トリポリ：新しい国連リビア特使は長く延期されてきた選挙を先導したいと望んでいたが、そのイニシアチブは、東部に拠点を置く議会からの反発と、トリポリの対立派閥からの乗り気でない対応に直面している。

セネガルの外交官アブドゥライ・バティリー氏は先月、国連安全保障理事会に、今年後半に紛争で荒れ果てたリビアで大統領選挙および議会選挙を実施する任務を負う委員会を設立する計画だと語った。

しかし、同国の2つの議会が選挙の法的根拠について合意できなかったことに対するバティリー氏の率直な批判が反発を引き起こし、その計画が頓挫する恐れがある。

トリポリ大学で国際関係学を教えるハレド・アル・モンタッサー教授は、選挙で両議会のメンバーが議席と特権を失う可能性があるため、今回の反発は「予測通り」であると述べた。

モンタッサー氏がAFP通信に語ったところによると、互いに対立しているとはいえ両者とも、国連のイニシアチブは「主権的な意思決定権への干渉であり、リビア人に国際的な意思を押し付けようとする試みである」と見ている。

リビアでは、独裁者ムアンマル・カダフィ氏を倒した2011年の反乱以来、無数の対立する民兵、外国勢力、複数の政権が影響力を競っており、10年以上にわたり繰り返し紛争を経験している。

この国は、西部の首都トリポリの暫定政府と、軍閥有力者ハリファ・ハフタル氏が名目上支持する東部の政府との間で分裂したままだ。

ほとんどのオブザーバーは、リビア人の圧倒的多数が選挙を支持していると考えているが、2020年のハフタル氏とリビア西部軍の間の最後の大きな戦い以来、選挙実施の法的根拠についての激しい論争が重要な争点となっている。

先月、東部に拠点を置く代表議会は、選挙の法的根拠を提供すると述べた、暫定憲法に相当する国の憲法宣言の修正を可決した。

10月に国連リビア支援ミッション（UNSMIL）の代表に任命されたバティリー氏は、修正案はリビア人の間で「論争の的」であり、大統領選挙に誰が立候補できるかなどの重要な問題が明確になっていないと述べた。

また、トリポリを拠点とする議会の上院、高等国家評議会によって承認されていないと指摘した。

代表議会は、バティリー氏が「ダブル・スタンダード」で「公平性に欠けている」と非難した。

リビアのアナリストであるアブドラ・アル・レイエス氏によると、国連特使のイニシアチブは、対立するリビアの派閥に対し、「彼らなしで投票が行われる」前に「最後のチャンス」を与えることで圧力をかけることを目的としている。

「国際社会は、時間の浪費と政治的駆け引きの達人である両議会を困惑させたいと考えている」と同氏は語った。

トリポリを拠点とするカダフィ時代の大物アブドル・ハミド・ドベイバ氏の暫定政府は、バティリー氏の計画に協力する意思を示し、そのための後方支援を提供するよう国連に要請した。

米国大使館は先週、「主要なリビアの指導者に建設的な精神で計画にアプローチするよう」呼びかけ、国連の提案は「選挙の法的根拠に基づき」、両議会の「間で行われた進展に基づいて構築される」とオンライン投稿で述べた。

英国もこの計画への支持を表明した。

バティリー氏が安全保障理事会で講演した直後に、国連本部の英国代表部は「リビア人は、自国の機関における確実性と信用を享受するに値する」とツイートした。

「選挙の条件はすべての人が合意しなければならず、結果は尊重されなければならない」

しかし、モンタッサー氏は、米国と英国の支援は「十分ではない」と述べ、ロシア政府と結びついた準軍事組織ワグネル・グループを介してリビア南部に存在する、英米の主要なライバルであるロシアからの支持の重要性を強調した。

「ロシア政府はリビアで強力なアクターであり、ハフタル氏に影響を与えている」と同氏は述べた。

米国市民であるハフタル氏が大統領選挙に立候補するのを防ぐための西リビアの取り組みは、選挙の法的根拠における行き詰まりの重要な要因となっている。

ハフタル氏の反対派は、二重国籍者と軍人の立候補を禁止する規則を求めている。

ドベイバ氏は最近の演説で、リビア西部の多くの人々の恐怖を要約した。

「軍事政権への復帰は受け入れられない」と同氏は語った。

AFP