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エジプト 100万回分のワクチンを生産 自給自足に期待

カイロの大規模接種会場で新型コロナワクチンの接種を待つ人々。2021年6月2日(ロイター)
カイロの大規模接種会場で新型コロナワクチンの接種を待つ人々。2021年6月2日(ロイター)
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07 Jul 2021 03:07:52 GMT9
07 Jul 2021 03:07:52 GMT9
  • VACSERA社の幹部がマドゥーリー首相に、年内に2億回分を超えるワクチンの製造計画を伝える
  • マドゥーリー首相がVACSERA社アグーザ工場で、中国のシノバック社の協力により設立されたワクチンの生産ラインを視察

ムハンマド・アブ・ザイド

カイロ:モスタファ・マドゥーリー首相は6日の記者会見で、エジプトでこれまでに100万回分の新型コロナウイルスワクチンが生産されたと述べたうえで、国営医薬品企業VACSERA社工場で1シフトあたり30万回分のワクチンを生産することができることを明らかにした。

そして、エジプトはウイルスの拡散を抑え、ワクチンの製造や購入に関する契約を締結することで、新型コロナウイルス危機への対処に成功していると強調した。

VACSERA社の幹部がマドゥーリー首相に、年内に2億回分を超えるワクチンを製造する計画を伝えた。これはエジプト政府が目標としている4000万回分の接種分を優に超える量で、余剰生産分を同盟国に輸出することも可能となる。

マドゥーリー首相はVACSERA社アグーザ工場で、中国のシノバック社の協力により設立されたワクチンの生産ラインを視察した。

「我々は中国の提携企業に年内に8000万回分のワクチン製造を行いたいと要請した。つまり必要量の倍だ」とマドゥーリー首相は説明した。

ハラ・ザイード保健相は、今後数日でさらに200万回分のワクチンが生産されるという見通しを示した。

そのうえで、新薬が6週間かけて11段階の試験をパスして製造され、安定性試験の実施に至ったと述べた。

ザイード保健相は、中国側との協力体制が中国大使館の立ち合いのもと、昨年6月に開始されたと明らかにした。

その後もやりとりは継続し、今年4月にエジプトの内閣府でVACSERA社と中国のシノバック社との間で製造と技術移転に関する協定が締結されたという。

ザイード保健相は世界保健機関(WHO)の担当者がVACSERA社の工場を訪問した際に、ワクチンの生産ラインの質の高さと効率性を称賛したと強調した。

そのうえで、エジプトはワクチン生産の分野で指導的役割を果たすことのできる段階に到達したとし、国内への供給を達成した後、中東や北アフリカ諸国への輸出をめざす考えを示した。

保健・予防問題担当の大統領顧問であるモハメド・アワド・タージ・​エルディン氏は、新型コロナワクチン生産などの分野において、エジプトはアフリカ・中東地域のセンターとなることができると指摘した。

そして、外国からの技術支援を受けてワクチン生産を現地化するというアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領の指示に言及した。

さらに、アフリカ諸国は多くの疾病や感染症の流行に苦しみ、緊急に支援を必要としているとしたうえで、エジプトは科学技術および医療の専門知識により継続的な支援に取り組んでいると述べた。

タージ・エルディン氏はエジプトと中国の強固な関係により、原材料の輸入およびエジプトでのワクチン生産が滞りなく進んだと指摘した。

そして、新型コロナワクチン関連の医薬品は不足していないとし、エジプト企業による生産が可能となったことで、国外のワクチンや医薬品に依存することによる供給リスクも生じないと述べた。

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