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米国に制裁復活求める権利なし イラン側主張

モハンマド=ジャヴァード・ザリーフ外相は、イランと主要国の間で締結された核合意から米国が脱退した2018年の時点で、米国は要求する権利を失った、としている。(資料映像/AFP)
モハンマド=ジャヴァード・ザリーフ外相は、イランと主要国の間で締結された核合意から米国が脱退した2018年の時点で、米国は要求する権利を失った、としている。(資料映像/AFP)
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21 Aug 2020 10:08:55 GMT9
21 Aug 2020 10:08:55 GMT9
  • イラン・ザリーフ外相 2018年の核合意脱退の時点で米側は要求する権利を喪失
  • 米国は合意離脱後、一方的にイランへ制裁を科し、これによりイラン経済を地に落とした

【テヘラン】イラン外相は国連安全保障理事会へ書簡を送り、米国にはイランに対する国連制裁の復活を求める権利はない、とした。イラン外務省が同省サイトで21日明らかにした。

モハンマド=ジャヴァード・ザリーフ外相は、イランと主要国の間で締結された核合意から米国が離脱した2018年の時点で、米国は要求権を喪失している、とした。同外相はまた、署名国は合意にいかなる損失も及ぼさないよう求められているにもかかわらず米国は一方的に脱退しており、国連決議違反に当たるともした。

20日には米国のマイク・ポンペオ国務長官がイランに対するあらゆる国連制裁の復活を求めるむねを正式に国連側へ伝えているが、米国の同盟国も非同盟国も米側の動きは違法であり成就する見込みはないとしている。

米国のドナルド・トランプ大統領は安保理承認のイランおよび6大国による2015年の核合意からの脱退を決めたが、ポンペオ氏は、それであっても米国には国連制裁に「スナップバック」と呼ばれる復活手続きを求める法的権利がある、としている。

同氏はまた、国連制裁により、10月18日には期限切れを迎えるイランへの武器禁輸は引き続き継続されるともした。さらには、弾道ミサイル試験や核兵器開発計画にもつながりうる核濃縮実験についても引き続き禁止されるともしている。イラン政府は核兵器開発をおこなう考えはないとしている。

米国がイランに対する国際的な制裁へのスナップバック手続きを主張したことから、議論が火を吹く流れができている。国連加盟国は米側の要求を顧慮しないこともありうる。認めてしまえば、安保理がみずから定めた法的拘束力のある決議の実行能力に疑問符が付くからだ。

ザリーフ氏は、合意には「スナップバック」なる文言は一切ないし、合意を支持した国連決議にもそんな言葉はない、としている。「スピーディーに、かつ自動的に(制裁の復活が実施されることを)念頭に置いて米側がこんな言葉を意図的に持ち出してきている」と、同外相は語っている。

トランプ政権は、核合意のもとで緩和されていた国際的な制裁をすべて改めて科したい意向だ。米国以外の国は、トランプ政権が合意から退いた以上、米国は要求できる立場にない、といった考えだ。

イラン政府は核合意を飲んだことで、核開発計画に制限を加える代わりに制裁の緩和を得ている。イラン側に合意違反があると認められた場合に備えて「スナップバック」の仕組みが設けられた。

ザリーフ氏は、安保理決議の米側による一方的な「乱用」を安保理は止めるべきだとしている。「イラン国民としては、米国がイランに対し与えている『損害』について安保理が米側へ説明責任を負わせるよう期待しているところだ」とも語る。

核合意からの離脱を受け、米国はイランへ一方的に制裁を科し、イラン経済は地に落ちることとなった。

AP

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