが、ハマスや医療スタッフはこれを否定している。

18日にガザのインターネットと電話サービスが復旧し、国連が重要な援助物資の輸送を停止せざるを得なかった通信障害が終わった。

この戦争は、ハマスが10月7日にイスラエル南部を攻撃し、民間人を中心に約1200人を殺害し、約240人を拉致したことに端を発している。イスラエル軍の兵士52人が死亡した。

パレスチナ保健当局によれば、11,500人以上のパレスチナ人が死亡し、さらに2,700人が行方不明で、瓦礫の下に埋もれているとされる。民間人と兵士は区別されていない。イスラエル側は、数千人の武装勢力を殺害したと発表している。

 ベンヤミン・ネタニヤフ首相は18日、イスラエル軍は戦争後、領土内で活動する「完全な自由」を持つと述べた。同氏のこの発言は、戦後のガザについての米国の考えと改めて対立するものだ。

ジョー・バイデン米大統領は18日にワシントン・ポスト紙に掲載された論説で、ガザとヨルダン川西岸地区は再統合され、「活性化したパレスチナ自治政府」により統治されるべきで、世界の指導者たちは2国家による平和的解決に向けて努力すべきだと述べた。ネタニヤフ首相はこれまで長年にわたり、パレスチナ国家に反対してきた。

アメリカは、ハマス根絶を目指すイスラエルに武器と情報を提供している。

高まる不満

ガザの主要発電所は戦争初期に停止し、イスラエルは電気を遮断した。そのため、ガザの230万人の人々ための浄水場、衛生施設、病院、その他の重要インフラを稼働させる電力を供給する、発電機の燃料が必要となっている。

国連パレスチナ難民救済機関(UNRWA)のジュリエット・トーマ報道官によると、イスラエルが輸送に同意した後、国連が使用する2日分の燃料に相当する、12万リットル(3万1700ガロン)の燃料が到着した。イスラエルはまた、インターネットと電話システムを稼動させるために1万リットル(2,642ガロン)の使用を許可している。通信障害により17日に中断された援助をUNRWAがいつ再開するかは、すぐには明らかにされなかった。

国連によれば、ガザはエジプトからの物資を毎日必要な食糧の10%相当しか受け取っておらず、水道システムが停止しているため、住民の大半は汚染された水を飲んでいる。国連の世界食糧計画によれば、脱水症状と栄養失調が拡大しているという。

エルサレムでは、ガザでハマスに拘束されている約240人の人質の家族や支援者を含む数千人のデモ行進者たちが、人質の帰還に向けた一層の努力を政府に促す、テルアビブからの5日間のトレッキングの最後の行程に到着した。

イスラエル軍は、ヨルダン川西岸地区のバラタ難民キャンプにある武装勢力の隠れ家を戦闘機で攻撃したと発表した。パレスチナ赤新月社によると、5人のパレスチナ人が死亡した。これにより、戦争開始以来、ヨルダン川西岸地区で殺害されたパレスチナ人の数は212人となった。

AP

WHOは、ガザ南部のナセル病院およびヨーロッパ・ガザ病院へのさらなる避難計画を策定中だと述べた。(ファイル/ロイター)

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