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GCC諸国がサウジでの首脳会議で中央アジアC5ブロックとの関係を強化 

ジェッダで開催されたGCC・中央アジアサミットで撮影された集合写真。(左から)ジャーセム・アル・ブダイウィGCC事務総長、オマーン副首相アサード・ビン・アル・サイード・ターリク殿下(スルターン国王代理)、キルギスのサディル・ジャパロフ大統領、カザフスタンのカシム・ジョマルト・トカエフ大統領、クウェートのシェイク・ミシャール・アル・アフマド・アル・ジャベール・アル・サバーハ皇太子、タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、カタールのシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領、UAEのシェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム副大統領兼首相兼ドバイ首長、トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領、バーレーンのシェイク・ナーセル・ビン・ハマド・アル・ハリファ首長(バーレーン国王代理)。(SPA)
ジェッダで開催されたGCC・中央アジアサミットで撮影された集合写真。(左から)ジャーセム・アル・ブダイウィGCC事務総長、オマーン副首相アサード・ビン・アル・サイード・ターリク殿下(スルターン国王代理)、キルギスのサディル・ジャパロフ大統領、カザフスタンのカシム・ジョマルト・トカエフ大統領、クウェートのシェイク・ミシャール・アル・アフマド・アル・ジャベール・アル・サバーハ皇太子、タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、カタールのシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領、UAEのシェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム副大統領兼首相兼ドバイ首長、トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領、バーレーンのシェイク・ナーセル・ビン・ハマド・アル・ハリファ首長(バーレーン国王代理)。(SPA)
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20 Jul 2023 10:07:13 GMT9
20 Jul 2023 10:07:13 GMT9
  • ウズベキスタン、トルクメニスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギスの首脳がGCC・C5サミットのためにジェッダを訪れた
  • ムハンマド・ビン・サルマン皇太子主催の首脳会議で、戦略的対話と協力に向けた共同行動計画が承認された

アラブニュース

ジェッダ:アラブ湾岸諸国と中央アジア諸国は水曜日、GCC・C5サミットにおいて、政治、安全保障、経済面での結びつきを強化した。このサミットには、湾岸協力理事会(GCC)加盟国の首脳とウズベキスタン、トルクメニスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギスタンの大統領が参加した。

サウジアラビアの都市ジェッダで開催されたこのイベントでは、GCC加盟国と中央アジア諸国間での戦略的対話と協力に向けた共同行動計画が承認された。その対象となる期間は2023年から2027年までとされている。

サミット終了時に発表された共同声明の中で両ブロックの首脳は、サプライチェーンから食料安全保障に至る幅広い分野において、「地域的・国際的な安全保障と安定を達成し、課題に立ち向かい、柔軟性を確保するために、集団レベル、および二国間レベルで政治的・戦略的関係を強化し、協調を継続することの重要性」を強調した。

ウズベキスタン、トルクメニスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギスの首脳は、第18回GCC首脳会議の議長でもあるムハンマド・ビン・サルマン皇太子主催のGCC・C5サミットに参加、ジェッダで湾岸諸国の首脳と会談した。(SPA)

複数の課題がある中で、彼らは特に人種差別とイスラム教への偏見の増大、そしてムスリム少数民族とイスラム教の象徴に対する暴力行為について懸念を表明した。

GCCのジャーセム・アル・ブダイウィ事務総長は、「中央アジアとの行動計画には、さまざまな分野における協力を活性化することが含まれている」と述べた。「私たちは既に合意されたことを強化し、中央アジアとの協議と調整メカニズムを構築する作業に取り組んでいる」

近年、GCCと中央アジアの間で、より深い経済協力への関心が高まっている。これらの地域は互いに補完的な経済を持っており、GCC諸国は石油とガス資源に富み、中央アジアは若く成長する労働力を持つことから恩恵を受けている。また、貿易、投資、観光の分野でも協力の機会がある。

サウジアラビアのハーリド・アル・ファーレフ投資相は、このジェッダ・サミットにおける発言で、王国が中央アジア地域の各国と緊密な関係を維持し、それをさらに強化することを望んでいると述べた。

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子はサミットで演説し、また水曜日にジェッダで行われた別のイベントでは、サルマン国王に代わってGCC最高評議会の第18回首脳会議を主宰した。

2023年7月19日、ジェッダで開催されたGCC・C5サミットの議長を務めるサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子。(SPA)

