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トルコ・シリア地震、死者数2万5千人に迫る 劇的な救出劇も

トルコ、カフラマンマラシュの大地震後の被害の様子。(ファイル/ロイター)
トルコ、カフラマンマラシュの大地震後の被害の様子。(ファイル/ロイター)
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12 Feb 2023 03:02:39 GMT9
12 Feb 2023 03:02:39 GMT9
  • 何万人もの地元や世界各国の救助隊が今も建物が倒壊した地域での捜索を続けている
  • トルコでは5日間の悲しみと苦悩が怒りへと徐々に発展している

トルコ、カフラマンマラシュ:

大地震がトルコとシリアの一部を襲ってから5日後となる11日、子どもと高齢者が救出された。およそ2万5千人の死者数が確認されている中、集団埋葬が急いで行われると同時に奇跡的な救出劇も起きている。

援助を必要としている何百万人もの人々にさらなる苦しみをもたらしている凍てつくような天候にもかかわらず、何万人もの地元や世界各国の救助隊が今も建物が倒壊した地域で捜索活動を行っている。

しかし、深刻な被害と死者数の中でも、生存者は現われ続けている。

トルコの国営放送局TRTハーバーでシェアされた動画によると、6日に起きたマグニチュード7.8の地震の震源地である南部の都市カフラマンマラシュで、瓦礫から救出されるメネクセ・タバク氏(70歳)は、拍手と神を称えながら泣き叫ぶ声に迎えられる中、「こっちがこの世なの?」と訊ねた。

南部ハタイでは、災害発生からかなりの時間が経ってから救出された多くの子どもたちと10日に発見された妊婦に続いて、地震発生から123時間後に2歳の女の子の生存者が発見されたと、電子版のヒュリエット・デイリー紙が報じた。

一方、トルコ南部では、墓地となった綿畑で、埋葬のために遺体が絶え間なく到着する中、悲しみに暮れる家族がお互いを抱き締め合っていた。

状況が悪化する中、国連はトルコとシリアで少なくとも87万人が温かい食事を緊急に必要としていると警告した。シリアだけで、最大530万人が家を失った可能性がある。

11日、トルコ災害緊急事態対策庁は、同国の組織から約3万2千人が捜索救助活動に当たっていると発表した。加えて、8294人の国際救助隊が活動している。

しかし、同じく11日、オーストリア軍の広報担当者は、AFPに対し、同国の兵士82人が「治安状況の悪化」を理由に、ハタイでの救助活動を中断したと述べた。

オーストリア軍の広報担当者は「グループ間で衝突があった」と語ったが、詳細は明らかにしなかった。

国連人権高等弁務官事務所は、10日、クルド人武装勢力とシリア反体制派が活動する被災地のすべての関係者に、人道的アクセスを許可するよう促していた。

トルコ政府と同国の欧米の同盟国からテロリスト集団とみなされている非合法組織のクルディスタン労働者党は、復旧作業を容易にするため、戦闘を一時停止すると発表した。

反政府勢力が支配するシリア北西部では、約400万人が人道支援に頼って暮らしているが、政府支配地域からの支援物資の搬入はこの3週間行われていない。

シリア政府は、政府の支配下にない被災地への人道支援物資の輸送を承認したと発表した。

政府がより大規模な地震救援活動を自国のために行っているトルコから、今週はわずか2隊の救援物資を積んだ輸送隊が国境を越えた。

10年にわたる内戦とシリア・ロシアの空爆により、すでに病院は破壊され、電気と水は不足していた。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、安保理に対し、トルコ・シリア間に国境をまたぐ人道支援地点を新たに開設することを承認するよう促した。安保理は来週早々にも、シリアについて話し合う会合を開く予定だ。

トルコは、シリアの反体制派支配地域への新しいルートを2本開設することに取り組んでいると述べた。

冬の凍てつく寒さのために、何千人もの人々が車の中で夜を過ごすか、被災地の至る所で見られるようになった間に合わせのたき火の周りで身を寄せ合っている。

5日間の悲しみと苦悩は、建物の質の低さと、ここ100年近くで最悪の災害に対するトルコ政府の対応への怒りへと徐々に発展している。

同国当局によると、今回の地震で12,141棟の建物が倒壊または深刻な被害を受けたという。

イスタンブールにあるボガジチ大学のムスタファ・エルディク教授は、「被害は予想できたが、予想されていたのは今回の地震で起きたような被害ではなかった」と説明した。

10日、警察は今回の大地震で建物が崩壊した後に、国外に脱出しようとしていた建設業者を拘束した。

トルコ国営のアナドル通信社によると、カフラマンマラシュとオスマニエの当局が、倒壊した建物の調査を開始したという。

今回の地震は、1939年のマグニチュード7.8の地震で3万3千人が死亡して以来、最も強力で致命的なものだった。

政府関係者や医療従事者によると、トルコで2万937人、シリアで3553人が死亡したという。現時点で、確認されている死者の総数は2万4490人となっている。

今回の災害と、それに伴うトルコ政府の対応への怒りは、6月の大統領選挙を数カ月後に控えた時期に発生した。

トルコのエルドアン大統領は10日、政府が「望んでいたほど早く」被災者のもとに支援を届けることができなかったことを初めて認めた。

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