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米国の新たな安保理決議案、停戦要請せず

2023年10月22日、イスラエルによるガザ地区南部ラファへの空爆で破壊された家屋のがれきの下で、犠牲者や生存者を探す救助隊員。(AFP)
2023年10月22日、イスラエルによるガザ地区南部ラファへの空爆で破壊された家屋のがれきの下で、犠牲者や生存者を探す救助隊員。(AFP)
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23 Oct 2023 12:10:12 GMT9
23 Oct 2023 12:10:12 GMT9
  • 米国はイスラエルの「自衛権」を強調し、イランにハマス支援の中止を求める新たな決議案を配布した
  • 国連は「壊滅的」な状況に陥っているガザでの人道的停戦を緊急に要請している

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク:米国は21日、国連安全保障理事会に対し、ハマスを非難し、イスラエルの「自衛権」を強調する決議案を提出した。米国はその2日前、ガザへの援助を可能にするための人道的停戦を求めるブラジルが提出した決議案に拒否権を行使したばかりだった。

国連は、ガザの状況が「壊滅的」だとして、人道的停戦を求める声明を出している。

国連機関は、21日に2週間ぶりにラファ検問所からガザ地区に入ったトラック20台分の支援物資は、16年近くイスラエルに包囲されている飛び地のガザで生き延びるために、戦争前からすでに援助に頼っていた120万人のパレスチナ人にとって「大海の一滴」に過ぎないと述べている。

1400人のイスラエル人が殺害された10月7日のハマスによるイスラエルの町への攻撃に対する報復として、イスラエルがガザへの空爆を開始して以来、4300人以上のパレスチナ人が死亡している。

アラブニュースが確認した決議案は、イスラエルの町に対する「ハマスや他のテロリスト集団による(10月7日の)凶悪なテロ攻撃」と、「人質の奪取と殺害、殺人、拷問、レイプ、性的暴力、ロケット弾の無差別発射」を「断固として拒絶し非難する」としている。その中で米国は、ハマスがさらなる攻撃を実行するつもりであると非難している。

「イスラエルの個別的または集団的自衛権は、国連憲章第51条に基づいている」と決議案は述べている。また、イスラエルを名指しせずに、テロとの戦いにおいて、「加盟国は、国際法、特に国際人権法、国際難民法、国際人道法に基づくすべての義務を遵守しなければならない」と付け加えている。

アムネスティ・インターナショナルは、イスラエルによるガザ地区への報復攻撃を「大惨事」と表現し、大量の民間人犠牲者を出している「無差別攻撃を含むイスラエルの違法な攻撃」を記録しており、戦争犯罪として調査されなければならないと述べた。

米国は21日に決議案を配布し、22日の朝に意見を提出するよう各理事国に要請した。

米国の決議案はまた、パレスチナの民間人に言及せずに、「安全な場所に避難しようとしている人々」を含む民間人の保護を求め、「民間人を人間の盾として使用する嘆かわしい行為や、民間人の保護を妨害する試みを含む、ハマスによる野蛮な破壊行為」を非難している。また、ハマスに人質を解放するよう求めている。

決議案はまた、ガザへの必需品の「継続的な」搬入を求めると同時に、「この重要な第一歩を踏み出すための国連、エジプト、ヨルダンなどの人道的努力」を支援するよう各国に求めている。

決議案は、加盟国に対し、「ハマスへの資金提供を制限することを含め、テロリズムへの資金供給を抑制するための努力を強化する」よう求めている。また、周辺の戦線への紛争の波及を防ぐための国連の取り組みを各国が支援することを要求し、「ヒズボラおよび他の武装集団による、安保理決議1701の明らかな違反となるすべての攻撃の即時停止」を求めている。

決議案はまた、イランに対し、「ハマスなど、地域全体の平和と安全を脅かす武装民兵およびテロリスト集団へのすべての武器や関連物資の輸出を停止する」よう求めている。

米国の決議案は、ガザの人道状況に「深い懸念」を表明し、「完全、迅速かつ安全で妨げのない人道的アクセス」の必要性を指摘し、病院やその他の民間施設・人道施設を尊重し保護するよう呼びかけるなど、米国が拒否権を行使して否決させたブラジルの決議案のいくつかの要素を保持しているが、イスラエルを名指しで非難する文言は明記されていない。

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