サミットに参加した中央アジアの5カ国すべてが、サウジアラビアの2030年万博招致を支持していることに触れ、皇太子は次のように語った。「私たちは、リヤドでのエキスポ2030の開催候補地として、我が王国への支持を表明したあなたがたの国々に感謝している。これは、私たちの国家間における関係の強さと、私たちの地域のより良い未来への願望を反映している」

協議会議終了後に発表された報道声明では、GCCアル・ブダイウィ事務総長の発言が引用されている。「各国首脳と皇太子は会談の中で、GCC共同行動プロセスの進展を確認し、さらに地域的および国際的な問題について意見を交換した」

ジャーセム・アル・ブダイウィ事務総長(AFP/ファイル・写真)

国営サウジ通信(SPA)が報じたところによると、アル・ファーレフ投資相は、王国がGCCと中央アジア諸国との初の首脳会議の開催を決定したのは、こうした既存の関係を強化するためだと述べた。

また、サルマン国王と皇太子のリーダーシップの下、王国が中央アジアに積極的に関与していることは、地域レベル、アジア諸国レベル、そして世界的なレベルで高く評価されていると述べた。

サミットについてSPAに寄せたコメントの中で、アル・ファーレフ投資相は、このイベントで期待される成果、特に参加国間の経済・投資関係の発展と拡大に関連する成果について楽観的な見方を示した。

GCC加盟国と中央アジア諸国との間の二国間関係の歴史は長く、複雑で、シルクロード貿易ルートの時代にさかのぼる。しかし、1991年のソビエト連邦崩壊以降、それらの歴史的関係はほとんどが断ち切られた。

それ以来数年間、GCCとC5諸国は関係の再構築に取り組んできた。2001年、両地域は政治・経済・安全保障面での協力について議論を行うフォーラムとして、GCC・中央アジア対話を設立した。以来、定期的な協議が行われ、地域間のより密接な関係を育むのに役立ってきた。

サルマン国王の代行としてサミットで演説した皇太子は、中央アジアの代表団の首脳たちを「第二の故郷」に歓迎し、このイベントは歴史、資源、経済成長に基づく絆の継続であると述べた。さらに、王国と湾岸の同盟国は、両地域間の協力のための新たな機会を開くことを楽しみにしていると付け加えた。

「私たちの世界が今日直面している課題は、私たちの国家間の協力を強化し、地域の安全と安定を達成するために全力を尽くすことを必要としている」と彼はサミットで述べた。

「この観点から、私たちは国家の主権、独立性、価値観を尊重し、内政に干渉しないことの重要性、そして、エネルギー安全保障と世界の食料サプライチェーンに影響を与えるあらゆるものに立ち向かうための共同努力を強化する必要性を強調する」

GCC側からは、カタールのシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長、クウェートのシェイク・ミシャール・アル・アフマド・アル・ジャベール・アル・サバーハ皇太子、UAEのシェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム副大統領が参加した。

「GCCと中央アジアの指導者たちとの会談は、関係発展への共通の願いを反映している。私たちは、今日の会談がアラビア湾岸と中央アジアのパートナーシップ強化に貢献することを期待している」とクウェートの皇太子はサミットで語った。

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オマーンとバーレーンの統治者は、サイード・アサード・ビン・アル・サイード・ターリク殿下とシェイク・ナーセル・ビン・ハマド・アル・ハリファ殿下によって代表された。

ナーセル殿下は、GCC諸国間の協力と協調を強化し、他国との友好関係と共同協力を強化する上で、王国が果たしている積極的な役割を賞賛した。

タジキスタンとウズベキスタンのエモマリ・ラフモン大統領とシャフカト・ミルジヨエフ大統領は火曜日にジェッダに到着した。

「私たちは湾岸諸国と歴史的な関係があり、それらを発展させることを求めている。私たちは様々な分野において、湾岸諸国との長期的なパートナーシップを模索している」と、ミルジヨエフ大統領は述べた。

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領。(SPA)

「私たちは湾岸諸国との経済およびAI(人工知能)に関する協力を期待している。私たちは湾岸諸国とともにクリーンエネルギー分野の発展を目指している。私たちはGCCとの食料安全保障の分野で協力を強化するメカニズムを実施する用意がある」

訪問した首脳たちの優先事項の上位に、「安全保障」があると見られている。

「中央アジアの安定を強化するためには、湾岸諸国との安全保障協力が必要だ」とラフモン大統領はサミットで語った。

タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領。(SPA)

