
サイード・アル・バタティ
アル・ムッカラー:YouTubeに批判的な動画を投稿した後、フーシ派に逮捕されたイエメン人2人が裁判にかけられることになっている。これを受けて人権団体は、反対者に嫌がらせをするために裁判を利用しているとしてフーシ派を非難している。
ムスタファ・アル・ムマリ氏とアハメド・ハジャール氏は先月、「泥棒・強盗だ」と言ってフーシ派を非難し、汚職をしているとされる数人の幹部の名前を挙げ、課税水準を批判した後、逮捕された。フーシ派は2人を、虚偽の情報を広め、幹部を中傷し、暴力を扇動したとして非難している。
サヌアにいる被告側の弁護士、アブドゥル・マジード・サブラ氏はアラブニュースに対し、同時に逮捕されたアハメド・イロー氏とハムード・アル・メスバヒ氏は保釈されたと話した。
イロー氏は動画の中で、汚職に対処するようフーシ派に求め、囚人に対する同情を示して拘束された。アル・メスバヒ氏は逮捕時、アル・ムマリ氏と一緒にいた。
この4人は、以前はソーシャルメディアでフーシ派への支持を表明していた。4人は、サヌアにある、フーシ派が運営する第一審特別刑事裁判所に出廷した。
フーシ派の公式メディアは、全員が後悔の意を表明し、こうした行動を繰り返さないことを約束したと伝えた。
しかし、フーシ派がユーチューバーやソーシャルメディア・ユーザーを弾圧しているのを受け、人権団体は、言論の自由の擁護者に嫌がらせをし、反対者に復讐するために裁判を利用しているとしてフーシ派を非難している。
ジュネーブに拠点を置く「権利と自由のための組織SAM」は、フーシ派が2014年終盤にサヌアを占拠して以来、人権侵害や拉致がエスカレートしていると発表した。フーシ派は、反対者の処刑や財産の没収を正当化するために政治裁判所を設置した。
SAMはツイッターに「イエメンの組織、アンサール・アッラー(フーシ派)は、敵対者とみなす人たちに対し重大な侵害行為を行っている。結果として、刑務所を開設し、政治裁判所を設置した」と投稿した。
国際人権団体「ユーロメッド・モニター」は先週、フーシ派を、「薄っぺらい理屈」を使い、反対者やインターネット上で声高に主張するインフルエンサーを弾圧・拉致・処罰しているとして非難した。
サヌアに関しては、ハンス・グルンドベルグ国連イエメン担当特使は17日夜、フーシ派が支配するサヌアへの2日間の訪問を終了したと発表した。フーシ派幹部との議論の結果には言及しなかった。
「今回の訪問は、グルンドベルグ国連特使の継続的な取り組みの一環である。目的は、#イエメンの問題を話し合いで包括的、政治的に解決することだ」とグルンドベルグ氏の事務所はツイッターに投稿した。
グルンドベルグ氏は16日にサヌアに到着し、国連が仲介した停戦の延長などの問題についてフーシ派幹部と議論した。その議論が行われたのは、オマーンの調停者がサヌアに戻り、フーシ派が終戦の条件として要求しているものを知った数日後だった。
一方、この24時間の間に、包囲されているタイズ市周辺の紛争地域で、政府軍とフーシ派による散発的な戦闘が発生した。
イエメン軍によると、政府軍は、タイズ北部にある防空施設の近くやタイズ南部・西部の他の地区で、フーシ派と激しい銃撃戦を繰り広げたという。17日、同じような戦闘や銃撃戦が、タイズの他の地区でも行われた。