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ベイルートの国民的英雄となった看護師、港の爆発事故で救出した赤ちゃんと再会

8月4日のベイルート大爆発の時、セントジョージ病院大学医療センターで3人の新生児を救出して国民的英雄と称賛されたレバノン人看護師、パメラ・ゼイノウン氏が、爆発から一周年を迎えた4日水曜日に3人と再会した。(提供写真)
8月4日のベイルート大爆発の時、セントジョージ病院大学医療センターで3人の新生児を救出して国民的英雄と称賛されたレバノン人看護師、パメラ・ゼイノウン氏が、爆発から一周年を迎えた4日水曜日に3人と再会した。(提供写真)
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05 Aug 2021 07:08:32 GMT9
05 Aug 2021 07:08:32 GMT9
  • 看護師であるパメラ・ゼイノウン氏は、一年後に赤ちゃんたちを抱きしめた時、安全なところ助け出したあの時と同じ暖かさを与えられたように感じた、と語った。
  • ゼイノウン氏は、危険から逃れて健康で安全に成長している子供たちに会えて、最高の気分だと語った

バッサム・ザザア

ベイルート:1年前のベイルート港の大爆発で大破した病院から3人の未熟児を救出し、国民的英雄として称賛された看護師が、爆発から一年となった4日水曜日、その子供たちと再会した。

大爆発による壊滅的な衝撃波が町中に及んだ時、パメラ・ゼイノウン氏は、港から1キロ離れていないセントジョージ病院大学医療センターで働いていた。

彼女は何が起こったのか分からないまま動き、被災した病院の4階にある新生児集中治療室のベビーベッドから、双子の兄妹と3人目の赤ちゃんを抱き上げ、安全な場所まで運び出した。

ゼイノウン氏は、「自分の目に映っているものすら、信じられない思いでした」と、アラブニュースに語った。「1年前に救出した赤ちゃんを再び抱きした時の気持ちは、言葉では言い表せません。とても暖かく、胸がいっぱいになりました」。

双子のアリちゃんとシドラちゃん、そして3人目のノアちゃんは、爆発で被災し閉鎖せざるを得なかった病院の一部再開に合わせて、ゼイノウン氏に会うために、家族に病院まで連れてきてもらった。ノアちゃんの家族は爆発後、レバノンを出国したとのことだった。

大惨事を永く伝え続けることになった写真が報道写真家によって撮られた場所で、再会の写真も撮影された。当時のその写真には、3人の赤ちゃんをしっかりと抱いて、電話の受話器を肩に挟んでいる、粉塵をかぶったゼイノウン氏が写っていた。

ゼイノウン氏は、「特に一度に3人の赤ちゃんを運び出そうとした時、熱いものが込み上げてきて、この子たちを助けたいと思っていました」と、ここまで成長した3人が、1年前はとても小さかったことを思い出しながら語った。「3人はとても愛らしく、楽しくて、遊びが大好きでした。2020年8月4日の時と同じ暖かさを、3人に与えられたと感じました」。

彼女は、危険から逃れて健康で安全に成長している子供たちに会えて、最高の気分だと語った。

ゼイノウン氏は爆発のことを「痛ましい大惨事」だったと言い、大切な人を失ったすべての家族と犠牲者を気の毒に思うと述べた。彼女が勤める病院だけで、爆発により22人が亡くなった。

「何が起こったのか、答えを見つけようとしている犠牲者の家族を見ると、自分が彼らの娘になったように感じます…。正義が勝ち、事故の背後にいる人物が誰なのかが分かることを願っています」と、付け加えた。

彼女の説明によると、爆発後の病棟内では天井が崩壊し、部屋にはがれきや家具、倒れた医療機器が散乱していたとのこと。

混乱の中、3人の乳児を抱きかかえた彼女は、救急救命室で立ち止まり、鳴っている電話に出た。その瞬間を、レバノンの報道写真家であるビラル・ジャウィッチ氏が捉えた。彼の写真は世界中で話題になり、ニュースサイトやテレビ、SNSのプラットフォームで取り上げられた。

爆発当日に生まれた自分の赤ちゃんに会いにきた新米の父親は、保育器の上に落ちた金属の棚を持ち上げて、赤ちゃんを救い出せるようにゼイノウン氏を助けた。何もかも被害を受けて混乱し、エレベーターも壊れていたが、ゼイノウン氏は何とかして、病院の4階から赤ちゃんを安全な場所に運びだした。

その後、赤ちゃんを抱いたまま、がれきや残骸が散乱する通りを5キロ近く歩き、ようやくある車の運転手に別の病院に連れていってもらった。

レバノン市民は4日水曜日の記念日に、歴史上最大級の核爆発以外の大爆発となったこの事故で亡くなり負傷した人々を追悼した。死亡者は200人以上、負傷者6,500人以上、推定30万人が家を失った。

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