カザフスタンのカシム・ジョマルト・トカエフ大統領は、今回の訪問中にマディーナを訪れ、サミットに先立ち預言者のモスクで祈りをささげた。

「私たちは、GCC諸国と開発と経済の面で目標を共有している。私たちは、中央アジア諸国とGCC諸国との協力関係を拡大しようとしている。私たちは、貿易を促進するためのインフラを開発する用意がある」と、トカエフ大統領は述べた。

カザフスタンのカシム・ジョマルト・トカエフ大統領。(SPA)

トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領とキルギスのサディル・ジャパロフ大統領は、火曜日の夜にジェッダに到着した。

「世界的な脅威と課題は、私たちに安全保障を確保するためのパートナーシップを強化することを求めている。私たちは湾岸諸国とのエネルギー分野でのパートナーシップを強化したい」とベルディムハメドフ大統領は水曜日にサミットで語った。

トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領。(SPA)

「私たちはまた、中央アジアと湾岸諸国との間のスポーツパートナーシップを発展させることを目指している」

サミットでの彼らのコメントから、首脳たちの間には共同インフラプロジェクトに対する特別な意欲があるように見えた。

「中央アジアは広範な経済的機会を持つ地域である」と、キルギスのジャパロフ大統領は語った。「経済と投資の協力は、このサミットの議題の中で最も重要なものだ。私はパートナーたちに、中央アジアから湾岸諸国への鉄道を建設するための協力を呼びかける」

2023年7月19日、ジェッダでキルギスのサディル・ジャパロフ大統領(左)と会談するサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子。(ツイッター: @KSAmofaEN)

サウジアラビアのアル・ファーレフ投資相によると、サウジアラビアと中央アジア諸国は宗教的なつながりのおかげで部分的に強い絆を享受してきた。この地域は、過去14世紀にわたり広くイスラム教を信仰してきた歴史がある。

アル・ファーレフ投資相は、キルギスの『2018~2040年間国家発展戦略』やカザフスタンの『2050戦略』など、中央アジア諸国が打ち出した戦略的開発計画を歓迎した。

これらのプログラムは、サウジアラビアの社会改革と経済多様化のブループリント『ビジョン2030』、オマーンの『ビジョン2040』、バーレーンの『経済ビジョン2030』を含むGCC加盟国のビジョンとよく連携していると彼は述べた。

2018年、GCCと中央アジアはカザフスタンで初の経済フォーラムを開催した。フォーラムにはGCC6カ国とC5の代表者が出席し、二つの地域間の貿易と投資を増やす方法を探求することが焦点となった。

2020年には、両地域間の学生・教員交流を促進することを目的とした教育分野における協力に関する覚書が締結された。その1年後には、両地域間の観光促進を目的とした観光分野での協力に関する覚書も締結された。

2021年のGCCと中央アジア諸国間の貿易総額は31億ドルに達し、GCC全体の貿易総額の約0.27%を占めた。2021年のGCCから中央アジアへの輸出額は20.6億ドル、輸入額は10.3億ドルであった。

近年、両地域間の航空便は増加しており、フライナス(flynas)などのサウジアラビアの航空会社が中央アジア諸国と同国を結んでいる。アル・ラジヒ・インターナショナル・グループは、ウズベキスタンの農業分野への投資も計画している。

近年、両地域はテロリズム、過激主義、他の超国家的な脅威による課題の増大に直面しているため、安全保障に関する協力が強化されている。

GCC・C5サミットに先立つGCC外相会議の議長を務めるサウジアラビア外相、ファイサル・ビン・ファルハーン王子。(SPA/ファイル・写真)

2022年、GCCと中央アジア諸国は、安全保障協力の深化に向けて複数の約束を交わした。その中には、テロリズム、過激主義、その他の超国家的な脅威と闘うための共同安全保障対話の設置も含まれていた。

また、各国のテロ対策活動を調整するための合同タスクフォースの創設、テロ脅威に関する情報交換、テロ対策やその他の安全保障関連事項に関する治安部隊の訓練も含まれていた。

2022年、GCCとC5はより野心的な枠組みを提供する戦略対話を開始した。それは、政治と安全保障の協力、経済と投資の協力、文化的な交流を含む幅広い分野をカバーしている。その目的は、両地域間でより強力で多角的なパートナーシップを築くことである。

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