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リビアの女性たちが高い地位に就いたが、道のりは長いと権利活動家たち

2021年3月17日に首都トリポリで、リビアの暫定の国家統一政府(GNU)のナジラ・アル・マンゴーシュ外務大臣が写真のためにポーズを取る。(AFP通信)
2021年3月17日に首都トリポリで、リビアの暫定の国家統一政府(GNU)のナジラ・アル・マンゴーシュ外務大臣が写真のためにポーズを取る。(AFP通信)
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20 Mar 2021 09:03:05 GMT9
20 Mar 2021 09:03:05 GMT9
  • 閣僚ポストは、「能力よりも地域」に応じて分配された

トリポリ:リビアの新政権の閣僚たちの中には、女性が5人入り、主要な大臣の職には2人が就いている。これはこの国にとって初めてのことだが、とはいえ女性の権利活動家たちからは、不十分であり、国連と約束した女性の人数には達していないと批判されている。

NATOが支援した2011年の武装闘争で、リビアの指導者、ムアンマル・カダフィ大佐の政権が崩壊し、本人も殺害された後、その間隙を埋めようとして、たくさんの軍事勢力が争い、この国は内戦の混乱状態に陥っていた。

今週政権を担った暫定の国家統一政府(GNU)は、この国の機関の統一、外国からの内政干渉を特徴とする10年間の内戦終結、12月の大統領選挙の準備をはじめとして、非常に困難な問題に直面している。

この内閣は、26人の大臣と6人の国務大臣から構成されており、外務と法務の大臣職を含む5つのポストで、女性が指名されていた。

アメリカのリチャード・ノーランド駐リビア大使は、これを「リビアの女性たちにとって歴史的な瞬間」と呼び、国連女性機関(UN Women)は、「女性の権利推進のための大きな一歩」として、女性の国務大臣指名を称賛した。

ソーシャルメディアでこの発表を、「大きな一歩」、「社会にとっての飛躍」、「幸先の良いスタート」として歓迎しているリビア人も中にはいた。しかし、活動家たちは、それほど熱狂的にはなっておらず、新首相はもっと多くの女性をそうできるチャンスがあったと主張した。

国連人権理事会に宛てた声明の中で、イギリスはGNUに、「紛争の解決や政策決定の分野をはじめとして、女性の完全で平等かつ有意義な参加に向けて努力するように促した。

「リビアのあらゆる政府機関・政治プロセスの中で、女性は少数しか関わっていないままです」と、イギリスの声明は述べていた。入閣した5人の女性たちの出身地は、全国津々浦々です」

ベンガジ東部の主要都市出身の活動家であり、弁護士のナジラ・アル・マンゴーシュ氏は、この国初の女性外務大臣だ。

マンゴーシュ氏は、カダフィ大佐の42年に及ぶ統治を終らせた反カダフィ政権の武装勢力、リビア国民評議会の一員として、2011年に注目されるようになった。

西部の都市、ガリヤン出身の法学者で、法務大臣のポストに就いたハリマ・イブラヒム・アブデラマネ氏と、原子物理学の学位を持ち、文化省を率いる予定の南部、フェザーン地域出身の研究者、マブロウカ・トウキ氏と、マンゴーシュ氏は肩を並べて働くことになる。

ワファア・アル・カイラニ氏が、社会問題を担当し、ハウリア・アル・トルマル氏が女性省を担当する。

3月15日に宣誓したアブドゥル・ハミド・ダバイバ暫定首相は、11月に開始された国連が支援するプロセスの一環として、3人制の大統領評議会と共に先月選ばれた。

この国連のプロセスで、ある1人の候補者が大臣ポストの30パーセントを女性に割り当てると言った時にした約束を、活動家たちは指摘している。現在の組閣メンバーの中で、女性の数はその30パーセントのわずか半分にしかすぎない。

「私たちはリビア女性が主要ポストに指名されて、誇りに思っていますが、首相が自らの約束を守らなかったことは残念に思っています」と、女性協会Maaha(With Her)のガリア・サッシ会長は語った。

活動家たちは、政権に軌道修正するように圧力を掛け続ける、と同会長は誓った。閣僚の30パーセントを女性に割り当てる要求を始めていた活動家、レイラ・ベン・ハリーファ氏は、この約束未達成による失望に同調した。

閣僚ポストは、「能力よりも地域」に応じて分配された、と同氏は主張した。

2011年の武装闘争の間、リビア女性たちは重要な役割を果たしたが、前の暫定政権と現在の議会で、名を連ねた女性の数は限られていた。

リビア西部に本部を置き、2016年に設立されたGNUの前身、国民合意政府でも、約30の大臣ポストのうち、女性は2人しかいなかった。

国際社会には認知されていないが、この政権と並立した政権に、女性は1人しかいなかった。

そして、不安定と対立に満ちた10年が、リビアの日常生活に多大な影響を与えてきたが、憂慮すべき展開は、女性の権利をはじめ、権利活動家たちに対する暴力だった。

11月にはベンガジで、正体不明の武装した男たちが、弁護士で女性の権利活動家のハナン・アル・バラシ氏を白昼堂々と射殺した。ヒューマン・ライツ・ウォッチは当局に、この「明らかな政治的動機に基づく殺人」を捜査するように促したが、国連リビア支援団は、リビア女性たちが正々堂々と意見を敢えて述べるようになれば、それだけ脅威に直面するようになることをバラシ氏の死が示している、と述べた。

バラシ氏の殺人事件は、2019年7月のベンガジで自宅から連れ去られた弁護士、シハム・セルギワ氏の失踪事件の後だった。

セルギワ氏の誘拐は、東部の絶対的指導者、ハリファ・ハフタル氏のトリポリでの攻撃をテレビで批判した内容の放送が流れた直後だった。セルギワ氏の行方は、まだ明らかになっていない。国連人権理事会でイギリスは今週、リビアで女性に対する暴力に懸念を表明してもいた。「リビア当局は、女性のジャーナリストや活動家たちを黙らせようとする行為に対処し、性とジェンダーに基づいた暴力に対応しなければなりません」と、この声明は述べていた。

AFP通信

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