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トルコ大統領選:第3の候補が決選投票での支持をめぐり対話の構え

5月14日のトルコ大統領選挙におけるトルコの右派国家主義選挙連合、ATA連合の大統領候補、シナン・オアン氏。トルコのアンカラにて、2023年5月15日(ロイター)
5月14日のトルコ大統領選挙におけるトルコの右派国家主義選挙連合、ATA連合の大統領候補、シナン・オアン氏。トルコのアンカラにて、2023年5月15日(ロイター)
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17 May 2023 05:05:53 GMT9
17 May 2023 05:05:53 GMT9
  • 55歳のシナン・オアン氏は、14日に行われた歴史的投票で5.2%の票を獲得し、エルドアン氏は1回目投票で勝利を収めることができなかった
  • オアン氏は対話に応じる姿勢を示しつつも、いずれの候補を支持するか(あるいはどちらも支持しないか)を決めるには数日かかる可能性があるとした

イスタンブール:ほとんど無名の国家主義者が、トルコの大統領選が決選投票までもつれる原因となったが、この人物は5月16日、AFPに対し、現職のレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とその世俗的ライバル候補いずれを支持する可能性もあると語った。

直前になって出馬を表明した、55歳のシナン・オアン氏は、14日に行われた歴史的投票で5.2%の票を獲得し、エルドアン氏は20年にわたる在職中初めて、1回目投票で勝利を収めることができなかった。

エルドアン大統領の得票率は49.5%で、一方のケマル・クルチダルオール氏は44.9%の票を確保したが、クルチダルオール氏の勝利を予測した調査があっただけに、野党にとっては残念な結果となった。

AFPとのインタビューで、オアン氏はもっと票が取れると予想していたと語り、いつかは自分が大統領に選ばれる日が来るという期待をのぞかせた。

「もっと高い得票率、10から11%程度を見込んでいました」とオアン氏は話した。オアン氏は世俗的国家主義者で、エルドアン氏の与党連合に議会で合流した極右政党から追放されている。

無所属の候補として大統領選に名乗りを上げたオアン氏は、対話に応じる姿勢を示しつつも、いずれの候補を支持するか(あるいはどちらも支持しないか)を決めるには数日かかる可能性があるとした。

「エルドアン氏とクルチダルオール氏の両者と話し合いを持った上で決定したいと思います」とオアン氏は述べた。

「いずれも支持しないということになるかもしれません」

あるトルコ政府関係者はAFPに、エルドアン氏の率いるイスラム主義政党が、オアン氏との会談について近く声明を発表すると明かした。

英語を話し、モスクワの一流大学で学んだオアン氏は、自身の支持者には「国家主義者を奉じる人々と、政界の古い顔ぶれにうんざりし、我々の方が知的だと考える若者たち」が含まれると語った。

調査会社BCAリサーチの政治部門のチーフストラテジスト、マット・ガートケン氏は、オアン氏が票を奪ったのは主に国家主義者と宗教保守派を支持層とするエルドアン氏からであろうと示唆している。

「第2回投票では、エルドアン氏はオアン氏への票の過半数を得る必要はなく、他の条件が同じとして、そのたった5分の1を獲得すれば大統領に再選されることになります」とガートケン氏は説明する。

オアン氏は2011年、超国家主義政党MHPの一員として国会議員になった。

だが、2015年の世論調査の結果が芳しくなかったことで党上層部を批判したことから指導部との関係が悪化した。

オアン氏は党から追放処分を受けたが、その後訴訟を起こしてこれに勝利し、復帰している。

しかし2年後の2017年、エルドアン大統領の権限拡大に関する国民投票に反対したことで再び除名された。

もう一人の大統領候補、国家主義者のムハレム・インジェ氏が選挙のわずか4日前に立候補を取りやめた後、オアン氏も選挙戦から撤退するようにという圧力にさらされた。

エルドアン氏の与党が連立を組む政党と対立した過去があることから、大統領と和解できるかと尋ねられたオアン氏は次のように述べた。「国を治めようとするなら、個人的な恨みは捨てなければなりません」

オアン氏は、自らが支持する候補者は誰であれ、「テロ」との関りを断固として絶たなければならないと述べた。トルコの政治家が「テロ」と言う場合、自治権の拡大を求めて戦っている非合法のクルド人武装派組織を指す。

オアン氏は、クルチダルオール氏が親クルド的な国民民主主義党(HDP)(先月クルチダルオール氏の立候補に支持を表明した)とつながりを持っていることに懸念を抱いている。

一方で、オアン氏はエルドアン氏がトルコのクルド系ヒズボラ(レバノンのヒズボラとは無関係)とつながりのある極右政党フューダ・パルと協力していることも批判している。

「あらゆる種類のテロ組織に対する措置が取られるよう求める」とオアン氏は主張し、各政党に「テロと距離を置く」よう要求した。

HDPはトルコ政府および西側諸国がテロ組織に指定しているクルディスタン労働者党(PKK)とつながりがあるとして、裁判所により禁止命令を出される可能性がある。

「テロと距離を置こうとしないあらゆる組織に反対する」とオアン氏は述べている。

AFP

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