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日本が月着陸を成功させた5番目の国に

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の、「ムーンスナイパー」の愛称で呼ばれる軽量宇宙船、スリム(SLIM)の降下は、日本時間の土曜日午前0時に開始される予定だ。(AFP)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の、「ムーンスナイパー」の愛称で呼ばれる軽量宇宙船、スリム(SLIM)の降下は、日本時間の土曜日午前0時に開始される予定だ。(AFP)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公開したライブ配信から切り抜かれた画像。小型月着陸実証機(SLIM)と呼ばれるロボット式月面ローバーが月着陸中の着陸情報がスクリーンに映し出されている。(JAXA、AP経由)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公開したライブ配信から切り抜かれた画像。小型月着陸実証機(SLIM)と呼ばれるロボット式月面ローバーが月着陸中の着陸情報がスクリーンに映し出されている。(JAXA、AP経由)
小型月着陸実証機(SLIM)のピンポイント月面着陸のライブ配信を鑑賞する宇宙航空研究開発機構(JAXA)職員。ライブ配信は東京近郊の相模原にあるJAXA相模原キャンパスにて、2024年1月20日に行われた。(AP)
小型月着陸実証機(SLIM)のピンポイント月面着陸のライブ配信を鑑賞する宇宙航空研究開発機構(JAXA)職員。ライブ配信は東京近郊の相模原にあるJAXA相模原キャンパスにて、2024年1月20日に行われた。(AP)
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20 Jan 2024 07:01:31 GMT9
20 Jan 2024 07:01:31 GMT9

東京:土曜日早朝、日本の無人宇宙船が月面への軟着陸に成功。日本が歴史上5番目に月に到達した国になった。

しかし宇宙の専門家によれば、小型月着陸実証機(SLIM)の優先目標であるピンポイント着陸が達成されたかどうかの分析には時間を要するという。また、機体の太陽電池パネルの故障で発電ができていないため、月面での活動時間が短くなる可能性があるとも述べられた。

日本の宇宙機関の一部門である宇宙科学研究所所長の國中均氏によれば、宇宙当局者はSLIMの小型ローバーが計画通り発進し、地球に向けてデータが送信されていると考えているという。

しかし彼はSLIMの太陽電池が発電を行っておらず、バッテリーの寿命はあと数時間しかないと述べた。彼は、残ったバッテリーで月着陸と月に関するデータをできるだけ多く収集することが優先事項だと述べた。

日本はアメリカ、ソビエト連邦、中国、インドに続いて月に着陸した。

國中氏は、日本の宇宙探査プログラムは少なくとも「最低限」の成功を収めたと考えていると述べた。

SLIMは東京時間の土曜日午前12時20分ごろ月に着陸(グリニッジ標準時金曜日午後3時20分)。

宇宙航空研究開発機構のミッションコントロールセンターが最初、SLIMは月面に到着したものの「状況を確認中」であると述べた後、緊迫の中で続報が待たれていた。そこから約2時間後の記者会見まで新たな詳細は明かされなかった。

ミッションが完全に成功したと見なすためには、SLIMがピンポイント着陸できたかどうかを確認する必要があった。國中氏は、さらなる時間を要したものの、着陸までの機体の動きを示すデータの観測と、機体が着陸後も信号を送信できていたことから、個人的には十中八九成功と考えていたと述べた。また、太陽電池パネルの角度が予定通りでない可能性があるが、希望はまだあるとも述べた。

太陽電池パネルの問題はあるにせよ、岸田文雄首相はX(旧ツイッター)上で「喜ばしいニュースです」と延べ、政府は引き続き新たな挑戦を支援すると約束した。

NASA長官のビル・ネルソン氏もSLIMの着陸をXのメッセージで称賛し、日本は「月面着陸を成功させた歴史的な5番目の国となりました!」と祝福。また、アメリカ主導の国際的月探査ミッションであるアルテミス計画における「宇宙での日米のパートナーシップと継続的な協力を私たちは重要視しています」とも述べた。

非常に小さな目標を狙っていたSLIMは、乗用車ほどの大きさの軽量宇宙船である。以前の月着陸船よりもはるかに高精度な制御ができると見込まれる「ピンポイント着陸」技術を採用していた。

これまでの探査機の大部分は、着陸地点の範囲が10キロメートル(6マイル)だった。一方SLIMは約100メートル(330フィート)の範囲を目指していた。

これほど高精度の着陸は世界初であり、持続可能で長期的かつ正確な宇宙探査システムにとって極めて重要なテクノロジーになると、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の理事長である山川宏氏は述べた。

国際的な宇宙プロジェクトにおける地位の確保と貢献のため、日本にはこの技術が必要だと山川氏は言った。
このプロジェクトはJAXAが20年間取り組んできた高精度化技術の結晶である。

JAXAとして知られる宇宙機関によれば、「ムーン・スナイパー」のあだ名で呼ばれるSLIMは土曜日深夜に降下を開始し、15分以内に月面上空約10キロメートル(6マイル)まで高度を下げたという。

高度5キロメートル(3マイル)で機体は垂直降下モードに入り、それから地表上空50メートル(165フィート)でSLIMは安全な着陸地点を探すため水平移動に入るはずだったとJAXAは述べた。

SLIMがテストしていた技術は、「降りやすいところではなく降りたいところに」降りる月着陸ミッションを実現するためのものだとJAXAは述べた。また、特殊なカメラを使った鉱物の分析などを通じ、月の起源に関する手がかりを探すこともSLIMのミッションのうちだった。

5本ある脚のそれぞれに衝撃吸収用のパッドを備えたSLIMは、火山岩に覆われた地域に近いシオリクレーター付近への着陸を目指していた。

注目を集めたこのミッションの実施は、アメリカの民間企業による月探査ミッションが打ち上げの数時間後に宇宙船から燃料漏れを起こして失敗してからわずか10日後のことだった。

SLIMは9月に三菱重工のH2Aロケットで打ち上げられた。まず地球軌道上を周回した後、12月25日に月の軌道に入った。

幾度もの失敗を経た日本は、宇宙技術への信頼を取り戻したいと望んでいる。4月には日本企業が設計した宇宙船が月面着陸を試みる中で墜落したほか、3月には新しい主力ロケットの初打ち上げに失敗している。

JAXAには困難な着陸を成功させてきた実績がある。2014年に打ち上げられたはやぶさ2は、長さ900メートル(3000フィート)の小惑星リュウグウに2度着陸し、サンプルを採集して地球に持ち帰っている。

特に月へのピンポイント着陸にSLIMが成功したなら、世界の宇宙技術競争における日本の地位を高めるだろう。

東京大学大学院工学系研究科の航空力学教授である土屋武司氏は、目標地点への着陸精度を確認することが重要だと語った。

「月の開発における日本の立場を正当に主張するためには、日本が適切な技術を有していることを示す必要があります」と彼は述べた。彼によれば月は資源探査の観点から重要であるとともに、火星など他の惑星に向かうための基地としても活用できるという。

日本が競争力を保つためには、精密着陸技術の一貫性を示す必要があると専門家たちは言う。
SLIMは2機の小型自動プローブを搭載している。LEV-1(Lunar Excursion Vehicle)とLEV-2がそれで、関係者らは2機とも着陸前に放出されたとみられると述べている。

LEV-1はアンテナとカメラを搭載し、SLIMの着陸を記録する役割を担っている。LEV-2は2台のカメラを搭載した球形のローバーで、JAXAとソニー、おもちゃメーカーのタカラトミー、および同志社大学が共同開発したものだ。

AP通信

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