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スーダン、軍への圧力が増す中、クーデターを批判した3人を拘束

2021年10月25日に撮影された資料写真。スーダン・ハルツームで、軍当局による政権掌握を批判する民主派の路上でも。(AP通信)
2021年10月25日に撮影された資料写真。スーダン・ハルツームで、軍当局による政権掌握を批判する民主派の路上でも。(AP通信)
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27 Oct 2021 11:10:41 GMT9
27 Oct 2021 11:10:41 GMT9
  • 月曜日のスーダン軍による政権掌握への抗議デモが首都ハルツームやその他の地域で続く中、逮捕は夜間に行われた

カイロ:軍事クーデターに対する国内外からの圧力が増す中、スーダンの治安部隊が民主派の主要人物3人を拘束したと、水曜日、彼らの親戚と他の活動家が発表した。

月曜日のスーダン軍による政権掌握に対する抗議デモが首都ハルツームやその他の地域で続き、多くの店や企業がストライキの呼びかけに応じて休業する中、逮捕は夜間に行われた。活動家たちによると、治安部隊はデモに対し高圧的な対応を続け、火曜日の深夜、いくつかの地域ではデモ参加者が追いかけられ、何人かが撃たれて負傷したという。これまでに少なくとも6人が抗議デモ中に死亡したと医師は発表している。

今回のクーデターで、これまで断続的に進んできたスーダンの民主主義への移行が止まってしまう恐れがある。この流れは2019年、長年スーダンを治めてきたオマル・アル・バシール氏とイスラム主義政府が民衆蜂起によって失脚した後から始まった。クーデター以前には、軍と民間の指導者の間で民主主義に移行する具体的な道程とスピードを巡る緊張関係が数週間ほど続いていた。

ドイツのハイコ・マース外務大臣は、軍による政権掌握は「最悪の展開」だと発言し、アル・バシール氏の支配下で30年近く孤立していたスーダンが国際社会への復帰を目指してきた最近の取り組みに「深刻な影響」があるだろうと警告した。

「国は非常に危険な状況に追い込まれており、スーダンの民主的で平和な未来が疑問視され始めている」と、マース外務大臣は火曜日に声明を出した。

世界中からの避難の声を受け、軍は火曜日の夜、退陣させられたアブダラ・ハムドク首相夫妻が自宅に戻ることを許可した。元国連エコノミストのハムドク氏は、軍の政権掌握の際に他の政府高官とともに拘束されていた。

ハルツームにあるいくつかの欧米諸国の大使館は、水曜日、ハムドク氏とその内閣をスーダン「暫定政府の憲法上の指導者」とする認識は引き続き変わらないと発表した。

欧州連合(EU)、米国、英国、フランス他のヨーロッパ諸国の大使館は共同声明を出し、拘束されている他の政府関係者の釈放および、軍と民主派の間の協議を求めた。

新しく指導者の座についたアブデル・ファッター・ブルハン司令官は、予定通り2023年7月に選挙を実施すること、その前にテクノクラート内閣を任命することを約束した。

だが、軍が本気で最終的に政権を放棄する意志があるかは疑わしいという批判もある。今回のクーデターが、ブルハン氏が最高統治機関である主権評議会の長の座を民間人に明け渡すことになっていたその数週間前に起きているためだ。主権評議会は軍人と民間人両方の指導者で構成されるが、率いるのは司令官だ。それとは別に、ハムドク首相の暫定政府が日々の業務を進めていた。

夜間の逮捕で拘束された活動家は、アル・バシール大統領の退陣につながった抗議活動の先頭に立っていた団体、スーダン専門家協会のイスマイル・アル・タジ会長、スーダン最大の政党ウンマ党の党首でマリアム・アル・マハディ外務大臣の兄弟であるセディク・アル・サディク・アル・マハディ氏、元首相のメディア・アドバイザーを務めたカリド・アル・シライク氏の3人だ。

3人は軍のクーデターをはっきりと批判し、抗議デモを呼びかけてきた。すでに何万人ものスーダン人が路上デモに参加しており、活動家たちは土曜日に大規模なデモを計画している。

スーダン医師委員会の医師によれば、デモ参加者に対峙する治安部隊は月曜からこれまでに少なくとも6人を殺害し、140人以上を負傷させており、その多くが重体となっている。

アル・シライク氏は、アル・ジャジーラ放送局のインタビューに応じたすぐ後に拘束されたと妻のマルワ・カメル氏は話す。インタビューでアル・シライク氏は軍の政権掌握を批判し、ハムドク氏とその政府をスーダンの合法的な政権であると発言していた。

「ブルハン司令官がしたことは、完全なクーデターだ…数日以内に人々は声をあげるだろう」と、アル・シライク氏は述べた。

活動家のナジム・シラジ氏とナジク・アワド氏、またウンマ党が、他の2人が逮捕されたのは事実であると証言した。

月曜日、スーダン軍の指導者であるブルハン司令官は主権評議会と暫定政府を解散し、非常事態宣言を発令した。ブルハン氏は国が内戦状態に陥ることを防ぐために軍が介入せざるを得なかったと主張する。だが、彼は主権評議会に対し、民主主義への移行を遅らせることを望むと繰り返し警告していた。

AP

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