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国連、戦争犯罪調査の終了を受けリビアでの一層の責任明確化を要求

ジュネーブでの討論会の席上、発言中に聴衆を見渡すヴォルカー・ターク国連人権高等弁務官。(AFP)
ジュネーブでの討論会の席上、発言中に聴衆を見渡すヴォルカー・ターク国連人権高等弁務官。(AFP)
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03 Apr 2023 10:04:51 GMT9
03 Apr 2023 10:04:51 GMT9

ジュネーブ:4月3日、国連の人権問題トップはリビア当局と国際社会に対し、戦争犯罪に関する捜査が終了したことを受け、内戦で荒廃したリビアにおいて責任を明確にする取り組みをより一層進めるよう求めた。

「リビア当局、武装グループ、密輸業者、人身売買業者たちは、国際社会がリビアに向けていた注目が過ぎ去ったと考えるべきではない」とヴォルカー・ターク国連人権高等弁務官は述べた。

「過去の人権侵害に対する責任を明確にするための取り組みを倍加し、今後起きる可能性のある侵害行為を防ぐために現地で監視を続けることがきわめて重要だ」

ターク氏の発言は、2020年に国連人権理事会が設置した、国連のリビアにおける独立事実調査団が作業を終え、文書および収集した証拠をターク氏のジュネーブの執務室に提出したことを受けてのものである。

人権理事会は調査活動の延長は行わず、今週国連に対し、リビアの人権状況改善に向けた「技術的支援」を求める決議案を採択する見通しである。

先週発表された最終報告書で、事実調査団は紛争で疲弊した北アフリカの国、リビアにおける人権状況の悪化に関する深い憂慮を表明した。

調査団は結論として、「国家治安部隊および武装派民兵組織が様々な戦争犯罪と人道に反する罪に手を染めていたと信じる根拠」が存在するとしている。

そして、特にリビアからヨーロッパに出ようとするものの叶わず、組織的な拷問を受け、性的奴隷となることを強要されている移民の存在を指摘して警告を発した。

調査団はさらに、国連人権高等弁務官事務所が「リビアにおける許しがたい人権侵害を監視・報告するための継続的な命令権を持つ、独立で自律的な枠組みを確立」することを勧告した。

このような枠組みは、「リビアの人々の融和の努力を支え、リビア当局が移行期間における正義とアカウンタビリティを実現できるよう支援する」ことを目的とすべきだと調査団は主張している。

ターク氏は3日、この勧告を支持すると表明した上で、国連人権高等弁務官事務所は引き続き当局と協力し、被害者の視点に立って移行期間における正義とアカウンタビリティを求める計画を策定することに注力すると述べた。

リビアは2011年に独裁者ムアンマル・カダフィ氏を打倒した反乱以来、10年以上にわたり間歇的な内戦を経験し、外国勢力からの支援を受けた無数の民兵組織が同盟と対立を繰り返してきた。

現在も、西部トリポリを拠点とする名目上の暫定政権と、高名な軍人のハリファ・ハフタル氏が支援する東部の政権の間で国は2分されている。

AFP

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