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• スコットランド代表のメリカ・バラリ氏は、イランでの抗議活動を支援するために警察の保護を必要としている
• 「私はイランに18年間住んでいましたが、生きた心地がしませんでした。何も感じることができませんでした」

ロンドン：スコットランドを拠点とするイラン生まれのレスラーは、ヒジャブ着用に抗議したために、イラン政府から脅迫を受けたと語った。

2021年11月、母国イランを離れた22歳のメリカ・バラリ氏は、今年6月にマンチェスターで開催された英国レスリング選手権大会で、スコットランド代表として金メダルを獲得した。メダル授与式の表彰台で、「ヒジャブの着用を強制しないで。私にはレスラーになる権利がある」と書かれたプラカードを掲げた。

バラリ氏はその後、家族との連絡を絶った。

イラン政府がSNSを使って彼女を攻撃するようになり、警察に保護を求めざるを得なくなった。

「イラン政府は私がどこに住んでいて、誰と練習しているのか突き止めようとしました」と、英国放送協会（BBC）に語った.「しかし、スコットランド警察のおかげで…私は安全に暮らし、安全な場所でトレーニングをしています。すべての面で安心感があります」

「マンチェスターの大会で初めてレスリングウェアのシングレットを着てから、家族は私に話しかけなくなりました。私のことを恥ずかしく思っているようです」

「でも、私は自分がなりたいと思う人になろうと決めたので、幸せです。このような脅迫は私をより強くしてくれます。私はイラン政府から脅されても、自分の進む道が正しいのだと思うだけです。もし私が間違っているなら、なぜ、私を脅迫するのでしょうか」

イラン女性に対するヒジャブの着用義務化については、22歳のマフサ・アミニさんが適切にヒジャブを着用していなかったとして道徳警察によって逮捕され、その後殴打されて勾留中に亡くなったことで、9月、イラン全土で抗議行動が爆発的に増えて、大問題となっている。

バラリ氏は幼少期より、両親からヒジャブを着用するように強制されているそうだ。

また、プロレスは男性の家族の間では代々行われてきたスポーツであるにもかかわらず、バラリ氏はレスリングのキャリアを追求することを許されなかった、と語った。

2018年、イラン・レスリング連盟は女子チームを創設したが、髪、胴、太ももを覆うボディスーツを着用するよう、競技者に求めた。

「問題は服装規定だけではありません」と、キャリアを追求するためにイランを離れる決断をしたバラリ氏は語る。

「顔を覆うドレスや頭髪を隠すスカーフなど、衣服だけにとどまりません。問題は、心まで覆ってしまうことなのです」

「でも、ここにいてシングレットを着ると、自由を感じることができます。自由にレスリングをしたいから、服を三枚重ねで着たくないから、ではなく、自由に考え、自由に自分のために大切なものを築き上げたいから、母国を離れました」

現在エジンバラに住むバラリ氏は、脅迫を受けるのは「恐ろしい」と語る。

しかし、イランの女性たちと団結して行う抗議行動を止めることはなかった。

マンチェスターでのプラカードだけでなく、最近、グラスゴーで行った抗議デモで髪の毛を剃った。

これは、多くのイラン人女性も母国で行っている抗議行動である。

「彼女たちの強さは、次の金メダルを目指す私のエネルギーと可能性を高めてくれます」と、バラリ氏は述べた。

「金メダル獲得だけが大切なのではありません。私の発言内容が大切なのです。金メダルを獲得して、発言のための「場」を用意したいのです。その場が大きいほど、私の発言もより多くの人に届けられるでしょう。この強さの源は故郷にあります」

「私はイランに18年間住んでいましたが、生きた心地がしませんでした。何も感じることができませんでした。私はイランを離れスコットランドにやって来て、この地で考え始めました。私はこんな風に考えながら、生きています」

スコットランド警察はBBCに対し、7月にオンラインで脅迫が行われたことを認識していることを明らかにした。

「調査した上で、安全対策を実施している」と述べた。