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トルコ地震後、店舗や住宅の略奪が相次ぐ

トルコのハタイ県で、地震で倒壊した建物近くで続く救助活動を見守る女性。2023年2月10日(ロイター)
トルコのハタイ県で、地震で倒壊した建物近くで続く救助活動を見守る女性。2023年2月10日(ロイター)
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12 Feb 2023 03:02:27 GMT9
12 Feb 2023 03:02:27 GMT9
  • トルコでは、この悲劇を利用し、略奪者たちが建物の窓をハンマーで割り、高価な携帯電話など、手あたり次第にあるものを奪っている
  • 容疑者たちは逮捕時、現金やスマートフォン、コンピューター、銃器、宝石類、銀行のカードなどを所持していた

アンタキヤ(トルコ):大地震に見舞われたトルコの古都アンタキヤで、顔から血を流した男性が古いバザールの通りを走っている。店主が鉄棒を手に男性を追いかけ、略奪の被害にあったと主張している。

2月6日に発生したマグニチュード7.8の地震による死者は2万6,000人近くを数え、数千の家屋や店舗も破壊された。

トルコでは、この悲劇を利用した略奪が起きている。略奪者たちは建物の窓をハンマーで割り、高価な携帯電話など、手あたり次第にあるものを奪っている。

南部のハタイ県では略奪が横行し、警察はこれまでに42名を逮捕した。

容疑者たちは逮捕時、現金やスマートフォン、コンピューター、銃器、宝石類、銀行のカードなどを所持していた。

上に挙げたようなバザールの商店主たちも、治安部隊とともに警戒態勢を取り、疑わしい行動を取る者がいれば追跡して捕らえる構えだ。

古都アンタキヤは静まり返り、地震の被害を受けなかった通りには人気がない。

略奪者たちはこの不気味な静寂を利用し、手つかずの店内を荒らし回っている。

援助物資の到着が遅れていることで困窮し、スーパーに押し入って食料やベビーフードを持ち去った人々もいるが、略奪者たちの目当ては電子機器や衣料品を扱う店だ。

4台のATMが破壊され、現金が持ち去られた。

携帯電話ショップでは、メーカーの看板だけが残されている。包装のかけらを除いて、ほとんどすべてが窃盗の被害にあった。

その隣の店舗では、ショーウインドーのマネキンは衣服をはぎ取られて横倒しになり、店内の棚は空になっている。

ソーシャルメディア上には、暴行を受ける略奪者を映したとされる動画も出回っている。

ハタイ県に住むアイリン・カバサカル氏は不満を抑えきれない様子で次のように話した。

「自分で自分の家や車を守らなければなりません。私たちの家も略奪にあっています。言葉が出てきません。街は破壊され、私たちは動揺しています。まるで悪夢です」と彼女は言った。

「当局は私たちの家を守るべきです」

シリアとの国境沿いにあるハタイ県は、40万人以上のシリア難民を受け入れていることから、「外国人による」略奪が起きているという噂が野火のように広まっている。

だが家電製品を扱う店主、ニザメティン・ビルメズ氏は略奪者の中には「トルコ人もいる」と語った。

ビルメズ氏の店の掃除機は、隣の店の携帯電話に比べて、略奪者の注意を引かなかったと見える。また、上のフロアが崩壊して、店の入り口を部分的に塞いでいたことも幸いした。

ビルメズ氏は、食べ物を求めて人々がスーパーに押し入るのは理解できると話した。

「ベビーフードやおしりふき、飲み物などが必要なのは当たり前です」と氏は述べ、最初の数日間援助物資は届かなかった点を指摘した。

現在、政府は略奪を取り締まろうと動いている。

11日に出された布告で、今週発令されて3か月後まで続く非常事態宣言下では、略奪の容疑をかけられた者の拘留期間は通常の4日間から7日間に延長されるという変更が加えられた。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は11日、非常事態宣言の発令によって「略奪や誘拐に手を染める者たちは、以後当局による厳しい措置が待っていることを知るべきだ」と発言した。

一方で、バザールの商人たちなど一部の人々は自らの手で略奪者を裁いている。

AFP

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