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イラン、強硬派の新大統領が宣誓 地域は緊張状態

2021年8月5日、首都テヘランのイラン議会で宣誓するイランのイブラヒム・ライシ新大統領(右)(AFP)
2021年8月5日、首都テヘランのイラン議会で宣誓するイランのイブラヒム・ライシ新大統領(右)(AFP)
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06 Aug 2021 09:08:36 GMT9
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  • 「制裁は解除されなければならない」とライシ師が、30分にわたる就任演説で述べた
  • 制裁下にあるイランは、狂乱物価、歳入縮小、計画停電などの様々な問題を抱えている

テヘラン:イラン最高指導者に守られているイブラヒム・ライシ師が5日、議会で行われた宣誓式でイランの新大統領に宣誓就任した。この就任により、イスラム共和国では政府のあらゆる部門が強硬派によって支配されることになった。

西側諸国に対する不信で知られる、この前司法府代表は緊張した時期に権力を握ることになった。米政府がイランに対する壊滅的な制裁を続行し、地域での敵愾心がくすぶる中、画期的な2015年のイラン核合意を救済するための、イランと米国の間接協議は行き詰まりを見せている。

「制裁は解除されなければならない」とライシ師が、30分にわたる就任演説で述べた。「われわれはこの目標を達成するためには、どんな外交努力でも支持する」

シーア派の伝統でイスラムの預言者ムハンマドの血筋であることを象徴する黒のターバンを着用して、ライシ師は右手をコーランの上に載せ、就任宣誓を行った。

ライシ師は演説の中で、外交を通じて米国の制裁解除や、スンニ派のライバルであるサウジアラビアにも軽く触れて、近隣諸国との関係改善を目指す考えを示した。一方で同氏は、地域の敵対国との平衡を保つために勢力の拡張を図ることも示唆した。

「それがヨーロッパの中心部であれ、米国、アフリカ、イエメン、シリア、パレスチナであれ、世界中どこでも抑圧と犯罪がある所で…われわれは人々を援助する」と、イエメンのフーシ反乱軍やレバノンのヒズボラのようなイランが支援する民兵組織に触れて、ライシ師が述べた。師の声は感情とともに高まり、聴衆から熱狂的な支持を受けた。「傲慢な勢力に対する抵抗が、選挙が伝えた国民の声だった」

選挙で圧倒的勝利をおさめたライシ師は、また歴史上最も低い投票率の選挙で選ばれた大統領でもあり、前途には問題が山積している。その問題には、5日同氏が述べた「敵対国が示す最高レベルの敵愾心、不当な経済制裁、広範囲に及ぶ心理戦、新型コロナ流行に伴う難題」などが含まれる。

制裁下にあるイランは、狂乱物価、歳入縮小、計画停電、水不足などの様々な問題を抱え、それが原因で抗議活動も起きている。海外への石油販売が禁止されているため、イランでは経済が崩壊し通貨が暴落して、一般市民が一番大きな打撃を受けている。

ライシ師は、山積する経済危機の解決、暴落している通貨の立て直し、「貧しい国民に活力を与える」ことを誓ったが、具体的な方針は示さなかった。

AFP

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