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イラン、ウラン濃縮を加速 兵器級に近い水準へ:IAEA

今年、爆発で被害を受けたイランのナタンズの核施設。(マクサー・テクノロジーズ/AFP)
今年、爆発で被害を受けたイランのナタンズの核施設。(マクサー・テクノロジーズ/AFP)
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18 Aug 2021 04:08:30 GMT9
18 Aug 2021 04:08:30 GMT9
  • イランは4月、ウランを精製する濃縮度を20%から核分裂しやすい60%に引き上げた

ウィーン:ロイター通信が確認した報告書の中で国際原子力機関(IAEA)は17日、イランはウラン濃縮を兵器級に近い水準まで加速させていると発表した。イランと西側諸国がイラン核合意再建に関する協議を再開しようとしている中、西側諸国との緊張を高める動きだ。

イランは4月、ナタンズの施設で発生した爆発と停電で、そこにある主要な濃縮プラントでの生産に影響が出たことを受け、ウランを精製する濃縮度を20%から核分裂しやすい60%に引き上げた。

イランはこの攻撃はイスラエルの責任だと非難している。兵器級のウラン濃縮度は約90%。

IAEAは5月、イランがナタンズの地上パイロット濃縮プラントで高性能遠心分離機のカスケード1基もしくは遠心分離機を連ねたカスケードを使って最大60%で濃縮していると報告した。IAEAは17日、イランは現在その目的のために第2のカスケードも使用していると加盟国に報告した。

イランがウランを精製できる濃縮度の上限を3.67%と定めた、2015年核合意によって課せられた規制をイランは何度も破ってきた。今回の動きはその中で最新のものだ。米国と欧州の同盟国は、こうした動きによって現在中断している核合意再建に関する協議が決裂する恐れがあると警告している。

ロイター通信の報道を受けてイランは、自国の核開発が平和的なものであることを繰り返し強調し、濃縮活動についてIAEAに報告したと発表した。イランの国営メディアによると、米国が2015年核合意に復帰して制裁を解除すれば、合意から遠ざかるイランの動きは転換するだろう、とイランは付け加えた。

外務省のサイード・ハティブザデ報道官は「他の当事者が核合意の下で義務を再び履行し、米国がその一方的で違法な制裁を完全かつ検証可能な形で解除すれば、イランの緩和策と対抗策はすべて元に戻せるだろう」と述べたと国営メディアは伝えた。

IAEAは16日、イランが濃縮したウラン金属の作業で進展したと発表したが、西側諸国はそうした作業が信頼できる形で民間利用されたことはないとして反対している。

ウラン金属は核兵器の中核部分の製造に使われる可能性があるが、イランは平和目的で原子炉燃料を開発しているとしている。

ロイター

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