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スーダンで戦闘が続く中、人道的危機がますます深刻に:国連高官

4月15日に戦闘が始まって以来、少なくとも512人が死亡、4200人が負傷した。(AFP)
4月15日に戦闘が始まって以来、少なくとも512人が死亡、4200人が負傷した。(AFP)
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28 Apr 2023 10:04:01 GMT9
28 Apr 2023 10:04:01 GMT9
  • 数百万人の民間人が「極めて脆弱な状態」にあり、食料、避難所、清潔な水、医療援助を緊急に必要としている:国連のアブドゥ・ディエン調整官代行
  • 国連は寄付者に対し、援助を必要としている人々のために17億ドルを拠出するよう訴えているが、必要な総額の12%以下の2億ドルしか受け取っていない

アリ・ユネス

ニューヨーク:スーダンの国軍と即応支援部隊(RSF)の間の戦闘は、深刻の度を増す同国の人道的状況を緩和するために停戦に従うことで双方が合意したにもかかわらず続いている。国連高官が27日に警鐘を鳴らした。

アブドゥ・ディエン国連スーダン駐在人道調整官代行は紅海に面した都市ポートスーダンで、紛争当事者は停戦合意に向けた数回の試みを尊重しなかったと述べた。

また、その結果として同国の人道的状況は「極めて困難な」ものとなっており、人々は「極めて脆弱な状態」にあると続けた。

さらに、数百万人のスーダン国民が食料、避難所、清潔な水、医療援助を緊急に必要としているとしたうえで、戦闘により人道支援従事者を含む数百人が死亡し数千人が負傷したと述べた。そのうえ全土で略奪が横行しており、人道援助物資や食料が保管されている倉庫も被害に遭ったという。

「家、事務所、車、倉庫、そして人道支援で使用している倉庫にあった僅かな食料が略奪された。非常に厄介な状況だ」と同調整官代行は述べた。

スーダン保健省によると、4月15日に戦闘が始まって以来、少なくとも512人が死亡、4200人が負傷した。民間人の死傷者を記録している同国の医師会は、民間人の死者は少なくとも295人、負傷者は1790人としている。

ディエン調整官代行によると、スーダンの医療施設の約60%が閉鎖しているか破壊されている。国連児童基金(ユニセフ)は、戦闘による子供の死者は9人、負傷者は50人としている。

今回の戦闘は、ただでさえ困難なスーダンの人道的状況に追い打ちをかけている。同調整官代行の説明によると、国連は同国で戦闘開始以前から国内避難民や難民を含む約1500万人に支援を提供していた。

「食料、清潔な水、医療、民間人の保護など、ニーズはいたるところにある」と同調整官代行は述べた。

国連は寄付者に対し、スーダンの数百万人の人々を支援するために17億ドルの資金を拠出するよう訴えているが、拠出誓約は今のところ必要な総額の12%以下の約2億ドル分しか受け取っていない。

一方、数千人のスーダン国民が戦闘から逃れて隣国のエジプト、チャド、エチオピア、南スーダンに避難しており、世界各国は自国民の安全を確保するために緊急退避作戦を開始している。

ディエン調整官代行によると、スーダンに残っていた国連職員は、戦闘が最も激しいうえ治安状況が特に危険で予測不可能な首都ハルツームからポートスーダンに移送された。

スーダンの空港は稼働していないため、外国人の多くはポートスーダンに移送され、そこから船で紅海を渡ってサウジアラビアのジェッダに行き、さらにそこから自国やその他の場所に移動している。

ディエン調整官代行は、人道支援を必要とする人々に届けられるようにするために「戦闘を止めなければならない」としたうえで、それまでに援助を届けるための安全地帯として「人道回廊」を設置するよう呼びかけた。

さらに、今も続く戦闘や各地の危険な状況のせいで、人道的危機の全体的な規模を正確に把握することが非常に困難になっていると指摘した。

スーダン国軍とRSFは以前、27日深夜までの3日間の停戦に合意していたが、上述のように完全には守られていない。国軍は、東アフリカ8ヶ国で構成される貿易ブロック「政府間開発機構」の仲介による、停戦をさらに3日間延長するという外交イニシアティブを「ひとまず承認した」と述べた。

米国が4月24日に仲介した72時間の停戦は27日になっても一部の場所では守られていた。しかし、双方の紛争当事者は合意に違反したとして互いを非難している。

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