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米国、イランから船舶を保護するため、F-16ジェット戦闘機を湾岸地域へ

米国空軍のF-16ジェット戦闘機は戦略上重要なホルムズ海峡周辺に配備され、イランの包囲から船舶を守ると、国防省高官は発言した。(AP資料写真)
米国空軍のF-16ジェット戦闘機は戦略上重要なホルムズ海峡周辺に配備され、イランの包囲から船舶を守ると、国防省高官は発言した。(AP資料写真)
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15 Jul 2023 07:07:08 GMT9
15 Jul 2023 07:07:08 GMT9
  • この動きは、イランが2隻の石油タンカーをホルムズ海峡周辺で包囲しようとして、お互いに攻撃を始めたことを受けてのものだった
  • また、米国はシリア領空におけるロシアの攻撃的行動増加に対処するため、いくつかの軍事的選択を考慮しているという

ワシントン:米国は戦略上重要なホルムズ海峡周辺での戦闘機使用を増加させ、イランの包囲から船舶を守ると、国防省高官は14日に発言した。また、米国は中東におけるイラン、ロシア、シリアの関係強化について、ますます懸念を深めているという。

国防省関係者が国防総省記者団に語ったところでは、米国は今週F-16ジェット戦闘機を湾岸地域へ送り、1週間以上にわたって巡回している航空機へのA-10による攻撃を補強するという。この動きは、イランが2隻の石油タンカーをホルムズ海峡周辺で包囲しようとして、互いに攻撃を始めたことを受けてのものだった。

国防省関係者は匿名を条件に湾岸地域での軍事作戦の詳細を提供した。イランへの抑止力として、F-16は海路を進む船舶の上空援護をして地域内での軍の視界を改善するのだという。

米海軍によると、米国船マクファールミサイル駆逐艦が現場に到着すると、イラン海軍船舶は後退したという。

さらに国防省関係者によると、先週のダーイシュグループ指導者への攻撃の企てを阻止した、シリア領空におけるロシアの攻撃的行動増加に対処するため、米国はいくつかの軍事的選択を考慮していると記者に語った。国防省関係者は軍事的選択について詳細を述べることを固辞したが、米国はいかなる領土も譲渡せず、シリア西方への飛行を続けて反ダーイシュ作戦を進めると述べた。

3月以来頻度と攻撃性を増しているロシア軍の活動は、ロシア、イラン、シリア各政府間において、米国をシリアから強制的に立ち去らせようという試みのもと協力と協調が増加している、と国防省関係者は言う。

また、ロシアはウクライナでの戦争においてイランに恩義を受けており、イラン政府は米国をシリアから追い出したいと考えているため、さらにレバノンのヒズボラへ殺傷力を伴う軍事支援を行い、イスラエルを脅すという。さらに、中位のロシア人とイランコッズ部隊指導者との間で、さらなる協力、協調、計画、インテリジェンスの共有がなされていることを米国は確認しているという。

シリアには約900の米軍部隊があり、ダーイシュの武装勢力を目標とした任務実行のため、他の部隊も出入りしている。

米国は、ロシア航空機による米軍部隊への爆撃計画や有人航空機撃墜計画を信じてはいない。しかし、ロシア人パイロットにより無人機リーパーが撃ち落とされるのではないかという懸念があり、ロシア政府は、この種の行動は米国による厳しい軍事対応には繋がらないだろうと考えている。

例えば、ロシアの軍用飛行機は3月、米国の無人偵察機にジェット燃料をかけてからプロペラをぶつけることで、米軍はMQ-9リーパーを黒海へ不時着させた。この事件は2国間の緊張感を跳ね上げ、防衛省長官同士の通話のきっかけとなったが、直接的な軍事的反応には繋がらなかった。

先週、シリアのためのロシア和解調整センター(Russian Reconciliation Center for Syria)長オレグ・グリノフ海軍少将は、ロシア軍とシリア軍は共同訓練を行なっていると述べた。シリア国営メディアが伝えたコメントによると、ロシア政府は米国主導の連合軍によるシリア北部での無人機飛行に懸念を示しているとグリノフ氏は述べ、両軍同士の衝突を避けるよう企てられた「外交儀礼の組織的違反」と呼んでいる。

米軍とロシア軍の司令官は、両軍ともに陸空軍を配備しているシリアでの予期せぬ衝突を避けるため、数年にわたって設置している衝突回避用ホットラインを通じて、日常的に連絡を取っている。

1日にしばしば多くの通話をしているが、司令官らが実行中の軍事作戦について言い争っていると、時には怒気を帯びた脅迫という結果に終わることもあると米国防省関係者は言う。米国防省関係者は会話内容を説明しながら、ロシアはたびたびエリアを作戦制限区域であると宣言し、そこで軍事演習を行う可能性を示唆するという。

米国はいかなる軍事演習も予定しておらず、米軍はダーイシュグループへの対テロ作戦中であり、同区域を飛行予定であるとロシアに伝えている。するとロシアは、同区域へ向かった米航空機の安全は保証できないと言う。

そして任務が始まって航空機が同区域へ移動すると「とてもヒートアップする場合があります」と米国防省関係者は言う。両者ともに相手の主張に強い抗議を示して拒否するのである。

直近のインシデントが起こったのは14日朝、東シリアのタンフ駐屯地上空をロシア航空機が繰り返し飛行した時のことで、米軍はシリアの同盟国を訓練してダーイシュ武装勢力の活動を監視していた。米国防省関係者によると、ロシアのAn-30航空機は同基地でインテリジェンスを収集していた。

米国は同地区に戦闘機を配備しておらず、ロシアの飛行に対して一切直接的行動を取らなかった。

AP

 

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