ドバイ：イラン軍は湾岸地域で行われた同国の軍事演習への接近を試みた偵察機を警告して排除するために無人機を発射させたと、政権に近いファルス通信が土曜日（12月31日）に伝えた。

報道は偵察機の国籍を明らかにしなかったが、湾岸地域ではイラン軍と米軍の間で同様の衝突が繰り返されている。

米国からただちにコメント得ることはできなかった。

イランは金曜日（12月30日）、戦略的な要所であるホルムズ海峡の水路付近の湾岸地域で毎年恒例の海・空・陸の合同演習を開始した。

「演習中、近隣地域の軍のものでないP-8有人情報機が演習場のより詳細な情報を収集しようと高度を低下させようとしたところ、（イラン）空軍によるカラール無人機の発射を受けて同地域から排除された」とファルス通信は伝えている。

米国防総省と国務省にコメントを求めたが、すぐには応じなかった。

同時にイランでは３カ月以上前から行われている反政府デモが続いている。SNS上にアップされた動画では、テヘランのグランドバザールやクルド人居住地域を含む複数の市や町での抗議デモの様子が映し出されている。テヘランのバザールの一部は当局の取り締まりを受けた抗議デモの影響で閉鎖されている。

イラン軍は土曜日、毎年実施している訓練の一環として、オマーン湾の沿岸地域とホルムズ海峡付近で、新しい攻撃型無人機のテストを行ったと国営放送が報じた。

国営放送によると、Ababil-5攻撃用無人機が初めて軍事演習で使用され、400キロメートル（250マイル）離れた目標に弾頭を命中させることに成功したという。イランは過去10年にわたり、これ以外にもいくつもの軍事用無人機のテスト飛行を行ってきた。

軍事用無人機の使用は、イランと米国およびその同盟国との間で争点となっている。米国側は、イラン政府がロシア政府に無人機を供給しており、それらが西側の支援するウクライナでの攻撃に使用されたと主張している。

11月にイランはロシアに無人機を提供したことを認めたが、ロシア政府がウクライナ戦争を開始する前に行われたと主張している。イラン政府はウクライナでの紛争を終わらせるために尽力していると述べている。

ホルムズ海峡はアラビア湾の河口に位置している。ホルムズ海峡は世界のエネルギー供給にとって重要な役割を果たしており、海上で取引される石油の約５分1は同海峡を通過する。

「Zolfaghar-1401」と名付けられた軍事演習には、コマンド部隊や空挺歩兵に加え、戦闘機、ヘリコプター、軍用輸送機、潜水艦も参加した。イラン軍はミサイルや対空迎撃システムの試射も行っている。イランは防衛力の強化と兵器のテストを目的に定期的にこのような訓練を実施している。

９月中旬以降、イランは道徳警察によって拘束された女性の死をきっかけとして起こった一連の反政府デモに揺れている。デモは急速に過激化し、40年以上にわたる同国の聖職者による支配の終焉を求める声が上がっている。

今回の騒乱を注意深く観察してきた「ヒューマン・ライツ・アクティヴィスト・イン・イラン」によれば、これまで500人以上のデモ参加者が殺害され、1万8500人以上の人々が逮捕されている。イラン当局は、死者や逮捕者の数を発表していない。

ロイター

AP