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戦闘激化中のスーダンで通信が断絶し、病気が流行

4月15日から、アブドゥルファッターフ・アル・ブルハン軍司令官が率いる軍が、ブルハン氏の元副官のモハメド・ハムダン・ダガロ氏が指揮する準軍事組織「即応支援部隊(RAF)」と戦っている。(AFP/資料写真)
4月15日から、アブドゥルファッターフ・アル・ブルハン軍司令官が率いる軍が、ブルハン氏の元副官のモハメド・ハムダン・ダガロ氏が指揮する準軍事組織「即応支援部隊(RAF)」と戦っている。(AFP/資料写真)
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15 Jul 2023 06:07:09 GMT9
15 Jul 2023 06:07:09 GMT9
  • 「激しい戦闘」が首都を揺るがしたと、目撃者は語った
  • 240万人以上が国内避難民となっている

ハルツーム:スーダン軍と準軍事組織がハルツーム全域で激しい戦闘を繰り広げ、各人道団体が危機の悪化に警鐘を鳴らす中、紛争で荒廃するスーダンの首都で、14日に数時間の通信断絶が発生したと、住民らが語った。

目覚めた住民らが重要なインターネットと携帯電話の通信が断絶していると知った後、「激しい戦闘」が首都を揺るがしたと、目撃者はAFPに電話で語った。

不具合の原因は不明だったが、携帯電話とインターネットの通信は午後までに復旧した。

ハルツーム中心部にある軍の本部付近と街の南から、1日中黒煙が立ち上る様子が見られた。

北ハルツームの目撃者らは、「あらゆる兵器を使っての戦闘」があったと述べた。ナイル川の対岸に位置するオムドゥルマンでは、戦闘機やドローンが上空を飛んでいたと、目撃者らが報告した。

4月15日から、アブドゥルファッターフ・アル・ブルハン軍司令官が率いる軍が、ブルハン氏の元副官のモハメド・ハムダン・ダガロ氏が指揮する準軍事組織「即応支援部隊(RAF)」と戦っている。

武力紛争発生地・事件データプロジェクト(ACLED)によると、この戦闘によりスーダン全土で少なくとも3,000人が死亡しており、ハルツームと西部のダルフール地域で最も激しい戦闘が行われている。

国連によると、170万人以上のハルツーム住民が継続的な空爆、路上の戦車や戦闘員、略奪の横行からの避難を強いられた。

避難した人々や留まっている数百万人は、基本的ニーズを満たすのにインターネットを頼っており、避難ルート、食料、医薬品のためのクラウドソーシング・イニシアティブを立ち上げている。

240万人以上が国内避難民となっていて、国内では安全な地域でも物資が不足しており、「3分の2から80%の病院が機能していない」と、世界保健機関(WHO)のリック・ブレナン氏が14日に述べた。

WHO東地中海地域事務所の地域緊急事態担当責任者であるブレナン氏は、スーダンの「既に疲弊した医療体制」が現在の危機の中で「大きな困難」に直面しており、「スーダンの人々は生きるか死ぬかの状況に陥っている」と語った。

ハルツームから南スーダンへの道中で最後の主要都市である南部の都市コスティでは、大雨による洪水が発生し、「ハルツームから避難してきた26万人を含む人々が援助を必要としている」と、ノルウェー難民委員会(NRC)が14日に警鐘を鳴らした。

各援助団体は、6月に始まる雨季の影響で、いくつかの辺境地域で水を媒介とする病気が流行する可能性があると警告し、援助物資と人員が通るための人道回廊の設置を繰り返し求めている。

援助団体「Islamic Relief」の14日の声明によると、13日に行われた医療従事者と援助団体の会合で、スーダンの18州のうち11州での麻疹の流行と、「コレラ/急性の水様性下痢の発症300件と死者7名」が報告された。

毎年洪水が発生するスーダンでは、常に水を媒介とする病気のリスクがあるが、WHOは14日に、「機能している公衆衛生研究所がない中で、コレラの流行らしき報告について確認するのは困難だ」と述べた。

国連によると74万人の避難先となっているスーダンの周辺諸国は、この紛争による地域への影響の拡大について懸念している。

貧困にあえぐ南スーダンでは、「北部国境の封鎖により、多くの市場が空っぽになって」いて、既に不安定だった人道的状況がさらに脅かされていると、赤十字国際委員会(ICRC)のピエール・ドルブ氏が14日に述べた。

紛争開始以来、「16万人以上のスーダンからの帰国者と避難民が、南スーダンに流れ込んだ」と、同氏は述べている。

13日にカイロで、スーダンの周辺諸国の首脳会議が開かれ、この紛争について話し合いが行われた。

エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は、スーダンと影響を受ける周辺諸国に必要な推定総額の半分以下となった、6月のジュネーブ会議で約束された15億ドルの援助に言及し、「約束を守る」ように世界の寄付国に要請した。

米国とサウジアラビアの仲介による何度かの停戦が全て破られた後、この首脳会議に先立って、戦闘終結に向けた仲裁のための複数の外交努力が行われた。

スーダン軍がボイコットした、東アフリカ地域の政府間開発機構(IGAD)による今週の会合においても、停戦の呼びかけがなされた。

性的暴行や、民族を理由に市民を標的とするといった残虐行為の報告が、特にダルフールで増加していることをうけて、国際刑事裁判所は13日に、戦争犯罪と疑われる事案について調査を開始したと発表した。

AFP

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