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チュニジアの4政党、「正統性を失った」とサイード大統領を批判

チュニジアのカイス・サイード大統領。(AFP)
チュニジアのカイス・サイード大統領。(AFP)
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24 Sep 2021 03:09:41 GMT9
24 Sep 2021 03:09:41 GMT9
  • サイード大統領は22日、(大統領が定める)法令による統治を行うと宣言

チュニス:チュニジアの4つの政党は23日、カイス・サイード大統領が立法権と行政権を掌握すると発言したことを受け、大統領は正統性を失ったとして、彼らが「クーデター」とする現在の事態の収束を求めた。

サイード大統領は22日に、政治体制を変える準備として、憲法を部分的に無視して(大統領が定める)法令による統治を行うと宣言した。

22日に出された政令には、議会の権限停止の継続、およびすべての議員の免責特権の停止が含まれている。さらに、官報に掲載された文章は一層踏み込んだ内容となっており、議員への給与を凍結するとしている。

また、権限が凍結されている議会を通さずに法律を制定するとしているため、サイード大統領ははほぼ無制限の権力を持つことになる。サイード大統領は、7月25日に「国家非常事態のため」だとして、首相を解任し、議会を停止して行政権を掌握した。

法律専門のモウナ・クライム教授は、この新たな緊急措置は「完全な意味での独裁体制の確立」を意味するものだと指摘している。

アッタイル(Attayr)、アルジュフモウリ(Al-Jouhmouri)、アケフ(Akef)、エッタカトル(Ettakatol)の各政党は共同声明の中で、大統領の措置は絶対的な権力の独占を固定化するものだと非難した。

サイード大統領は独裁者になることを望んでいないとして、最終的には国民投票の形で自身の政治改革への評価を国民に問うことを目指していると述べている。しかし、大統領に批判的な人々は、この弁明に対して懐疑的である。何年にもわたる経済低迷の中で起きた 7月の政変は、激しい抗議行動とコロナウイルス感染者の増加をきっかけとするものだった。

憲法専門家のチャフィク・サルサール氏は、議会がはっきりと解散されたわけではないものの、サイード大統領は、2014年のチュニジア革命以来の憲法によって確立されていた議会制と大統領制のハイブリッドシステムから道を分かつ「ミニ憲法」を施行したことになる、と分析する。

「これは、新しい憲法秩序への移行に備えるための、一時的な権力の再編成のように思えます」とサルサール氏は述べている。アナリストのサラ・アルディン・アルジュルシ氏も、サイード大統領が政治秩序の変革を目指しているという見方に同意している。

「彼はチュニジアの体制には変革が必要だと考えており、単に大統領制を導入するだけでなく、国家元首と国民との関係を変えていくという、非常に明確な目標を持っています」とアルジュルシ氏は語っている。

ロイター/AP/AFP

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