アラブ・ニュース 

• COP28議長に指名されたスルターン・アル・ジャーベル博士が、会議に向け行動重視のロードマップを策定へ
• アル・ジャーベル氏：「我々には、進路の根本的な転換が求められている」

ドバイ： アラブ首長国連邦（UAE）は火曜日に、世界政府サミット（WGS）にて、同国が11月に開催される国連気候変動会議（COP28）の主催国として、前向きなマインドセットを取り、パートナーシップを促進するという方針を表明した。

UAE産業・先端技術大臣とCOP28議長を兼ねるスルターン・アル・ジャーベル博士は、WGSの2日目に出席した大勢の聴衆に対し、「UAEは気候変動に対して、謙虚さ、明確な責任感、そして強い緊迫感を持って取り組む」と述べた。 

アル・ジャーベル氏は、「COP28へのロードマップ：行動の重視」と題したセッションでの演説で、パートナーシップ、政治的意思、足並みをそろえた気候変動対策を通じて、実質的な進展を図る必要性を強調した。

同氏は「国際社会は、10年以上前に行った約束を果たさなければならない。国際金融機関と多国間開発銀行を改革し、より贈与的な融資を確保し、リスクの抑制に努め、そして、より多くの民間部門の融資を呼び込み、気候変動の影響に対し最も脆弱なコミュニティーに向けることが必要である」と述べた。

Sultan AlJaber, Ministry of Industry and Advanced Technology, delivers a speech at @WorldGovSummit titled "The Road Map to COP28: Prioritizing Action"#WGS2023#WorldGovSummit pic.twitter.com/Qqy3DdpgdY

— Dubai Media Office (@DXBMediaOffice) February 14, 2023

また、世界は地球の気温上昇を1.5度以下に抑制するという目標の達成には程遠いとし、新たな方法論を打ち出すことで、目標を単に設定するだけでなく、気候変動適応、融資、損失・損害の軽減を通じて実行する必要があると強調した。

アル・ジャーベル氏によれば、2030年までに世界の二酸化炭素排出量を43％削減する必要がある。「したがって、我々には、進路の根本的な転換が求められている。我々が実践していた方法論は異なる段階に退行し、部分的には目標に対してもはや有効ではなくなった」と付け加えた。 

世界経済の不確実性、地政学的緊張の高まり、エネルギー安全保障への圧力が高まる中、行動を加速させる必要性も強調した。

WGSでアル・ジャーベル氏は「我々は、第一次産業革命以降使われてきたエネルギーになおも依存し続ける産業システム全体を根本的に変革しなければならない」と述べた。

セッション中、同氏は、気候変動対策の包括的な進歩の達成には、資本の調達コストをリーズナブルに抑えることが不可欠であると強調した。

また、「目標設定から実行に移すための最も重要な柱のひとつが、資本配分だ。それは同時に、適応のための重要な要素でもある。なぜなら、気候変動の影響に対して最も脆弱なコミュニティーの保護、自然に基づく解決策への投資、熱帯雨林の保護、生物多様性の保護に割り当てられる年間予算を倍増する必要があるためだ」と付け加えた。

アル・ジャーベル氏は、COP28会議に向けて、実際的な結果を重視する包括的なロードマップを策定し、気候変動対策の先駆者であるシャマ・アル・マズルーイとラザン・アル・ムバラク、そしてCOP28事務局チームとの協力の上で、解決策重視のアジェンダのもとに、総力を動員し、全ステークホルダーを結集させると述べた。

人工知能については、人間と機械の関係のあり方を変え、産業プロセスを迅速かつスマートにし、エネルギーの効率化・クリーン化に資するとしている。

「我々は今、気候変動の未来につながる技術革新に、エネルギー部門を巻き込む前例のない機会を迎えている。間違いなく、我々の共通の利益のためには、エネルギー・セクターが外部と手を取り合い、世界が必要とする解決策に到達するために協力することが求められる」と述べた。

アル・ジャーベル氏は、COP28議長職として全関係者の意見に耳を傾けることを改めて約束し、オープンかつ建設的な対話が世界の必要とする進展を達成するとの確信を表明した。